タグ： 灰と甘露

参考職業：古物研究家 妖として戦う男。見た目は幼く、中学生くらいの少年に見えるが実際ははるかに長いこと生きている。 長く生きているだけあり、歴史や古物に造詣が深い。というかリアルタイムで歴史上の大きな出来事に立ち会っている可能性がある。 読書が好きで文学から歴史書まで幅広いジャンルを読んでおり、たまに歴史書を読んで「あー、あったあったこんな事件」と最近の電子機器も使いこなしており、これまで触れてきたどんなエンタメとも規模の違うネットの海の広さに感動して、現在はコンピュータおじいちゃんと化している。 精神年齢が高すぎるが見た目は少年ため、どうあがいても子供として扱われる。子ども扱いされることに関してはもはやあきらめており開き直って子供のふりをすることもあるが、特定の人間には年相応に振るまう。 戦闘に関しては体が弱いため正面切って戦うよりも小柄な体型を活かしてこそこそと動き回りながら戦う。 HO4とは古くからの知り合いで、兄弟のような関係である。なおHO4にはそっけない態度を取ろうとする。 自分を守るため命を落としたHO4への償いなのか、HO4のことを守ると誓っている。HO4の記憶がなくなるたび、苦しくなる心を隠しながら、なぜ記憶がないのか、二人はどんな関係なのかを説明している。 遥か昔、それこそ自分が本当に今の見た目と同じくらいの年齢の頃。HO４と「一生君のそばにいる」という約束を交わしている。 たとえHO4が死んでも、何度記憶をなくしても、HO4と共に在ることが彼の唯一の生きる意味である。 いつかHO4に話した、『蝶と同じ景色を見ようとする蛇』のおとぎ話を、HO4が好きだと言ってくれたことを思い出にしている。 以降、HO4の記憶が無くなるたびにその話をしている。 HO4が重い病に罹った時のこと。どれだけ手を尽くしてもHO4の体は弱っていくばかり。「あぁ、俺が代わってあげられれば。」歳ばかり重ねて、死ぬ事も出来ず、ただ辛そうなHO4を見ていることしか出来ない。無力な自分への怒り。HO4の顔を見て込み上げる涙。溢れる感情が自身の体力を奪い、いつの間にか風花は眠っていた。 目が覚めると、HO4が側に立っていた。「よかった。治ったのだ。」ほっと胸を撫で下ろす。 「どなたですか？ここは一体…？」元気な彼女が戻ってきた。記憶のない状態で。痛む心臓をぐっと掴んで、言葉を捻り出す。慣れることの無い、何度目かの『初めての自己紹介』。 大切にしていた古い花瓶をHO4が割ってしまうことがあった。HO4は割ってしまったことを泣きながら謝るが、風花は怒ることなく、HO4が怪我をしていないことに安堵する。風花はHO4に「どんなに長く在る物でもいつかは壊れる。この花瓶もきっと今日が役目を終える日だったんだ。」 「花瓶の破片は拾っておくから、新しい花瓶に水を入れてきておくれ。花を植え替えてあげよう。この花はまだ美しく咲けるから。」朽ちてもまた美しく咲く花と、その花の傍に永遠に居続ける花瓶のいつかの思い出。

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