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クトゥルフ PC作成ツール
音霧 澪 (オトキリ ミオ)
ID:2864535
MD:c916e9e5bf153dc1f6914c03a6e912f1
音霧 澪 (オトキリ ミオ)
タグ:
シュカ:探索者
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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APP
SIZ
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初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
誕生日11月19日 誕生花オトギリソウ 特徴表 〈3・4〉戦士:あらゆる近接戦闘武器技能の初期値が50%になる。 〈6・9〉行方不明の家族:13歳のころ、薬に適合した数週間後に母親が失踪した (恐らくは化け物に襲われて死んでいるが澪本人がその事実を受け入れられていない)。 通過シナリオ 少女たちは正義の果てに HO2 真トゥルーエンド 白夜の歌 ENDA-1 遭遇神話生物 ・ムーンビースト・忌まわしき狩人・ビヤーキー・黒い仔山羊・ニャルラトホテプ ・ウロ・月詠(アザトースの化身) 13歳になる直前までいじめられていた。 そのせいで自分と同じ年代の人間を信用できなくなった。 そしてある日、そのいじめっ子を殺してしまった、しかしそれは誰にも知られていない。 その日のトラウマのせいで、教室に入れなくなった。 13歳になった年、化け物に対抗するため全国規模で行われている薬物試験を受けたそして適合者になった。 適合者になって初めて化け物との戦いのときに自分を庇って世話役の人を死なせてしまった。 それと同じ日に母親がいなくなった。 唯一残った家族である兄を守らなければいけないと思い込んでいる。 それから4年間化け物を殺し続けている。。 HO1に憧れているところもある、でもそれ以上に恐怖心を持っている。 HO3に嫌悪感を持っている。 HO4に憎しみと嫉妬を混ぜ合わせたような感情を抱いている。 狡噛にはどうせこの人もすぐに死んでしまうんだろうと思って距離を置いていた。 しかし長い間接しているうちに本人にその自覚はないが少しづつ頼りにし始めている。 今では、訓練の相手になってもらったり兄には頼みづらいこと(懇談などの保護者替わり)を頼めるようになってきた。 ある事件を超え魔法少女という身分を捨てた。 周りの人を信じられるようになった。 聖秀院学園(せいしゅういん)で副生徒会長に任命された。 今まで怖かった教室にも入れるようになり、纏う雰囲気も柔らかくなった。 卒業後には警察学校に通い警察官を目指すようになった。 結局やめようと思っていたタバコはやめられなかった。 初めは気付くことができなかったけれど、自分を助けてくれた佐藤正輝に感謝をしている。 そして本人は気付いていないが佐藤に好意を寄せている。 AF:拳銃 10発込められており命中率は100%、弾は込められないため10回のみ使える。 ダメージ1d10 生まれた時から、父親は居らず家族は母親と5つ年の離れた兄との3人で暮らしている。 もともと私は明るくて社交的な俗にいう優等生というやつだったと思う。 でもあるときから13歳になる直前までずっと私は酷いいじめを受けた。 きっかけは大したことのない、いつもの私なら軽く笑いながら流せただろう事。 私には父親がいないということをいつのも調子でからかってきたクラスのやんちゃな女の子。 もしかするとたまたま虫の居所が悪かったのかもしれない、私はその子に言い返して喧嘩になってしまった。 その日はそのまま家に帰ったけど、家に帰ってから少し言い過ぎたかなと思って明日になったら謝ろうと、そう思った。 でもその子にごめんなさいをするはずの次の日は来なかったんだ。 