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▶「」なんてね 生還 ▶恋バナしないと出られない部屋 生還 ▶きみがいないせかいはこんなにさみしい 生還 ▶ラストグラス ▶君と世界の形 3話 HOママ 生還(なつきと一緒！) 子どもが出来たぞ…！？ 高校一年生。野球部に所属しているが、まだ球拾い要員。 少し歳の離れた兄とは時折公園でキャッチボールをしており、その時間が何より好きだった。 幼い頃は取っ組み合いの喧嘩をすることもあり、それを母に止められるまでが一連の流れだった。 父親は生まれた頃にはいなかったので、兄が一家の大黒柱として家族を支えていた。 ・兄への恋慕に気づいたのは12歳。小学校の修学旅行の夜だった。 同室の男子たちが恋バナに浮きたち、ませた同級生がこっそり部屋を抜け出していく様子を眺めては兄の顔が頭をよぎった。 純粋に慕っているだけだと思っていたが、密かにそれは恋慕へと形を変えていたことに静かに気づく。しかしそれは誰にも言っていない。 ・中学3年生のときに母が亡くなる。 それまで3人で生きてきた兄弟、少なくとも弟である皐月にとってはあまりにも辛い出来事だった。 しかし、その喪失感を埋めるように兄への気持ちを募らせていく。 「兄さんがいれば、俺は生きていける」 そう思っている。家事は兄弟で分担し、兄の代わりに買い物に行くことも当たり前になった。 商店街での買い物で培った値切りの仕方、兄弟で生活することを心配する人々への説得、言いくるめ。 それらは全て「兄との生活」を守るために得たものだ。 母さんが大事。兄さんが大事。大好き。 でも兄さんまでいなくなってしまったら、俺、どうなっちゃうんだろう。 皐月の願いはこのまま大好きな兄と生活をすること。兄さんに彼女が出来ても、結婚をしても笑顔で祝福する。 彼の気持ちは彼だけのもの。余程のことがない限り打ち明けることはない。ただただ、一途に兄を想い、幸せを願う。

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