タグ： かしわもち

佐野　裕 【モノローグ】 地球は、五十億年後に滅びるのだ。 様々な人間が社会をより良くしようとしていたり、 人間が子孫を残したり、災害から復興しようと頑張っていたり。 だが、それも五十億年後には全部なくなっている。 明日閉店すると決まってる店舗で、 わざわざ扉の修理したりする莫迦はいない。 明日ダムの底に沈むというのに、 畑の土を入れ替える阿保などいるわけがない。 それなら、明日と五十億年後の差とはなんだ。 結局１日を積み重ねていけば１年があっという間なように、 五十億年だってあっという間だ。 その時そこにいるのが自分が自分でないか、それだけの事。 いつか、なくなる。 それなら、明日に向けて何かを頑張ること、積み重ねることって、 いったい何のためなんだ。 一体自分は何のために生まれてきたのか。 一族繁栄、社会の繁栄、 そんなちっぽけな単位ではない。 この地球にとって、人類にとって、 自分にできることはいったい何なのか。 それは、どうせなくなってしまう、 この地球が刻んできたすべての歴史、歩みすべてを、 地球がなくなった後のために、残すことではないか。 記録として残っているものを、すべて。 真偽が定かでない、神話やオカルトで片づけられているものまで、すべてを。 いつか、誰かに届くのかもわからない。 誰にも拾われず、それこそ永遠を彷徨うのかもしれない。 だが、何も残さないよりは、何かを遺す。 次世代等ではなく、地球がなくなった後のために、遺す。 それこそ、どうせ滅びる地球で唯一意味があることだ。 【人物】 幼いころより科学の道に興味を示し、 そのまま大学、企業内の研究開発へと道を進める。 永続性、永遠性に価値を見出しており、とにかく何かと記録を残したがる。 とある日に、映画のネタでしかないと思っていた地球滅亡説が 将来的には現実に起こり得ることを知り、絶望を覚える。 そこからは、未来へ向けて新しくモノを作るよりも、 昔から謎とされているもの、解明されていないものを解き明かし、 それを記録して残すことに傾注している。 その過程で、最近では科学的な見地から、 非科学的と考えられている分野を研究することばかりしている。 心理学やオカルトに多少長けているのもその影響。 原発事故一連の流れによるこの村の現状を知った際も、 「利便性を追求し、自分たちの首を締める、 過去から繰り返してきた過ち、人類の失敗の歴史そのもの」と捉えており、 自身の大切な記録にしたいと考えている。 科学者らしく（？）自分の体を犠牲にしがちであり、 自分を実験サンプルとすることもしばしば。 上記の通り、もとより長生きする気もない。 期限付きである生への執着も薄く、いつ死んだとしても後悔はない。 持ち前の技術で、自分の知覚をすべて記録している。 自分が死んだら、自分のこれまでの記録・記憶と 家の研究結果がまとめて超合金で永久保管されるように用意してある。 地球が滅んだ後も、どこかの誰かに届いたらいいと（彼は本気で）思っている。 研究の過程で、過去の事例から神話生物の存在を現実的に信じ始めており、 実際に自分の目で見ることができれば、 記録的な見地からも本望中の本望である。 超科学的な存在に命を奪われてしまうという、常人では絶対に避けたい事態も、 彼にかかればそれごと記録になるので、貴重な経験になりえるのかもしれない。 ついに巡り合えた神話生物に、発狂状態で対面した彼は、その欲望の赴くままに自らの体を溶かしかけるが、仲間の気遣いにより一命を取り留める。 それ以来、また神話生物と相見えることができないかと悶々とした日々を送っている。 科学研究を進める過程で、酒とタバコにまみれた女科学者、音無々々と知り合い、自分の研究に役立てようという考えから交流を続けている。 女性は決して得意ではない彼だが、酒やタバコを好む、乙女とは少し異なる彼女の姿には多少の話しやすさを感じているようだ。 この世が贋作であると気づかされた佐野は、自身の命を絶ってしまうことすら頭に浮かんだが、 やはり超常現象による死でなければ自分ではないことに気が付き、新たな神話生物との出会う機会を持つべく、 反物質抑制銃を手中に収めるのであった。 【解説】 まぁそんなわけで、退廃主義者です。 かといって本当の退廃主義者にすると、 ストーリーの進行すら放棄する恐れがあるので、 前向きな退廃主義者にしてみた。 科学者ということで信用とか説得力はあるだろうと勝手に妄想。 ただしコミュ力は高くないので言いくるめは不得意。 なんか都合いいようなキャラ設定に見えなくもないので遠慮なくご指摘願いたし。 神話生物に食べられてみたいとかいうドＭなキャラも考えたけど、 それってもう退廃主義者というよりただの変態なので、自重。 「自分」という「選ばれし存在」が、 「神話生物」という「超常的な存在」と一つになることで この腐りきった世の中を再生する神へと昇華してやるんだ、みたいな ちょっと頭のおかしい奴も考えたけど、退廃主義どこいったということで自重。 今回のキャラのきっかけも結構こじつけに近いけど、一番筋が通っていたので選びました。 上の頭おかしい奴らもいつかやってみたい。 【反物質抑制銃】 ・装弾数：32発（残数28弾） ・発射回数：制限なし （ただし、4発を越える1発ごとに、過冷却により銃身が凍結してしまう可能性が5%ずつ蓄積される） ・技能初期値：《反物質抑制銃》：30% 　 ・1発の威力：対象により異なる（猟犬に対しては特効） ============================================================== この銃は『反物質抑制銃』と名付けた。 まず前提として、この宇宙に存在しえない直線を祖とする生命達が住んでいる世界を『ティンダロス』び、彼らを構成する物質を『反物質』と呼ぶ これは、『反物質』を手に入れるため、『ティンダロスの猟犬』と呼ばれる種類の生命体の活動を停止させるために作られた銃である。 これは冷凍銃の一種で、特殊な低温ガスを内包したガス弾を射出する。 これが『ティンダロスの猟犬』に当たると、彼らを構成する物質は分子運動を止め、瞬間的に凍結せしめることが出来る。 これを使用するには、対象に打ち込むだけでよい。 また彼らは出現の際に、黒い靄を発生させる。 ガス弾は、そこに打ち込むのがより効果的である。 ==============================================================

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