次の日、ちゃんと昨日は「言い過ぎた、ごめん」と言おうと決心して学校に登校した。 そしたら私の下駄箱にあるはずの上履きがなかった。 あれ?おかしいなと思って仕方なくそのまま教室に上がった。 そしてそれはあった。 落書きをされて、ゴミ箱の中に。 それを取りに行ったとき周囲で何人かが笑い声を上げた。 昨日喧嘩した子とその友人たちだった。 きっと昨日の仕返しだろうと思って、私はその子に謝った。 これで許してくれるだろうと。 しかしその子はこちらには目もくれずゲラゲラと下品な笑い声を上げていた。 しばらくしたら落ち着くだろうから今はこのままでいいや。 そう思って友だちの女の子に話しかけに行ったんだ。 「あの子たちこんなことしてきたんだよ?仕返しにしてもやりすぎじゃない?」って。 でもその言葉を彼女にかけることはできなかった。 彼女はこちらに目を合わせないようにして、私ではない別の友だちのところへ行って談笑し始めた。 あたりを見回しても友だちだと思っていた子たちはみんなは誰一人こっちに目を合わせようとしなかったんだ。 きっとその日から私だけがこの空間にいなかったんだろう。 朝登校してみれば机には落書きをされてる。 ロッカーの中に入れておいたはずの教科書は破られゴミ箱に捨てられる。 トイレの個室にいれば上から水をかけられた。 そんないじめを受けている私を見ながら、いつも誰かがゲラゲラと笑い声をあげるのを聞いていた。 でも私はいつかきっとこれは終わる、前みたいにみんなと仲良くすることができると思って黙って耐え続けた。 家族には心配をかけたくなくて家では今まで通り、変わらない日常を楽しく送っているとのを伝えるために笑顔を作っていた。 そんな生活を13歳になる直前まで続けていた。 その時にはもう、今まで通りの生活なんてものは必要なくて。 ただ家族と三人で幸せに暮らせればいいと思っていた。 地獄のような日々が終わったのはいつもと変わらないある日だった。 私にはもうお昼を一緒に食べる友達なんていなかった。 それに教室にいないほうがつらい思いをせずにいられたから、いつも一人で誰も使っていない空き教室でお弁当を食べていた。 その日もいつもと同じように空き教室に行って、お母さんの作ってくれたお弁当を食べようと思って鞄を開いた。 しかし鞄の中にはいつもは入れているはずのお弁当がなかった。 もしかすると家に忘れてきたのかもしれないと思って仕方なくお昼を食べずに一日を過ごした。 そして授業が終わり帰ろうとしたときに彼女たちに捕まり放課後に教室に来いと言われた。 できることなら行きたくなかった、でも行くしかなかった。 動こうとしない足を無理やり動かして教室に行くとソレはあった。 お母さんが作ったお弁当だった。 お母さんが毎日夜遅くまで働いて、朝早くから起きて私のために作ってくれた。 私の好きなハンバーグを入れてくれている。 私の苦手なトマトもちゃんと食べなきゃだめよと。 私のことを考えて作ってくれているお母さんのやさしさが詰まったお弁当がそこにあった。 何故、どうして、まさかという思いが頭を駆け巡り呆然としていると。 いじめっ子たちはあろうことかそのお弁当を教室の床に叩きつけ、踏みつぶし罵倒し始めた。 そしてあの声だ。 奴らが私をいじめ始めた時から、何日も、何ヶ月も、何年も聞かされ続けた。 下品で汚らわしいゲラゲラとした笑い声をあげていたんだ。 その瞬間、私の中で何かが切れた。 私は絶対に許さないという強い憎しみと負の感情を抱いた。 するとどこからか声が聞こえてきたんだ。 「殺してしまえ、そんな奴は殺してしまえ、さあ、ポケットの中を探るんだ…殺してしまえ」 自然とその声に従い、自分のポケットの中を探ってみると指先に何か硬いものが触れた。 私はそれを取り出した。 拳銃だった。 なぜそんなものがポケットの中にあるのか、私には一切身に覚えがなかった。 けれどそんなことを気にすることなくその拳銃を目の前の奴らに向け、そして。 迷うことなく引き金を引いたんだ。 手に感じる確かな衝撃、硝煙の臭いとそれに混ざって鼻をつく臭い 噎せ返る様な血の臭い。 