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クトゥルフ PC作成ツール
陸川 喜玲
ID:4402069
MD:bbeb47cd7ef68b0dccbd40925d3eaae3
陸川 喜玲
タグ:
灰兎
NPC
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生まれ・能力値
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一時的増減
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SAN
現在SAN値
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技能
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興味P
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
家族構成:父(喜市)、母(玲子) 好物 :フグ 苦手 :納豆 誉 :己の賢さ。 恥 :幼い頃、実家の大浴場で溺れかけた。 ステータス STR 50 (H:25) <E:10> CON 40 (H:20) <E:8> SIZ 65 (H:32) <E:13> DEX 60 (H:30) <E:12> APP 75 (H:37) <E:15> INT 60 (H:30) <E:12> POW 45 (H:22) <E:9> EDU 60 (H:30) <E:12> 正気度0 (元の値は45) 耐久力10 DB:+ 0 ビルド:0 移動:7 近接戦闘(格闘)25%(12 / 5)、ダメージ 1D3 + DB 回避 30%(15 / 6) 装甲:なし。 技能:言いくるめ 40%、オカルト 35%、経理 40%、心理学 50%、目星 50%、 クトゥルフ神話 15% 人物像: 大学生。両親の営む旅館《陸川亭》で幼い頃からお手伝いをして過ごす。小学生の頃、図書館にあったオカルト雑誌でヤツユメウナギの記事を読み、山中に入って探したことがある。数日後、" 地底を掘るもの"に捕捉されて《洞窟の夢》を見る。その夢で様々な人物の話を聞いていくうち、知らず知らず知識欲に汚染された。シナリオ開始の1 年ほど前にエージェント・ドッペルトの記憶を呼び出すことに成功し、その野望を受け継ぐ。犠牲者を招き、この地で儀式を行わせることで、ヤツユメウナギの活性化を目指した。《洞窟の夢》の中で自分の記憶を読まれてしまう事を避けるために、夜ごとに《記憶封印》の呪文を行使して自分の記憶を1 年間分封印し、朝起きた時に「鍵」を使って解除している。この儀式の度に正気度を喪失しており、今や無自覚なまま" 地底を掘るもの" の奉仕者同然である。 探索者は《洞窟の夢》の中の陸川喜玲だけでなく、現実の喜玲と接触を試みることができる。喜玲のいくつかの場面での行動とその心境、シナリオの進行に際して意識しておいてほしいことは以下のとおりである。 ①夢を知る 陸川喜玲は小学生の頃、学校の図書館で一冊のオカルト雑誌を発見した。そこで喜玲は《「ヤツユメウナギ」の伝説》を知る。本当にこんな存在がいたら面白いのに、と喜玲は隈里山へと登ってヤツユメウナギを探した。当然見つからなかったがその登山以来、喜玲は《洞窟の夢》を見るようになる。とは言え、やることと言えば友達から内緒話や思い人を聞き出したり、教師からテストの日程を入手したりといった、小市民的な発想に過ぎなかった。この頃は、まだ。 ②三賀医院の秘密 高校生になる頃には、《洞窟の夢》は喜玲の日常となっていた。夢の中で得た《安睡雲海》によって、朝起きても即座に二度寝し、夢の続きを見ることができるようにもなった。そうやっていつまでも寝ていたため、周囲からは朝に弱いと思われていた。 そんなある日、喜玲は三賀医院で奇妙な数字の書かれた布を見つける。その理由を夢で三賀釟郎から聞いたところ、釟郎は「魔法」だと答えた。この問答によって喜玲はようやく、他者も夢を使って呪文を獲得している可能性に思い至った。 ③その者の名はドッペルト 三賀医院で魔法が使われているということから、喜玲が釟郎の父親である義男、そしてドッペルトへと辿り着くのに、そう長い時間はかからなかった。とりわけ、ドッペルトは魔法だけでなく、思いもよらなかった世界の真実に関する知識をもたらした。