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「できることはやった。後は天命に任せるのみ……つまりは、九割負けだね」 　とある病院の医師の男性。病院内でその名を知らない者はいない。曰く、『死神』。 　担当する患者が大抵厄介で、どんなに簡単な症例に見えても順調に治らない。そして執刀医でありながら術後の死亡率は驚異の50%を叩き出している。別に執刀の腕が悪いわけではないのだが、『運が悪く』患者が術後に亡くなってしまう。また、患者の病状が予想以上に悪く、手を出せないときもある。いずれにしろ、医療過誤を疑われるレベルで死亡率が高いことから『死神』と呼ばれる。 　性格は悲観的だが穏やか。自分の運が悪いということを自覚しており、神に祈るしかない状況に追い込まれた時点で自分の負けであると思っている。それ故、こと命に係わる部分で過失を起こしたことはたった一度もない。 　患者がよく亡くなることに関しては自分なりに割り切っていて、『その患者が自分の担当になったのは不運だが、病状に関して自分の不運は関係がない』と(患者や遺族に言ったりはしないが)考えている部分がある。妙に開き直ったところがあり、人生は自己満足を追求する場だと思っている。 昔は自分の不運に悩み、死のうと思ったこともあったが。『エンジェル』と名乗る少女によって現在の性格に変化した

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