タグ： しみずたに ひまり

私立白鳥台女子大学附属高校2年。弓道部副部長で1年次に夏の地方大会3位入賞経験あり。金沢の名家である清水谷家の出で元を辿れば武家であったとも。弓道と馬術は実家にて幼い頃から習ったが、適性は弓道の方が高い。あまり俊敏に動けないため運動全般は苦手だが動体視力はある。得意科目は古文と数学。英語はちょっと苦手だけれども成績はいつもトップクラス。勉強をするのは苦にならないタイプで成績で一喜一憂はしない。趣味は日本史、古い時代の文献を見たりするのがマイブームらしいが、それを友達に話したことは無い。けれども友人には薄々バレてる。 クラスメイトからは和風の子だと思われているが、友達の「和風」の認識がちょっとずれており、事あるごとに和スイーツのお店の話題を振られる。そのため高校生になってから趣味に和スイーツ巡りが増えた。 現在は一人暮らしをしていて、料理は多少出来るがコンビニで買って済ませることも多い。好きなコンビニスイーツは白玉クリームぜんざい。最近、PayPay払いを覚えた。部屋は整理整頓はされているが、本が多いので雑多に見えてしまう。アルバイトはしておらず実家からの仕送りでやり繰りをしているが、欲しい本を買うお金や、和スイーツ巡りにかけるお金が足りないと感じている。 ある日、「インスタ映えする花畑のスポット」があるということで友達で同級生の三宝院キャサリンからハイキングに誘われる。インスタをやっていなかったがそれを理由に断るのもどうかと思い了承。三宝院姉妹とともに赴くも、道中はハイキングどころか登山といった様相で困惑する。更に濃霧に襲われて道に迷い時間だけが刻一刻と過ぎ、夜半に差し掛かった頃合いに、美しい桔梗の花に囲まれた洋館へ他の白学生とともにたどり着いた。電話は通じているもののこちらの位置情報が分からないなど不可解な点こそあったが、泊めてくれるということで洋館で一晩お世話になることにする。その長い一晩の中で、館の主人・古場の凶行やゾンビ等の怪異に遭遇しつつも、白学の仲間らとともに脱出に成功する。 事件解決後、数奇な経験を共にした仲間であり折角同じ学校に通っているのだからと、「桔梗の館」の事件の関係者との親睦を深めることになる。日常に戻ってきた喜びを隠しつつ何となくで三宝院キャサリンを誘った乗馬でのクロスカントリー対決では敗北するも、話の流れで皆に乗馬を教えることになり結局うやむやになった。 また、三宝院キャサリンのことは以前から友達だとは思っていたが、そういえば彼女の家に行ったことは無かったと思い至り、たまに遊びに行くようになる。そこで彼女の姉バカ加減と甘やかされる三宝院タコスの姿を目の当たりにして、姉妹愛の強さを強く意識すると同時に流石にこのままだと妹さんにとってどうかとも思ったので、以後ひまりは定期的に三宝院キャサリンに対して妹への態度について苦言をこぼすようになる。 夕張ねおんとは当初共通する話題も少なく、かつ彼女側から話しかけることは無かったのでひまり自身もどのように接して良いか考えあぐねていたが、何となしに話した「最近、PayPayというものを使いだした」の一言を皮切りにひまりがまともにスマートフォンを扱えておらずほとんど電話としての機能だけしか使っていなかったことが露呈する。以後、懇切丁寧にインターネットの重要性を説かれたひまりは、定期的にねおんにスマートフォンの使い方を教えてもらうこととなる。 また学校の図書館を利用していると、瑠璃玉あざみの姿を度々見かけるようになった。ひまりはあれだけ綺麗な人がよく今まで学校で話題に上がらなかったなと思ったが、そもそもあまり表に出ずに注目を避けるタイプであったからだと納得する。ひまり自身もあざみのことを見つけることができないくらいに彼女の隠蔽能力は優れたものであったが、時折あざみは何故か「致命的な失敗」をすることからひまりはあざみを見つけるたびに話しかけるようになった。 だが、その一方でひまりはゾンビなどという荒唐無稽な怪異が存在したということに事件後からずっと納得がいっていなかった。いつものように「致命的な失敗」をしている瑠璃玉あざみに対して、 「そう言えば瑠璃玉先輩。あの事件のときに古場さんの日記をメモに写して頂きましたが……そのメモ書きってまだ残ってます？」 