喜玲はこの地に残る伝承のヤツユメウナギが" 地底を掘るもの"という神話生物であることを知り、中でもその活用方法に強い感銘を受ける。喜玲は片っ端から呪文を聞き出した後、亡きドッペルトの遺志を引継ぎ、自らがその「知識の蒸留」作戦を完遂してみせると心に誓った。 これ以降、喜玲は毎晩「ドッペルトの存在を知る前日から、現在まで」の期間を対象に《記憶封印》を行なうようになる。この呪文によって封印された記憶は、《洞窟の夢》の中でも調べることができない。《洞窟の夢》による記憶の調査に慣れ親しんだ喜玲にとって、これは無敵の防御手段であるように感じられた。夜ごとに記憶を封印するのだから、当然寝ている間に《洞窟の夢》を利用することはできない。喜玲は新たな情報を得る手段を一時的に喪うのだ。それでも、「知識の蒸留」作戦を成し遂げた暁には世界中の知識に手が届くのだと考えれば、その代償は些細なもののように思えた。 ここで、喜玲はあくまでも自身が自発的に意志を決定していると考えている。しかし、実態は違う。喜玲はこの時点で無自覚な" 地底を掘るもの" の信奉者となった。意識的には「飽くまでも知識を得るための準備」としてヤツユメウナギの復活を目指しているが、実質的は「なによりもまず、ヤツユメウナギを復活させる」ことが喜玲の目的となった。だからこそ、「夢を見ない」という選択をも容易く受け入れることができたのである。 西暦2018 年、8 月初頭。探索者たちが隈里を訪れるようになる、ちょうど一年前のことだ。 これ以降、喜玲を単純に夢の中で呼び出した場合、得られる知識は高校生として、平和に夢を使用していた(本項における②)時点の喜玲が持っていて違和感のない情報だけである。とは言え、《安睡雲海》がその中に含まれていることは特筆しておくべきだろう。この呪文を聞き出し、《記憶封印》を行なう前の喜玲に掛けることができたなら、探索者は喜玲の持つ全ての情報を夢経由で知ることができるようになる。 また《記憶封印》を常用する関係で、喜玲は目覚めてからしばらくの間マジック・ポイントが回復しきっておらず、常に精神が疲弊している。そのため、周囲からは体調が悪いのではないかと思われるようになった。呪文の濫用によって正気度も喪失しつくしたため、探索者の出会う頃には喜玲は” 地底を掘るもの” を崇拝する狂信者となっている。 ④第一の犠牲者「浮浪者」 「知識の蒸留」作戦を行なうにあたって、喜玲がまず考えたのは「余所者を使う」ということである。地元の人間はお互いに結びつきが強く、問題が起きた時思いがけない場所まで波及する。逆に余所者が何か問題を起こしたなら、その結びつきは内部の人間を守ってくれる。ドッペルトの失敗は、自身が余所者であるが故に、地元の人間関係を理解しないまま住民を纏めて餌にしようとしたことだと喜玲は考えた。内部の人間を犠牲にすれば、共同体は反発する。それを回避するために餌をこそ、外から持ってくるべきなのだ。 そこで選ばれた最初の犠牲者は、いくぶん離れた土地に暮らす名も知らぬ浮浪者だった。喜玲はその浮浪者を人知れず隈里へと招き、夢で得た呪文《安睡雲海》を伝授して短いスパンで何度も眠らせ、夢の中で知識を得させた。その浮浪者はすぐに知識を得ることの快感に気付き、自発的に夢を見るようになった。いつしか浮浪者は謎めいた儀式を行なうまでに成長したが、余りにも急速に事態が進行したため、破綻までも早かった。町を徘徊して小動物を捕まえ血を啜るその姿は余りにも異様であり、浮浪者は逮捕されてしまったのだ。 夢を無制限に見させると、対象が思いがけない知識を得てしまいかねない。事態をコントロールする必要性を、喜玲は深く心に刻んだ。 ここで浮浪者の名前が登場しないのは、喜玲が興味を持たなかったからである。《記憶封印》によって、喜玲は夢を見ることが出来ない。ならば、浮浪者の名前なぞ知ったところで何かを聞き出すことはできない。この辺りの思考も、喜玲が真実「知識の探求」を望むなら違和感を覚えそうなものだ。喜玲の本質が" 地底を掘るもの" への奉仕に向いていることの、一つの表現である。とは言え、必要だと感じたなら名前を設定しても構わないし、喜玲がそれを知っていることにしても問題はない。浮浪者の憶えた呪文についても、本シナリオにおいては設定していないが、自由に決めてよい。 ⑤第二の犠牲者「山代七実」 浮浪者の誘致から半年経ち、翌年の2 月。喜玲が次に目を付けたのが、偶然動画サイトで発見した山代七実というアマチュア登山家である。都合のよいことに、七実は「視聴者応募企画」と題して、自身の視聴者から次に登る山の候補を募っていた。喜玲は隈里山を推薦した。