タグ： 放浪者

　彼女の家は大金持ちで、姉の好きな小動物をたくさん飼っていた。 彼女は夜のうちにそれらの動物を皆殺しにしてしまった。小学校も低学年のころのことだ。 大好きな姉の愛情を横取りされるのがたまらなく嫌で、我慢など頭になかった。 だから、一匹一匹の眼球を抉り、腹を掻っ捌いて臓物を引き摺り出して殺した。 姉の愛情をすべて自分に向けたかった。自分さえ愛してくれれば二人とも幸せなんだと信じて疑わなかった。 　それから彼女は家から出してもらえずに、家庭教師に学を教わり、道徳を叩き込まれた。 そして彼女が18歳のときにようやく家を出て、社会に身を置くこととなる。世界は初めてのものであふれていた。たくさん、いろんなことを知った。 そして結局、彼女は社会に適合できなかった。今は時折一人暮らしの姉の元へ訪れ、親からの仕送りを分けてもらってぶらぶらと過ごしている。 性格は基本的に明るい、基本的に物事を覚えようとせず、本能的に興味を持って事柄に対して突き進んでいく。 また、重度のシスコンであり、姉にかかわるものには非常に冷たく、時にはパラノイアを起こす。 後、彼女は影が薄い。実家で隠れようものなら館の従者を総出にしても見つけることはできないだろう。

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