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【艶めき揺れる黒いリボンは力の証】 　上げた産声に共鳴するように、その体は脈打ち、空間は歪んだ。 　生まれたての身体は力の加減も扱い方も知らず、己の身体を引き裂き捻じ曲げる。 　幸い、人的被害は建物や機材、ほんの数人がちょっとした怪我をする程度。 　駆けつけたUGNにより記憶処理、後始末が行われ、永衣は保護される。 　同時に、「永衣が生まれた事実」は表舞台から忘れ去られた。 　UGNの保護のもと、永衣はUGNチルドレンとして育成/調教されていく。 　生まれた時に作ってしまった顔の傷痕を戒めに、力のコントロールを 　徹底させるべく日々努力を続けている。 　飲み込みや物覚えは早く、周囲からはよく天才とほめそやされている。 　明るく物怖じしないタイプで、「～～なの」という語尾が特徴。一人称はボク。 　人付き合いはそれなりに上手く、レネゲイドやUGN、FH関連の知識は充分に備えているが、 　世間一般的な常識は知らないことが多い。 　「ボクにお任せなの！」 　妹がいるが、当然永衣が忘れられた後に産まれているため、妹は永衣の事は知らない。 スクロールでマジェンタシナリオバレあり 　結論から言えば勝利は収めた。 　経過を見れば、あまりにも辛勝だった。 　危うかった。あと少し、ほんの少しでも遅ければ。 　「………ばかひで」 　眠っている見舞い相手を見つめる。寝ている時を狙って正解だった。 　起きていれば、きっと余計な事を言うだろうから。 　赤いてるてる坊主が消失した時、肝が冷えなかったといえば嘘になる。 　かつての大切な仲間を思い出していた。 　赤い血だまりに沈んだ、大好きな仲間達。 　もう二度とあんな姿は見たくなかったから。 　だから、晴英が生きていた時心底安堵した。 　どんなにA.R.E.Aが強くても、負ける気なんてしなかった。 　再度対峙したヤマに怖気づいた時も、それでもこの肉体を動かせたのは。 　「……でも、絶対に言ってあげないなの。ふんだなの」 　それを言うには、まだ。まだ早いのだ。 　もう少しだけ心の用意が必要で、もう少しだけ互いを知らねば口にできない。 　「だからさっさと治して、今度は一緒に任務に行くなの。こき使ってやるの」 　ふとんの裾を握りしめて祈る。 　「…また来るの、晴英。おやすみなの」 　次は、負けないの。 　取り組んだのは肉体改造。己の身体の小ささと非力さに嘆いたのはこれで二度目。小さくても頑丈な体が必要だ。 　縦に伸ばすよりその方が楽だろう、とエグザイルの特性とバロールの重力を存分に利用し、短期間で効率よく鍛え上げた。 　(※という勝手な想像をしています) 　そして、なんたってボクは天才だから、相手を叩くときの力の込め方をまるっと替えても対応できちゃうのだ。 　足りなかったのは単純な力、そして当てるための速さ。 　必要なものを補うためにどの力を使えばいいか、何でも試した。 　その結果が現在の神音永衣のスタイルであり、発揮の場―――任務を言い渡される時を待っている。 　――――――『まだ早い』と、言っていたことを後悔することすらできなくなるとは、知らないまま。 RハンドアウトPC①②(マジェンタ共通) ロイス："グリィズル" 山田餓狼丸(やまだがろうまる) 推奨感情：P尽力/N脅威 公開条件：【記憶を取り戻す】判定に成功した上で、餓狼丸の正体が明かされる 半田支部長の進言によって武上町へ隠密調査に向かったキミ達。【蒼蒼計画】当事者に会いさえすれば、真実にたどり着けるはず。だが、実際に目の当たりにしたのは昏倒するPC③④と、その傍らに立つ一人の少年の姿だった。 抵抗するも虚しく、キミ達もその手に誘われることとなるだろう。 喪った人など誰もいない。否、誰も覚えてなどいない、幸福な夢の中へ。 支部の子達 ■プレイヤー向け補足 PC達はミドルフェイズの間、グリィズルの創り出した亜空間に捕らわれ、過去の【紅紫法典】【蒼蒼計画】の事件の記憶を忘れさせられている。 【記憶を取り戻す】ためにはシナリオ内で行われる<意志>判定に成功しなくてはならない。 この判定に成功した上で、「山田餓狼丸の正体がオーヴァードであること」をシナリオ内で指摘することが公開条件となっている。この時、グリィズルと即座に敵対する(=戦闘が発生する)可能性がある点に注意すること。 一定のシーン数を超えると、自動的にグリィズルの正体は明かされる。その場合においても、Rハンドアウトの公開条件は満たされるものとする。

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