「実は自分は地元の宿の一人っ子であり、憧れの山代七実が泊まってくれるなら宿泊費はタダでよい」というメールの一文にどれほどの効果があったかは知れないが、ともかく七実は隈里の地へとやってきた。 ここで、喜玲は先の浮浪者とは異なるアプローチを行なうことにした。《幽体離脱》の悪用である。対応した二つの魔法陣の間で精神体を行き来させるこの呪文は、術の行使中に片方の魔法陣を破壊することで、もう一方の魔法陣の中に精神を閉じ込めることができる。喜玲がそんな悪用方法をどのようにして知ったのか、シナリオにおいては設定していない。 ともかく、そのようにして捕えた剥き出しの精神体は" 地底を掘るもの" にとって極めてよい食餌となるのではないか。そんな推測を検証する実験体として七実は選ばれたのだ。そして、その推測の正しさは実証されることになる。山代七実の失踪事件と共に。 《幽体離脱》は陸川喜玲が習得している呪文の一つだが、これが" 地底を掘るもの" から与えられた神話的知識に由来するものなのか、それとも町民を相手に呪文の聞き出しをして手に入れたものなのかは設定していない。 呪文の実行に先立ち、喜玲は隈里山の内部に魔法陣を描く必要があった。しかし、それを自分の手で描くために山に立ち入れば、誰かに見られる可能性がある。面倒なことは、「誰かがそれを見たか」を明らかにするためには可能性のある者を逐一夢に呼び出して聞く必要があるということだ。《記憶封印》を常用して計画の秘密を守っている喜玲にとって、その不毛な聞き出し作業のために《記憶封印》を解除するのはあまりにもリスクが大きかった。そこで、喜玲は魔法陣を描く作業すら、七実にさせることにした。 喜玲は七実に接触し、「世界中の山へと遊びに行けるようになるおまじない」と称して、《幽体離脱》のための魔法陣を隈里山の内部、誰にも見つからない場所に描いてくるよう頼んだ。 山代七実がいかにも面倒そうでうさんくさい作業を了承した理由として、「喜玲に(性的)魅力を感じた」というのは俗っぽいものの、生々しい説得力を持ち合わせている。わざわざ探索者に明かす必要はないが、聞かれた際にはそれを理由として提示してもよいだろう。 どんな理由にせよ、七実はきっちりと魔法陣を隈里山中の穴の中に描いてきた。その縦穴からの脱出に失敗し、山狩りによる救助からの入院措置というちょっとした事件に発展したのは喜玲にとっても計算外だったが、計画が一週間ほど遅れただけで支障はなかった。 山代七実の遭難は早朝のうちに《陸川亭》から町中へと連絡が周り、昼前には急ごしらえの捜索隊が結成され、隈里山の捜索が始まった。だが、一度宿に戻ってきたはずの七実が宿にいなかった時、七実が山にいると知っているのは喜玲しかいない。喜玲がその事実をそれとなく陸川喜市、玲子夫妻に伝えたことで速やかな捜索と救助へと繋がったと考えると、見方によっては喜玲は七実の命の恩人かもしれない。マッチポンプもいいところだが。 入院中の七実に病院を脱走させたのも喜玲である。三賀医院は古い建物であり、防犯カメラの類も少ない。窓などから、簡単に逃げ出すことができる。そうして脱出してきた七実を隈里山の麓に描いたもう一つの魔法陣に横たえさせて、喜玲は《幽体離脱》の儀式を行い、すぐに陣を破壊した。これによって、山代七実の精神は隈里山地中の魔法陣に囚われ、その肉体は魔術的な仮死状態となった。喜玲はこの肉体を隈里山のどこかに埋め、かくして七実は二度目の失踪を遂げる事となった。 山代七実の肉体が具体的にどこに埋まっているのか、本シナリオにおいては設定していない。陸川喜玲の完全な記憶を夢で呼び出すことができたなら、その情報を聞き出すことも容易だろう。 ⑥第三の犠牲者「探索者」 そして、2019 年4 月。晴れて大学生となった喜玲は、遅々として進まない「知識の蒸留」作戦に業を煮やし始める。その大きな理由は、人手不足であった。町の住民に疑われないようにしつつ、余所者を町に引き込むというのは容易ではないし、そのように苦労して引き入れた余所者がいちいち失踪していたのでは、やはり町内はただ事ではなくなってしまう。工作活動や犠牲者の選定などを迅速に行なうには、どう考えても手が足りなかった。そこで喜玲が考えた第三の矢が、「誘導した上で夢を見せ、仲間に引き込む」という手法であった。自分が夢の中でドッペルトと出会い、その使命に感銘を受けたのは、なにも特別なことではない。知識を愛するものならば、誰もがこの「知識の蒸留」作戦に加わりたいと思うはずだ。そうなってくれれば、隈里町に同志の住処を用意して町民側の存在を増やすことで、餌を集めるペースも加速度的に向上するだろう。