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一人称:俺　二人称:お前 日本狼に連なる狼人間の末裔。 人間になりすました父親と人間の母親の間に生まれた。 人間の血が混ざり、狼の血が薄まったことによってか、うまく耳を隠すことができない欠陥を持って生まれてしまう。 そんな彼は父親と母親の手によって世間から隠すように育てられていたが、ある時父親の正体に気づいた人間たちが 家に押しかけてきて、父親は殺され、母親は連れ去られてしまう。 危険を察知した両親により、うまく隠れさせられていた彼は、なんとか逃げて生き延びたが、両親を失ってしまう。 その後は生きるためになんでもした。這いつくばって、血を吐くような思いをして、生き延びた。 そうして生きていた彼は、ある日自分よりもひ弱で小さな子供を見つける。それはまだ幼く、あどけない目をしていた。 まだ絶望も知らぬ無垢な目で、ただじっと自分を見つめ、微笑んだ子供に、ひどく心を打たれた。 街の外れに置いてけぼりにされたその子を、なぜか放っておくことはできなかった。 彼はその小さな子供を、自分の妹として育てることにした。名前のない彼女を、彼は陽菜(ひな)と名付けることにした。

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