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彼は元は情に厚い人間だった。 裕福な家庭に生まれ、父にも母にも愛され、父には「人を大事にする人であれ」と教育されてきた。 順調に進学し、博物館学芸員になった彼は、その造詣の深さから、とある海外の遺跡の調査チームに加わる。 しかし、それが彼の人生の凋落の始まり、いや、後悔の始まりであったと言ってもいいだろう。 その調査チームには親友が共に参加していた。 まさに彼がその遺跡の、決定的な発掘品を親友と共に発見した時、突然の天候変化から、彼は友人の命か、発掘品かの二拓を迫られることとなる。 彼は、発掘品を優先しようとしてしまった。それは父の元を離れ、勉学に勤しんだ彼の情熱が、父の言葉を勝ってしまった瞬間だったのかもしれない。 結果を言えば、彼は友人を失い、動揺の内に発掘品も豪雨に流され行方が知れなくなってしまった。 その後、度重なる調査をするも、その発掘品を発掘するには至らず、状況から、彼は調査員、しかも親友を助けられなかった上発掘品を確保できなかったとして、非情かつ無能の男としてその地位と評価を全て失うことになる。 以降彼は小さな博物館に左遷され、ひっそりと仕事に勤めることになるが、心の底でずっと後悔し続けている。 しかもその後悔の正体が「親友を助けるべきだったのか」「動揺せずに発掘品を確保するべきだったのか」未だに彼自身の中ではっきりとしていないのだ。 彼は今も苦悶の中に生き続けている。ゆえに彼は亡き親友の写真すら、怖くて持てずにいる。 ――――――――――――以下ネタバレを含む―――――――――――― ○通過シナリオ/ 「Stray Sheep」 自分の過去の選択を受け入れる。 ○対人関係/ 夏目 流依(なつめ るい)【https://charasheet.vampire-blood.net/2271883】　これからも酒のみ仲間。1人減っちまったけど。 才賀　巽【https://charasheet.vampire-blood.net/2271852】　あいつはいいやつだった。いいやつすぎた。

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