それが、喜玲の思考である。 この発想自体が、" 地底を掘るもの" の見せる夢に心を奪われ、知識欲の優先度が極めて高い状態でなければ生まれない物であることに、喜玲は気付くことができない。とは言え、単なる狂人の戯言というわけでもない。相手が加入を望まないのであれば山代七実よろしく《幽体離脱》によって精神体を" 地底を掘るもの" に捧げてしまえばよいというサイドプランを前提とした、楽観的な予測である。 このような考えで、喜玲は大学でできた友人である探索者を町に誘致した。期待通りに探索者が夢を見た後は「町の住民の名前を集める」ことを勧め、それっきり基本的に放置する。町の住民に話を聞いていけば、そのうち40 年前に起きた奇妙な事件に出くわすはずで、そうすればドッペルトの話を聞くだろうし、そこまでたっぷり夢の効能を味わってしまえば最早足抜けはできまい。喜玲の実感こそ籠ってはいるものの、極めて悠長でありながら何とも短絡的な計画だ。これは、本シナリオが1 人~ 2 人というごく少数のプレイヤーに限った想定で制作されたのが理由である。黒幕的存在が裏で糸を引きつつ、探索者に危害を加えようと企んだ時。探索者の頭数が少ないとそれにうまく対抗できなかったり、あるいはそもそも気付けなかったりする。 「なんかよくわからんうちに敵の罠にハマって死んだ」という体験を避けるため、本シナリオにおいて陸川喜玲は直接的に危害を加えられたり、探索者が逃げ出そうとするのを察知しないかぎり、探索者に対して攻撃を行なったり、儀式によって行動を阻害するような選択は取らない。 ⑦シナリオ本編での行動・1 まず、オープニングにおいて喜玲は探索者に「隈里で『宝探し』をしよう」と提案する。ここでいう「宝」とはヤツユメウナギのことである。「自分の実家である『陸川亭』に、宿泊料なしで泊まれる」と言う、なんとも怪しい誘いだ。直前に「隈里に来るな 山代七実」という手紙が届いているはずなので、その怪しさはひとしおだろう。 無事、探索者が隈里への旅行に同意してくれたなら、次の行動へすすむ。 ⑧シナリオ本編での行動・2 隈里旅行一日目、喜玲は基本的に影に徹する。探索者に町を案内する、という名目で《喫茶 クルマ社会》と《隈里神社》の二つの施設に誘導する役目は果たすものの、基本的にそれぞれの場面ではその施設の担当NPC であるマスターや神主が情報を渡すため、喜玲の存在感が強くなることはないとは思うが、それでも極力探索者の前で目立たせない方がよいだろう。 理由は、その日の晩に見る《洞窟の夢》で、喜玲より先に山代七実を呼び出してほしいからだ。精神を奪われた七実は夢の中でバグ的な挙動を示し、《夢に関する規則》に従う様子を見せない。実は喜玲もそうなのだが、まず七実が明確におかしくなっていることを伝えた方が、展開として盛り上がるというのが実感である。 とは言え、喜玲を呼び出すこと自体は可能だ。呼び出された際には、「探索者のこと」「大学のこと」「今回の旅行のこと」など、1 年前の時点での喜玲にとっては知り得ない質問をされたタイミングで、「知らない」 「分からない」などと回答することになる。そして、夢の規則から逸脱したその反応に探索者は強い違和感を覚えた、という描写と共に、強制的に起床させることを推奨する。山代七実への質疑までここで済ませようとすると、一度に二つ、規則の例外が出てくることになる。夢での質疑体験が少ないうちにいくつもの例外が登場してしまうと、探索者から夢の規則自体が信用のおけないものと認識されてしまうかもしれない。しかし、本シナリオにおける夢の規則は、疑ってもただ話を面倒にしてしまうだけの部分だ。可能な限り探索者にはこのルールをすんなりと飲み込んでもらいたいので、一日目の夜に見る夢では、陸川喜玲か山代七実どちらかの返答だけで終わらせた方がよい。 ⑨シナリオ本編での行動・3 二日目、喜玲は探索者が首尾よく夢を見たかどうかという点に関して、強く興味を持っている。そのため、探索者が夢の話をし始めたならこの旅行の真の目的は、「夢を見る人間を増やし、皆で知識を手に入れよう」という勧誘にこそあったのだ、と話を展開する。この時点では、「知識の蒸留」作戦やドッペルトについて触れることはない。それは夢というものに探索者自身がのめり込む形で知ってもらいたいからだ。 逆に、探索者が夢の話を中々切り出さないようなら「昨日、変な夢を見なかった?」など、やや遠回しに水を向ける形で、夢を見たかどうか探りを入れる。否定された場合、<心理学>などの判定によって探索者が本当のことを言っているかどうか探った……ということを探索者に伝えてもよい。