タグ： 服部 青波

貴方は消えた兄を探している。貴方の消えた兄は、少々好奇心が強過ぎ、変わったバイトに首を突っ込んでは危険な目を見たり美味しい思いをしたりして帰ってきた。しかし、今回ばかりは悪運が尽きてしまったらしく、いつまで待っても音信不通のまま。さすがに不審に思った貴方は兄の居所を尋ねた結果、ラボラトリー・アンセーフという会社に警備管理をしに行くという予定書きを最後に、彼が消えてしまったことを知る。貴方は兄のために、ラボラトリー・アンセーフへやってきた。 服部 青波 (30) 兄の朱音 (32)と2人でマンションをシェアして暮らしている。 堅実な性格。私立中学校の国語科教師をしている。 穏やかで、誠実、滅多に声を荒らげることもないため、生徒からの信頼も厚い。 父・母共に楽観的な性格で、兄もちゃらんぽらんなため、自分がしっかりするしか無かった。 結果、就職もせずフラフラしている兄を養うことになっている。基本不憫。 柔道有段者。だが，兄には一度も勝ったことがない（高校生時点）。 物事を深刻に考えやすい性格で、病みかけることもしばしばだが，そのたびに兄の言葉に救われてきた。自分は兄を尊敬している（無自覚）。 凡才しか持たず、得意分野を極めることもなく、教師にしかなれなかった自分に対し、兄はやること成すこと普通以上の成績を収めてきた。それなのに努力もせず、得意を生かす仕事につくわけでもない。そんな、自分の欲に正直で、自由に生きる兄に憧憬を抱くと共に、強い劣等感を持っている。 自分が唯一兄に勝ることができた点は，公務員という安定した職，教師という特別な地位にあることだけ。 兄は必ず自分のところへ帰ってくると思っていた。兄の帰ってくる場所は自分のところだと安心していた。 しかし，今回ついに兄は帰ってこなかった。何かあったのか，それとも，もう兄には自分が必要ないということなのか…。 そんなはずはない。確かめなくてはならない。 気づいたら，僕は教師を辞めていた。そして，ラボラトリー・アンセーフへと足を運んでいた。 兄のために。いや，僕のために。

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