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恵まれた体格で女性ながらも警官を目指していた私は、警察学校に通っている最中、火事現場に居合わせ、逃げ遅れた子どもを助けようとして肺と顔にやけどを負い、入院していた病院で警察官になるのはあきらめた方がいいと言われる。実際肺が弱くなり半ば喘息のような状態なので、長時間の運動はできなくなっていたこともあり、志半ばで警察官になることをあきらめざるを得なかった。 いきなり目の前に突き付けられた絶望と不安が押し寄せ後悔したくないのに後悔しそうになっていた時、警察学校でよく話していた先輩がお見舞いに来てくれた。これから刑事になる先輩がうらやましくて憎くてつい引きつりそうになる顏を必死で隠したくて俯いたら、とても誇らしいと言われ、驚きと疑問で顔をあげたら、「ワタシの後輩が、勇敢にも一人の子どもの命を救ったんだもの。誇らしいわ」。そう言われて抑えてたものが決壊した。警察になりたいと思ったのは守れる人になりたかったから、そのために行動した結果警察官になれなくなって後悔しそうだった。でもそんな私を誇らしいとこの人は言ってくれるんだ。憐れんだり、残念がったりするんじゃなくて、誇ってくれるんだ。そう思うと後悔も先輩に対する嫉妬も霧散した。この人が先輩でよかった。この人が警察官になってくれるなら、私はここで諦められる。この人が誇ってくれた行動を後悔せずに生きることができる。先輩とそこからしばらく話をして、自分はもう警察官にはなれないこと、警察学校もやめる旨を伝え、最後に「ねえ、先輩……私の分も素敵な警察になってください」といった。すごく無責任で、重い、鬱陶しいと思われても仕方ないことを言ったと思う。私の代わりになんて思っていない。けれど、なれなかった私の分もという気持ちは口をついて出てしまった。それに先輩は「"素敵な警察"…？ワタシはいつもステキだけど……いいわよ、素敵な警察になってやるわ」とこともなげに言うのだ。それが、すごく自然体で、先輩らしくてほっとした。その場で取り繕った言葉ではなく、先輩自身の本心で出た言葉だとわかったから、それが嬉しくて、私こそ先輩が誇らしいと思ったのだ。こんな先輩を持った私は幸せだと心から思った。 警察学校をやめてからは、先輩とのかかわりは減り、忙しい先輩と会う機会は減ったが、無事刑事になったという知らせを受けたときは自分の事のように喜んだ。お互い近状を報告し細々とつないだ縁は、その後別のところでつながることとなった。 刑事事件のプロファイリング。警察になることはあきらめたが、人を守れる仕事の手伝いが出来ればと、精神科医になるため猛勉強した。はれて、警察から依頼を受け久しぶりに会った先輩は立派な刑事になっていて、そんな先輩に私は誇らしげにこういうのだ。「先輩！私、警察にはなれなかったけど、先輩の役に立てる仕事に就いたんです！これからよろしくおねがいします！」って。なれなかった仕事に就いた先輩をうらやましく思うことはあるけれど、その先輩の役に立てる仕事を手に入れた私を、私は今誇りに思っている。 以下技能値系補足。 昔取った杵柄的な戦闘技能。もともと脚力があったため足も速く俊敏、背の高さも相まって蹴りも強い。 猛勉強の末身についた精神分析と自分の体との付き合いで多少の薬学と医学。勉強中にお世話になった図書館での調べ物の知識は今でも活用されている。顔がやけどにより損なわれているが、持ち前のまっすぐな性格が妙に説得力を持っているらしく、精神科医としての仕事には支障ないらしい。ただまっすぐすぎる性格ゆえに、気持ちを汲み取るのがドストレートなため、心理学はそこまで高くない。 どんな小さな証拠も、プロファイリングの役に立つと周囲に目を配るようになり、目星は高め。患者のしぐさなどはよく見てるらしい。

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