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マグノリア。 生まれ変わってから名前をつけてもらっていないので自分の中ではこの名前が本当の名前。 売春宿を営んでいる母の家に生まれた。父親については顔も名前も知らない。 幼少期は愛情こそ注がれなかったものの普通に育てられており、食事や最低限の世話はされていた。だが同時に母親からの目線が自分の子に向けるそれではないこと、名前も与えられないことに違和感を抱きながら暮らしていた。 7歳になった時に連れて行かれた部屋で売春行為をさせられる。大金を受け取って今までに見たことのないくらい幸せそうに笑う母を見てそこで自分はこのために育てられてきたのだと理解した。 そこからは毎日か日を挟んでかそういった人たちの相手をさせられる。相手によって違う名前で呼ばれるか、名前を聞かれた際は前相手にした客に呼ばれた名前を名乗って自分の本当の名前を人に話したことはない。 生活の変化に伴って多少家の食事や環境が良くなってきた折に母親を訪ねてくることが多かった、おそらく母の恋人である男に目をつけられて襲われたのを母に見られてしまう。その時は何もせずに見ないふりをされたが、彼が出て行ってから激怒した母に熱湯を浴びせられて左目を失明した。その後は嗜虐癖の客の相手もさせられることとなり、全身に火傷や打撲痕などの傷跡が広がりいつの間にか右腕が全く動かなくなっていた。 生まれ変わって（と思っている）から純粋に幸せと思えたことがないので、実は前世のことも自分の妄想で本当は存在しないんじゃないかと心のどこかで思っている。自分の名前以外はっきりと思い出せないのも相まって最近はなおさらその考えが強くなってきた。前世のことも、本当の名前のことも頭のおかしい子と思われないように誰にも話したことはない。 ただ、自分が本当に命をかけてまで守りたいような大切な人がいたなら会ってみたい、もう一度出会いたいと心から思っておりそのために死なないように、殺されないようにとなんとか愛想笑いやなけなしの処世術でしのいできた。

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