タグ： Noahの舟

「"彼"は逃げたんや、あの監獄から。僕らという生贄を残して。…もっかい会えたら？…んなもん、何するか分からへんで？僕は、アイツが大っ嫌いや。努力も呪縛も知らん。のうのうと生きとる、アイツが」 "フルハウス"のキーボードニスト天盟絃の弟。 絃は家との関係を一切切り、バンドマンとして活躍しているが、彼は家に留まり、両親の期待を一心に背負ってピアニストとして活動している。 絃は長男だったのに対し、彼は次男であったため、ピアノは習わされていたが、長男の技術には劣り、長男の影に隠れて細々と活動していた。しかし、絃が高校を卒業して家を出たため、次男である自分に矛先が向き、"英才教育"と称されるピアノの教育を受けている。頬に絆創膏が貼ってあるのは、その"教育"の賜物なのかもしれない。 性格は常時ヘラヘラと笑みを浮かべており、なかなか掴めない。しかし、指には血豆ができているなど、ピアノにどれだけの押し付けられた熱意を向けてきたかが分かる。本人曰く『ほんまにピアノが好きなんか、分からへんくらい弾いた。あの両親の前では、口が裂けても好きって言うけど』とのこと。 色弱があるため、影の入った眼鏡をかけている。赤色系が見えないため、両親が赤ペンで楽譜にひたすら修正点を書いても、鉛筆で書いたようにしか見えないらしい。または、人間が立っていても、裸なのではないかと疑うほど、色彩感覚がない。両親は色弱であることに気付いていない。 兄の絃のことを非常に妬んでいる。自分を置いて、我が兄は自分の好きなことをやれているのに。自分はまだ鎖に巻かれたままであることを、よく思っていない。自分の兄のことを"彼""天盟さん"などと呼んだりする。 男同士が恋をすることを良しとしていない。そのため、女性とはたまに家に招いて情事を営むこともあるが、男性とは決して気を緩めず、そんなことも絶対しない。

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