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よく見るとイケメンだがよく見ないとわからない。 頭脳明晰人畜無害な男。 私立土助湾高校マルチモニタリングコースへの進学を目指していたが受験に失敗。 滑り止めで受けていたH市立英知高校総合追跡科に入学する。 しかし、彼はこの失敗を後ろ向きには捉えない。これがなければ、運命に出会えなかったのだから……。 そう、彼はNPCに選ばれたのだ。 30幾人のクラスメイトの中から、唯一、選ばれたのである。わからない問題を聞くべき人物として…… 声をかけられたあの瞬間、雷に撃たれたような衝撃を彼は忘れない。 か、可愛すぎる……！ 申し訳なさそうにこちらを伺うNPCが、まるて天使のようだ。 そう、これはまさしく、恋である……！ それ以来、会話のきっかけを求め、NPCの忘れ物を預かる日々が続いている。 まったく、NPCはとんだうっかりさんのようで、忘れ物が非常に多い。拾い集めてくれる塩見がいないとダメなようだ、やれやれ。 最近はカブトムシのブローチを机の上に忘れていたので預かった。お気に入りだったようで、無くしたことに大層凹んでいた。それを可哀想に思い、代わりのブローチを塩見自ら作成し机に置いておいた。 少し不器用のためカブトムシが多少若返ってしまったが、鈍感な彼は気づかない。 カブトムシの幼虫のブローチは、彼の元で輝いている。 【花言葉】 夜顔（よるがお） 「妖艶」「夜」 時間が貴方の顔を変えるだろう。計算高く、全てを手繰ろうとし、きっとそれは成功する。皆の心を抱く笑み。誰も貴方の夜の顔に気づかない。また今日も夜がやってくる。貴方の夜が。

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