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2015『ミュージシャン』より 休学中の音大生。 明るくはあるものの、興味を示せるもの以外への反応がいまいちつかめないような人物。 一度気に入ったお菓子を飽きるまで食べ続けたり、好きになったアーティストは詳細をとことん調べたりする節がある。 自由なふるまいを好み、またその周囲の人物たちもそれを許してしまうような、どこか不思議な感覚の持ち主。 晴れて大学へ入学した年の夏、イタリア旅行に出かけた彼女は古本屋でとある歌劇の楽譜・台本のごく一部を購入した。 それがたいそうお気に召したのか、あまり興味がないと公言していた勉強に急に身を入れ始め、 あちこちの教授に歌劇の歴史を聞きまわり、いくつもの古本屋を巡るようになっていった。 段々と人前に姿を出す頻度が減り、連絡が途絶えることが増えた彼女を心配した人々が何度か声をかけたのだが、 当人は大丈夫と言って聞かなかった。 そして1年半前のある日の早朝、大学図書館のとある書架の前に倒れていたのを生徒が発見した。 とある書架とは、彼女が特に興味を持ちそうにない天文学関連の書架である。 それからは、彼女の語る言葉は明確に支離滅裂となっていた。 周囲が半ば引っ張るように精神科へと連れて行き、統合失調症と診断された彼女は、そのまま休学という形を取ることになった。 彼女の身に起きた事実としては、歌劇『ミサ・ジ・レクイエム・ペル・シュジャイ』の一部を解読して狂気に陥ったことが最初の原因である。 そこから転がり落ちるように歌劇の完成を目指すようになり、いくつかの稀覯本や魔術書に近いものへと手を出し始めた。 挙句の果てに、夢でマウス・オブ・マッドネスを垣間見、アザトースを目視したことにより一切の正気を手放した。 とは言うものの、実家の太さや元の気質も幸いし、しばらくの入院から解き放たれて通院生活を楽しんでいる。 ……まあ、見えている世界も感じているものも、常人とはかけ離れたままなのだが。 天使のことは『天使様』と呼んでいる。 ▽個人用配布HO2 貴方は神話的恐怖により精神が壊れた人間だ。最初はほんの少しのほつれだったが、徐々に心は闇へ引き摺られてしまった。空は血のように赤く、人々は喋る肉塊に見える。かろうじて見える人（死者）は毎回毎回同じ行動を取っている。まるで村人Aだ。食べ物の殆どは泥や血の味で、精神科の先生も匙を投げる程だ。こうなったのは精神が壊れてから見た夢がキッカケな気がするが、どんな夢だったかほとんど覚えていない。 そんな貴方は最近、美しい羽根を持つ天使と街ですれ違った。黒い長髪のその男の天使を忘れられなかった貴方は、彼が通う不思議な建物にほぼ毎日通うようになっていた（6か月以内の関係設定構築可）。 以前は神奈川県波能市（はのうし）という場所にいたが、今は天使がいる神奈川県草間市（くさまし）に住んでいる。 新規探索者の場合は＜POW*3＞までのクトゥルフ神話を取得してよい。何の神話生物により発狂したのか決まっていない場合は1d20を振ってもらい、KP所持の【SAN0原因神話生物一覧表】に合わせた神話生物をKPが提示する。 ▽NPC天使について 探索者が名前を聞いていない場合教えはしない、背中に計6枚の羽が生えた天使。 神父服のような衣装を身に纏った、黒い長髪の男性である。後ろを緩く三つ編みにしている。APPは13。外見年齢は50代から60代程。身長は190cm程。 探索者に対してとても紳士的に接してくれ、困ったことがあればよく付いて来てくれる。胸元にいつも赤い宝石が付いた十字架のペンダントをぶら下げており、とても大切そうにしている。 ▽現在の症状まとめ 空は真っ赤、暗い。生き物や落ちている物等が肉塊やよくわからない物体に見え、文字は読めない。普通の食べ物は泥や血の味がする。人の声は機械音声のように雑音が入る。

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