タグなし

愛称はアンジェ。 　ロードの名門、クロウリー家に生まれながら聖印を宿すことが出来ずに父親からは落ちこぼれと冷遇されていた。 　幼少期は周囲に認めてもらいたい一心で勉強や武術の研鑽に明け暮れたが、母親と兄以外からは終ぞ認められることは無かった。何をしても無駄ならばと何事にも情熱を持たなくなり怠惰な性格へとなってしまったのだ。 　そんなおりに混沌の世界樹が出現し生活環境が一変。人類の生存圏が次々と無くなる中エーラムからの呼集により魔法師としての才を見出される。特に生命魔法への適性が高く、魔法と武術を合わせた戦い方を確立させたのだった。 　また軍師としても優秀で、指揮した部隊の消耗率は全軍中でもダントツで少ない。ただ優秀すぎる故か現在の人類の戦略では混沌の世界樹を刈り取る事はできないと理解してしまっている為、今いる人を1日でも長く生き延びさせる事に注力している節がある。 　この戦時下でも怠惰な性格は変わらず前線には殆どでず、後方から指揮を取ることが多い。しかしこれは回復の要である自分の部隊がいつでも出動出来る様にする為であり、一番しんどい殿は大体務めている。 　怠惰で緩いところがあるため上層部には煙たがる者もいるが、実力は十二分にあるためアダムや彼に近しい者、部下たちからは信頼を得ている。 あぁアレはダメだ。 もはや聖印の力を持ってしても今の人類にアレを刈り取れるものはいないだろう。 兄貴に伝えようとしたけど何度も言葉を飲んだ。 優しい兄貴の事だ。また自分を責め続けてしまう。 もう、何もかも捨てて兄貴と母さんとメイドのミラさんと逃げ出そうと思った。 4人くらいなら兄貴と私がいれば全員の天寿くらいはまっとうできるのに。 でも兄貴はそうしない。人類の希望として最期までその責任を全うするだろう。 それならまぁ仕方ないか。兄貴の心配事が少しでも減らせるならちょっとは頑張ろうかな。 自分のできる範囲で力は抜いて……ね。 さて、日記をつけるのは今日で終わり。 これを書いた後には燃やしちゃうけど、ま最後のケジメくらいはしっかりとね。 私には、過去も未来もいらない。欲しいのは今この時を護る力……なんてね。 --アンジェリーナ・クロウリー、今は灰となった日記の最後のページより

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