夢による確証こそ得られないものの、喜玲は既に常人ではない。探索者が夢を見てその内容に衝撃を覚えたなら、喜玲に対してそれを隠し通せるものではないのだ。 いずれにしても、喜玲はこの町を回って、人名を集めるよう探索者に促す。喜玲が伴わないのは、やはりこの知識に対する欲求が、自発的に存在して欲しいという思いからだ。これはなにも探索者に限った話ではなく、プレイヤーに対しても同様である。ガイドに従って受動的に町を巡るのではなく、能動的に情報を集めた方が、自由度を感じてもらえるのではないかと思う。 探索者が一日目の夢で喜玲に何か質問をして、その異常性に気付いていた場合、そのことを問われた際は「夢で情報を取られないための対策方法がある。それはそのうち教えてあげる」などと言って、夢の先達として振る舞う。これは言うまでもなく《記憶封印》のことだが、喜玲が意識的にそれを探索者に伝えるタイミングは本シナリオ上存在しない。 ⑩シナリオ本編での行動・4 二日目までの誘導を終えたなら、基本的に喜玲の仕事はシナリオからはなくなる。そこで、この項目では夢における喜玲の記憶の解放条件について記す。 《安睡雲海》を習得して喜玲に掛ける、あるいは三賀釟郎から睡眠薬を譲り受けて使う、荒っぽい方法としては物理的に攻撃して気絶させる、などの手段が考えられるだろう。他にも方法はあるかもしれないが、何にせよ喜玲が《記憶封印》を掛け忘れるような展開は存在しない。なんらかの手段で、喜玲が望んでいないタイミングでの眠りを誘発する必要がある。 そして、どんな方法をとったとしても、《記憶封印》を自身に1 年間かけ続けた負担に飲まれるように、喜玲はエンディングまで眠りから目覚めることはない。 翌日以降、喜玲の家族がその異変に気付いたタイミングで、喜玲は《三賀医院》へと運ばれ、昏睡状態のまま入院する。 ⑪エンディングでの行動 .1 隈里山が壊れず、喜玲は昏睡していない 場合 探索者が《魔訶風水》を使わず、また《記憶封印》を使っていない状態の喜玲から情報を引き出すこともせず隈里町を去った場合、探索者が立ち去った後の隈里駅で喜玲は遠ざかっていく電車を見つめながら「残念。次はどんな人にしようかな」と呟く。 .2 隈里山が壊れず、喜玲が昏睡している 場合 探索者が《魔訶風水》を使わず、しかし《記憶封印》を使っていない状態の喜玲から情報を引き出して隈里町を去った場合、喜玲は長期間の昏睡状態に陥るため探索者を見送る者は誰もいない。目覚めれば、再びヤツユメウナギ復活を目標として動き始めるだろう。今度は、ここ一年間に関する情報も踏まえた上で。 .3 隈里山を壊した 場合 隈里町あるいは隈里山に対して《魔訶風水 潮満》を使った場合、隈里山は内部空洞で発生する大量の浸水によって崩落。同時に、" 地底を掘るもの" もこの地からいなくなる。それに伴い、影響下にあった存在は精神に強い衝撃を受ける。中でも、陸川喜玲はこの町で最も" 地底を掘るもの" に心酔していたためその影響が強く、既に昏睡しているか否かに関わらず、意識を喪失する。一か月ほどの時を経て回復し、ついでにある程度の正気も取り戻す。「探索者を自分と同じヤツユメウナギの信奉者とするか、あるいは山代七実と同様にその生贄にしようとしていたこと」への強い自責の念から、探索者を訪ね、謝罪する。探索者の質問には正直に答え、己の行いを詫びることになるだろう。 平たく言うなら、最後のネタばらしを担当する。 .4 喜玲に物理的、あるいは精神的な危害を加えた 場合 喜玲を殺そうとする、あるいは《幽体離脱》などを用いて精神へ攻撃を加えた場合、喜玲は可能な限り抵抗する。家族、町民、公権力へと助けを求め、探索者はそれらへの対処を求められるだろう。具体的には、殺害したならその死体の処理、周辺住民への対応、警察による捜査など。《幽体離脱》や《記憶封印》によって、その精神状態が傍から見ても明確に異常をきたすと想像される場合には、それが周囲に知られた時点で家族からの追及が行なわれることだろう。 それに加え、隈里山に" 地底を掘るもの" が居続ける限り、一部町民による夢を使った詮索という問題が残り続けることになる。
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歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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