反射的に閉じていた瞼を開けるとそこには夥しい量の血液。 そしてその中心で倒れている、一体の人間があった。 殺したんだ、私が殺してしまった。 そう呆然としたのは一瞬。 そして私は恐怖、罪悪感、そして僅かな解放感を感じた。 はっと我に返り、私はこの場所にいちゃいけない。 そう思って、その場から逃げるように自宅への道を必死になって走った。 家族に見られないように部屋に戻った後、怖くて一人で泣いた。 確かに怒りに任せて人を殺してしまったことも確かに怖かった。 でもそれ以上に彼女を殺したことを確認した瞬間に、きっと笑っていただろう私自身が一番怖かったんだ。 もう学校になんか行きたくなかった。 できることならこのまま閉じ籠っていたかった。 でもそうすれば家族に心配をかけてしまうから震える足を動かして学校に行った。 深呼吸をして、覚悟を決めて教室へ足を踏み入れた。 きっとこの苦しい生活も、家族との時間も「ヒトゴロシ」のレッテルを張られて無くしてしまうんだろうと。 でもそんなことは起きなかった。 死んだはずの彼女は確かに教室からはいなくなっていた。 しかしそれだけだ。 床に広がっていた血溜まりはなくなっていた。 銃弾に貫かれて確かに死んだ彼女の死体は何処にもなかった。 変わらない、私が彼女を殺す前と何一つ変わらない日常があった。 彼女は失踪したということになっていた。 誰一人として知らないのだ。 私が犯した「罪」を。 私は安堵した、これでまだ家族と一緒に暮らせるそう思った。 そう思った瞬間、頭に昨日のあの光景がフラッシュバックした。 私は人を殺したにもかかわらず自分はまだ幸せになれると思っていたんだ。 自身の道楽のためなら他者に何をしてもいいと、そう考えている彼女たちと。 いじめをしていた醜い彼女たちと、私は何も変わらないということ気づいた。 その瞬間、抑えられない不快感に襲われたんだ。 そしてその場から逃げ出した。 あの日から私は教室へという空間に行くことができなくなった。 教室に入ろうとすると、頭の中にあの光景が蘇るんだ。 そしてドロドロとした不快感が込み上げて立っていられなくなった。 それからは登校して保健室へ顔を出し、図書館や屋上でとにかく学校では一人になった。 誰かがそばにいると、あの日々のことを思い出してしまうから。 それ以上に誰かに私の罪が暴かれるのが怖かったから。 あの地獄のような日々とは違う。 けれど心が休まることのない生活を1年近く続けていたある日。 ある薬物試験に参加させられることになった。 何でもその薬に適合すると何年か前から世界中で発生している化け物に対抗できるようになるらしい。 適合しなければ、何のメリットもデメリットもないただの試験らしく、適合者も過去に1人しかいないらしい。 どうせわたしには関係のないことだ。 そんなことをしても何も変わらない。 そう思っていたのに。 私は適合してしまった。 それから数日はいろいろな人間と関わらされた 一番関わらされたのは恐らく不知火 陽彩だと思う。 彼女は私と過去唯一の適合例であるHO1、つまりは適合者達の世話役らしい。 私は彼女に化け物を殺すための方法を教えられ、鍛えられた。 彼女はいくつかの火器の扱い方と手斧による軍隊式の格闘術を習得していた。 それからの数週間は、与えられた武器をどう使えば化け物を殺すことができるかを徹底的に叩き込まれた。 彼女からはお母さんと同じ匂いがした。 それは彼女の吸っているタバコがお母さんのものと同じだからだと思う。 お母さんと同じ匂いと学校にはいなかったようなまともな大人だったからかもしれないけど。 そばにいると少しだけ安心できる人になっていた。 いじめが始まったあの日以来、家族以外でそんな風に感じたのは不知火が初めてだった。 そうして訓練を続けていたある日、私の住んでいる街にソイツが現れたんだ。 装備を整え、現場に向かう。 そしてそこにいたのは。 紛れもない化け物だった。 その化け物が人間を喰い殺していたんだ。 私は教えられて通りに銃を構えて、化け物に狙いを定めた。 化け物はこちらを見ていない今なら殺せる、そう思って引き金を引こうとした。 