タグ： 出石毛

31歳、刑事。 趣味は美術館巡りとドライブ。 きれいなもの、きれいな景色が好きで、まっとうに仕事をする普通の若者。 一人称：俺／二人称：～さん。 「真弓ってよりかは苗字で呼ばれたいですけどねえ。女だと思って掛かってくるセールス電話のうざったいのなんの……」 「というわけで、ご期待に応えられず申し訳ない。刑事の沼瀬です。ふつうの顔の男です」 「凡百な有象無象のモブ刑事の1人だと思ってもらって結構、これでもちゃんと仕事してますよ～」 【刑事】 体術などは平均値ではあるが、辛抱強く善良、よくいえば平凡。 交番勤務時代の仕事ぶりなどの良い評価のままに、実直に刑事をやっている。 【家庭】 両家の祖父母、両親、兄。歳の離れた兄は美術の分野で海外在住。 仲もよく、真弓の美術趣味は兄から影響を受けているものが大きい。 【近況】 婚約者と別れて2年が経つ。友人の紹介だが大恋愛の末だと、美人で聡明な彼女をよく自慢していた。 婚約したことまでは話していたが、その後音沙汰がなく、つい最近になって話すようになった。 「おととし亡くなりまして」 「病気でね」 「あっと言う間もなく」 「いやー俺はなんと無力なんだろう、と」 警察署内の友人有志が慰めに飲み会などを開いてくれようとしたが、真弓はいずれも「大丈夫大丈夫！」と笑って断っている。 ※婚約もその後も上司などに正式に報告しているわけではなく、知ってる人は知ってる、という程度。 ーー以下秘匿ーー 【理想の死に方】 生きたまま貪り食われて死ぬ。 理由、と呼べる物は特になく。 刑事として時に殺人事件に行き当たるたびに、ふと、「殺されるならこっちがいいな」と思い返す。 狂人に包丁を突き付けられたら死ぬ物狂いで何とか生き延びようと思うが、 億が一にも人間よりも上位らしい存在に歯を立てられるのであれば、一歩逃げ遅れるフリをする…という程度には無意識下の優先順位は高い。 【黒い絵】 平凡な人生を送る少年だった。公務員を目指してはいたものの特徴的なことのある人生ではない。 高校生の時、夏休みを利用してスペインで絵画を勉強中の兄に会いに行くことになった。 夏のバカンスの時期でもある日差しの強い街を歩き、兄に勧められて美術館に行った。 そこである大きな油彩画を目にし、衝撃を受ける。 フランシスコ・デ・ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」。 美術的見地があるわけではない。優れた感覚があるわけではない。 しかし、ふいに、叶うはずもない妄想が頭に憑りついた。 こんな風に死にたい。 狂人に無残にも貪り食われる無力な四肢と成り果て、死にたい。 青年は小さく笑った。そんなのは、理想だ。 ただ、この時初めて彼の人生に「死」というものが、酸化した血のような黒い色を伴って舞い降りた。 それだけのことだ。 ーーーーーー 「我が死を救済せよ」 不定⑦心因性聴覚障害　1卓orセッション期間中、聞き耳-10

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