タグ： 罅割れてハイドランジア

23歳/無職 昔から人と関わることが好きだった。 親と話すことも兄弟と話すことも、友人と話すことも年上とも年下とも、とにかく人と話したり、間接的にも人と関わることが好きだった。 だから人と関わることが出来る職に就いた。 しかし、そこでは客からの苦情や理不尽な怒号、全て部下のせいにする上司や締切を守らないことを悪びれない先輩、指示を聞かない後輩、こちらの話を聞こうとしない取引先に囲まれ、次第に人と関わることが嫌いになってしまった。 今では他人の顔色を伺いながら、怒られないように、目をつけられないように隠れながら生きるようになった。以前のようにいつでも楽しそうな笑顔や好きなことに目を輝かせることすらも出来なくなり、死んだような目で愛想笑いや暗い表情ばかりする。いつも人と関わる時は辛くない、辛くないとおまじないのように心の中で唱え続け、いつしか何も感じなくなって言った。 ある時、人と会う気力がなくなり、ぷつんと何かが切れた。涙が止まらなくなり、言葉は出てこない。でも何も感じない。このままでは会社に行けない、どうしたらいいのか分からない、と混乱しているところに、最近様子がおかしくなった慧の様子を伺いに来た桐に発見され、強制的に会社を休まされ、世話をされた。 そのおかげか慧は回復していったが、会社へ行こうとすると似たような症状が起こるようになったため、医者や長谷川桐と相談し会社を辞めることにした。 現在は治療、休暇中であり、自分が楽しいと思えることを素直に感じられるように穏やかに過ごしている。長谷川桐はその後も何事も無かったかのように一緒に遊んでくれたり、逆に過保護のように世話したりと慧にとっては唯一自分から関わりに行けると言えるほど、心を許している。 しかし、以前のように明るく接することは出来ず顔色を伺ったり自分を卑下する癖が長谷川桐の前でも出てしまう。その度に訂正してくれる長谷川桐に申し訳なさを感じつつも改善される兆しはない。 「…申し訳ございません。こちらのミスになりますので…」 「…あぁ、うん。久しぶりだね」 「俺のことは気にしないで…。好きなものでも食べてきて」 【好きな食べ物】プリン 【嫌いな食べ物】パセリ 【趣味】昔は登山と写真 【誕生日】4月23日 KPC：長谷川桐

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