それが起こったのはその時だった。 一瞬、眩暈がした。 そして目の前にあったのは。 私がいるはずのない教室、床一面に広がる血液、一つの死体だった。 それが見えたのは一瞬だった、けど私は引き金を引けなくなっていた。 手は震え、呼吸が早くなる。 硝煙と血が混ざりあった嫌な臭い。 ドクドクは早くなっていく脈拍。 あの時の光景が頭の中を埋め尽くす。 私はその場所で指先すら動かせなくなっていたんだ。 そんな私へ、化け物は真っ先に襲い掛かってきた。 これでおしまいか、もう死ぬんだ。 そう思っていた私は、何かが体にぶつかってくる衝撃によって吹き飛ばされたんだ。 その衝撃ではっと我に返りぶつかってきた何かを見た。 不知火だった。 彼女は私が直前までいた場所にいて。 玩具の人形のように軽々と吹き飛ばされて動かなくなった。 そこから何が起きていたのかはよく覚えていない。 無我夢中で化け物を殺して、不知火のところに駆け寄ったときには。 彼女はもう息をしていなかったんだ。 私のせいだ、私があのとき引き金を引いて化け物を殺せていたら彼女は死ぬことはなかった。 また一人、人を殺してしまったんだ。 私自身への失望。 彼女に対しての罪悪感。 そんな感情で頭がぐちゃぐちゃになったまま自宅へと帰り、ベットに潜った。 その日は一睡もできなかった。 次の日の朝、普段ならまだ起きてこないはずのお兄ちゃんが深刻そうな顔をしてテーブルについていた。 私の何かあったのかと嫌な予感をしながら話を聞いた。 そしたらお兄ちゃんはこう言ったんだ。 「昨日から母さんが帰ってきてないんだ」 おかしい、お母さんは夜遅くなることはあっても、必ず家に帰ってくる人だった。 もし帰ってこられない日でも必ず今日は帰れないということを連絡するようなマメな人だった。 そんなお母さんが何の連絡してこないなんて。 そう不信感を抱いているときにあることを思い出した。 いや、思い出してしまった。 昨日化け物が現れてしまった場所を。 そこのすぐそばにはお母さんの職場があることを。 私はすぐにそこに向かった。 そこには規制線が張られ、警察が立っており規制線の向こうには誰もいなかった。 あるのは無数の血痕だけ。 そしてお母さんが働いていた建物は完全に倒壊していた。 もしその建物にいたのなら絶対に助からないことがわかるほどに。 もしかするともう家に帰ってるのかもしれない。 そんな淡い希望は打ち砕かれた。 家にお母さんは帰ってこなかった。 辺りの病院にも搬送されていなかった。 そして遺体も見つからなかったみたいだ。 その日からお母さんは家に帰ってくることはなかったんだ。 どうしてみんないなくなってしまうの。 私が大切にしたいと思える人は、不知火は、お母さんはいなくなってしまった。 私に残されたものはお兄ちゃんだけ。 お兄ちゃんは私が守らないといけないんだ。 だから私の罪が暴かれるその日まで私はお兄ちゃんのためだけに生き続けよう。 だからお兄ちゃんは安心して幸せになってね。 それからは高校に進学して、呼び出されれば化け物を殺すという日々を続けていた。 化け物を殺すために拳銃を撃つとき、頭に何度もあの光景がフラッシュバックしかけた。 でもそれ以上に思い出すのは、あの時体に感じた衝撃。 そのせいで死なせてしまった、家族のほかに初めて大切と思えた人。 ここでやらないとまた同じ思いをするかもしれない。 そう思うと引き金を引くときに躊躇いがなくなったんだ。 相変わらず、教室に行くことはできない。 何度か行ってみようかとも思った。 でもあの光景、そして殺人を犯すまでの日々を思い出してどうしても足が竦んでしまった。 だから私の居所は屋上と図書館だけだ。 ある日ふとお母さんと不知火が吸っていたのと同じ銘柄のタバコを吸ってみた。 そしたら、二人のことを思い出すことができた。 少しだけ泣きたくなった。 でもそれ以上に罪悪感の方が大きくなっていたんだ。 あの時私がちゃんと化け物を殺せていたらって。 だから私は、二人を失ったときのことを思い出すために時々タバコを吸うようにしている。 