タグ： 嗤う人間師

昇格の好機を何度も蹴り続けている巡査部長3年目の男。現在では自由に立ち回ることを好み、強制されることを嫌うが必要なことであれば素直に応じる。激情家。苛立ちを覚えた際には敢えて煽るような言動をすることもあり、注意されるが本人はあくまで自己責任と捉え意に介さない。良識はあるので弁える点は弁える。詮索を好まず、自分のテリトリーに人を寄せ付けない。 日本人とのハーフで、顔立ちは日本人寄り。娘が居る。 現在は昇格試験を受け、階級は警部補になっている。 ＜特徴表＞ 6-6 急速な回復力：新陳代謝能力にすぐれている。耐久力を回復するロールの結果に+1 3-1 天気予報士：外を見て＜アイデア＞ロールに成功すれば、短い期間(［1d6+1］時間）の正確な天気を予想できる。降水確率や風の向き・強さ、嵐の時間帯、雷の落下しやすい場所なども予測可能だ。 5月30日生まれ 以下シナリオバレ含む 幼少の頃、日本人顔であるというだけで虐めにあった過去を持つ。元来の気の強さや味方をしてくれる人間のおかげで反骨心を抱いていたことから酷く落ち込むことは無かったが、代わりに人間不信となった。 周囲と異なる容姿を持つ自分が気丈に振る舞うためには強く在らねばならないと他人を遠ざけ始める。現在に至って一匹狼思考は続いているが、当時味方になってくれた人間の優しさも知っていることから、何だかんだと他者には優しく接する傾向にある。人の痛みを知っているからこその態度。 またそのような過去を持つことから、「痛みを知る者として弱者の味方となれるように」という庇護精神を抱き警察を目指した。 大学生時代にジェフリー・リードに出会う。温和な性格で誰にでも優しい彼と講座が被ることが多く、ジェフリー本人が共に居て居心地のよい人間であったために次第に仲良くなっていった。性格自体は一見真逆に見えるため、好意的に見られるジェフリーに比して突慳貪な態度を取るダレンの評価は低いものとなっていた。 後にジェフリーが結婚することになる恋人の仲介人となったことがある。なおその恋人のことを好いていたが、終ぞ直接的な言葉で伝えることはなかった。初めて出来た親友を慮った故の行動であり、一遍の悔いもない。 親友の子供が生まれ、その年にかつての想い人は亡くなった。元々体が弱いことは知っていた。人前で泣かず陰で涙を零した親友を宥めることしか出来なかった。 警察組織に入った後もジェフリーとダレンの評価の差は変わらなかった。優秀かつ人望もあるジェフリーと共に行動するため悪目立ちする点に拍車がかかり、問題児として扱われるようになっていた。それを逆手に取り、ジェフリーを庇い立てる形で自分に懐疑の目が集まるような行動を取っていたが、その点についてジェフリーから本気で怒られたことがある。 ジェフリーの娘、エルシィ自体は赤子の頃から知っているが、ジェフリーが会わせようとするまでは一度も顔を見た事はなかった。温和で善人な父親とは真逆の雰囲気を持つダレンのことを、娘は出会い頭から嫌いだと評していた。「可愛くねぇガキだ」と憎まれ口を叩いていたが、その面影にかつての想い人を重ねてはどことなく寂しさを覚えていた。 バディとして仕事をするうちに、チームメンバーから離れて一人さ迷っていたトバイアスと遭遇する。ジェフリーの優しい態度によりその場は何とか丸く収まったものの、ダレン目線では「クソガキの癇癪」だった。恐らく暫くの間は険悪だったと思われる。 人間師シナリオから3年前。 事件の捜査中、ジェフリーが亡くなった。ダレンを庇ったために襲撃を回避することが出来ず致命傷だった。最期に残した「エルシィを頼む」という言葉の通りにエルシィを引き取るが、その際に「父親を返して」と泣き叫ばれてしまう。 自罰が生まれた。あの時死んでデメリットが少なかったのは自分の方だ。人望があり、優秀なあの男が何故死ななければならなかったのか。 それは他ならぬ自分のせいだ。まただ。自分が弱いがために災難が降りかかり続ける。今度の代償は人命だ。 この事件の解決により、巡査から巡査部長へ昇格する機会が与えられる。まるでジェフリーの死を踏み台にしているように感じ、強い憤りを覚えた。 約10年振りだろうか。再度心を閉ざした。 娘を育てて3年。会話も碌にないが、一人で帰らせるのもどうかと言うことで共に帰るようにはなっていた。エルシィが警察署に赴く。あるいはダレンが学校へと赴く。最低限の会話のみ。ただ世間一般の父親の義務とやらを果たし始めてから随分と慣れたものだった。 週末には家事をしたり、食材を調達しに買い物に出掛けたり。時には重い物を運ぼうとする老婆を、それを手伝おうとするやや小柄な青年を手伝うこともあった。 どこか満たされず、取り繕う日々は続く。それでも当たり前の日常を謳歌出来るくらいには、警察職でありながらも穏やかな時間が流れていた。 ある日の勤務終了後にそれは起きた。 規定勤務時間を少々過ぎ、早々にエントランスへと向かう。そこに娘の姿はなかった。 まだ学校だったかと思い足を伸ばす。既に帰ったという話だった。 初めて焦りを覚えた。 方々探し周り、冷静さを欠く頭が最後に弾き出した答えは「先に家に帰った」という陳腐なものだった。 それに縋るしかなく、一縷の望みをかけて扉を開けた。 そこには誰も居なかった。 ーーただ一枚の黒いカードが落ちていた。

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