タグ： 暗殺者

幼少期に友人が怪我をして、その血を口に含んだ時に味覚に衝撃が走り、味の虜となった。わざと怪我をし、自らの血を確かめるも他人の血より美味とは思えず落胆した。幼い脳で考えた結果、血は元より泣き顔や驚いた表情が加味されたものではないかと思い至る。歳を重ねるごとにそれは正しく、細分化され、絶望が一等美味しく感じると知る。眺めているだけの場所から一歩奥へと踏み込むのにそう時間は掛からなかった。それから今まで手に掛けた人数は数え切れないが、一番美味しかった人は覚えている。 両親は健在、一人っ子で一人暮らしをしている。 両親は勿論普通の娘だと思っており、マリアンヌに結婚願望がないことを多少憂いてはいるようだが娘の意思を尊重しており、特に口出しをしてくることはない。 凶器は毒。吐血を美しく思い、美学とするからだ。味に変化を齎さないように、今なお最適な薬を開発途中である。 ベースはボツリヌストキシンAで、ビジネス用・プライベート用・カモフラージュ用の三種を持ち歩いている。 表向きは薬剤師、主に美容系業界との共同開発を行う。 姿は伏せており、ビジネスネームでの活動が主。親しい仲には明かす事もあるが、プライベート用を使用する時が大半なため余り表立っての交流は控えている。 新しく親しくなった男性が一人いる。以前依頼相手に間違えてプライベート用を刺してしまい、さてどうするかと考える間もなく、依頼相手を撃ち抜いてきた同業者のショーンだ。礼も兼ねて誘い、一夜を共にした。その後も時折連絡を取っては悪戯に時を重ねている。 同業者相手に近い距離を許したのは初めてのことで、味も勿論楽しみにしており、プライベート用を刺そうと試みている。 ただ、同業者なためか隙を伺うも中々難しいのが現状。それすらも楽しみになっていることに最近気が付いている。 ビジネス用:即効性に重きを置き開発した薬剤。味は落ちるが摂取不可能な場合が多いため、観賞用と割り切っている。 プライベート用:親しくなってから使用するために開発した薬剤。間近で表情等を観察しながら最後まで楽しむことに特化している。故に嬲り殺し用。 カモフラージュ用:ボトックス効果等を有している薬剤。筋弛緩作用があり、シワ取りなどに効くもの。ビジネスや売り込み等の看板商品。

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