あの日から私とHO1以外にも2人の人が適合したらしい。 一人は私と同い年、もう一人は一つ年下のどちらも女の子。 HO1には、少し憧れを抱いてるんだろう。 あんな風に化け物をもっと早く殺せるようになればお兄ちゃんをもっと守ってあげられるかもしれない。 でも関係ない、私にはどうせ関係のないことだ。 彼女たちだって、HO1も、HO3もHO4も全員。 どうせあいつらと同じなんだ。 表面上はどう取り繕ってもきっと腹の奥底ではみんなゲラゲラと醜い笑い声を上げているんだろう。 みんなそうだ、今まで学校で出会ってきたような人たちはみんなそうだった。 だから、他人とかかわりを持つことなんて何の意味もないんだ。 本人の目がなければ影で罵られる、気に食わなければ無いものとして扱われる。 きっと彼女たちもそうなんだ。 HO1みたいに誰にでも慕われるような人は怖い。 だって周りの人は、その人が嫌いだからっていう理由だけで無条件でその嫌われた人を攻撃しだす。 たとえその人が間違っていようとも、周りの人はそれを気にもとめない。 何故って、そんなことは簡単だ。 自分がそうなりたくないからだ、自分自身が槍玉に上がるのが嫌なんだ。 私だってそうだ、その気持ちは痛いほど分かる。 他者からの人望が厚い人を敵に回すとそうなる。 またあの地獄のような日々を送らされるかもしれない。 そういうことを起こせるだけの力があの人にはある。 だから私はHO1が怖い。 HO3みたいに誰にでも優しい人は嫌いだ。 だってその優しさは押し付けだ。 誰もそんなものが欲しいなんて言っていない。 どうせ優しさの裏には打算しか隠れていないんだろう。 そう思うと反吐が出る。 そして優しさを受け取らなければ、すぐに他者を攻撃しだす。 私はあんなに優しくしてあげようと思ったのに、あいつはあんな風に私の優しさも無下にしたってね。 だから誰にでも優しくしようとするHO3みたいな人は嫌いだ。 HO4みたいに希望に充ち溢れた人は憎い。 だってそんなことを思える人はこの世界に絶望、地獄が存在するなんて考えないのだろう。 虐げられ、貶められ、見下されてきた私たちとこの人に何の違いがあった。 私たちが何をした、何か間違ったことをしたのか。 そんなことはない、ないはずだ。 私たちは当たり前に人として平穏に暮らす、その生活を送ることのできる環境に生まれなかった。 それが私たちの不幸であり、不運だった。 そしてこの人はその平穏な暮らしを手にできる環境に生まれた。 それがこの人の幸福であり、幸運だった。 だから憎い、自分よりも幸福で幸せに生きているこの人が。 罪など背負わず生きていられるこの人が憎い。 分かっている、この感情がただの僻みだってことは。 そんなことは誰よりも私自身が一番知っている。 でも知ったこっちゃない、私が誰に対してどんな感情を抱こうが私の勝手だ。 だから私はHO4みたいな人が憎い。 HO4が適合者になったときに、ほぼ同時期に世話役になった男がいた。 その男は狡噛というらしい。 どうせすぐに死んでいなくなる。 そう思って積極的に関わろうとは思わなかった。 深く関わった時、彼がいなくなったらきっとつらい思いをすることになるから。 今までだってそうだった。 けど彼は死ななかった。 その期間は2年間。 その間手傷を負うことはあっても五体満足で生き続けて今でも私たちの世話役をしている。 彼は、私の罪を知らないからそんなことができるんだろうけれど。 私たちをどこにでも女の子として扱おうとしてくれている。 そんな彼の態度のせいか、それとも長い時間に私が絆されたのか。 私の中でも彼は大きな存在になっていた。 父親がいたらこんな感じだったのかなと思えるほどに。 だから彼はもう大事な人だ。 お兄ちゃんの方が大切だけれど、その次に守りたいそんな風に思える人になっていた。 だから彼は死なせない。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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