と聞き、あざみのメモ書きのコピーを入手する。そのメモと花屋で買った桔梗の花束を持参して、古場の居る拘置所へ行き面会を行う。花束を渡そうと思ったが、拘置所のルールで受け取れないことを伝えられて自身の法律知識の不足を感じつつも、古場からは桔梗の花を見せてくれただけでも、と感謝の意を伝えられる。古場に日記の話をしつつ事件の前後関係を尋ねると、装置の設計、出自不明の謎の部品の調達、それらに内原が関与していたことを知る。思えば洋館に火をかけたのも内原であった。 帰り際に何となしに三宝院姉妹の仲の良さを思い出したひまりは、古場の姉を想う行動が彼女達の精神面に悪影響を与えていないかということを伝え、同時にそれとなしに彼女らにフォローをするように説得した。 古場の話を統合すると、古場による独自の行動ではなく内原の知識がカギを握っていること、そしてその内原の消息が不明であることから人体錬成やゾンビに関連する事件がおそらく自身が経験した事件のみではないと推理。その線で調査を進めると、とある民間の歴史学者が自身によく似た事件に遭遇していることを踏まえた民間防衛に関する講演会を繰り返し行っていることが分かり接触。その歴史学者は陳腐な陰謀論を主張し独断と偏見に偏った歴史観を有しており辟易とさせたが、再生医療やゾンビ化に関する研究が行われた研究施設がかつて存在したことを知った。 また民間防衛に関する話を調べるために、夕張ねおんから学んだスマートフォンでのSNSのサーチ方法を駆使すると「とあるアイドル事務所では、昨今のオカルトに対応するためにアイドル達に軍学のインストラクターを雇っているらしい」という信憑性に乏しい情報を入手。画像も確認してみると「九枚笹」の家紋が施された羽織を着ている和装の人物が写っていて、ひまりは自身の歴史知識からその家紋が有名武将では竹中半兵衛の使用していたものだと理解するも、今孔明気取りかとこの手の怪異に関連する人物の節操無さと胡散臭さに落胆することとなる。 また先の「歴史学者」についても当人はともかくとして事件の内容そのものは古場のものと近しく感じたため、調査を継続。すると、歴史学者が民間防衛に関する専門家としての知名度を大いに挙げたきっかけに「私立聖城院学園」での講演会が関わっていることが判明。ひまり自身の会計知識からも統合するにその前後で「歴史学者」の収入に大きく差異が出来ていることに気付く。 そこで、自らの経験した事件と古場に関しては伏せて、私立聖城院学園にてその「歴史学者」を呼び寄せた事情を聞きたいと伝える。すると「生徒会執行部のメンバーの1年生」がひまりと話がしたいと言っていることが分かり、ひまり自身もその申し出を快諾する。 そこで出会った人物はひまりも畑違いとはいえ弓術という武道を嗜むもの故に、古武術の大家である家の名を名乗ったことに気付く。そしてその古武術の名家の高校生は、自身が経験した「海底都市」の話を告げ、その後にひまりが経験した「桔梗の館」についてかなり近しい内容で語った。 こちら側から全く話していないのに、細やかな事情を知っていることから彼が内原の関係者かと疑うが、目の前の高校生はタブレット端末をひまりの前に、何も言わずに出す。 そこには「AttenT」という検索エンジンが表示されていた。そして「男子高校生」はこう告げる。 「どうもここには、そうしたオカルト体験をした人間の体験談が掲載されているようだ。原理は分からないけどね。 　そして……ここのキャンペーン広告。抽選ではあるようだが、彼等は俺たちのように受動的ではなく能動的にオカルトに関われる手段を持っているようだ」 ひまりは手がかりを与えてくれた彼に感謝を告げその場を立ち去った。 そして事件の真相が自身の手だけでは負えない事態に広がりを見せつつあることに戦慄し、他の「桔梗の館」関係者の友人たちがこの「AttenT」というものについて知っているのか、そして――彼女たちはこの広告に書かれている怪異の体験に参加するのか……その意志を問うために白学の事件関係者全員を、瑠璃玉あざみの家に集めて相談することにしたのであった。

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