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秋月 聡司(あきづき そうじ)　　 源氏名は『美月』 物心ついた時には、既に姉達の玩具にされていた。4姉弟の末っ子長男として生まれた聡司は、この世に生まれ落ちたその時から美しかった。歳の離れた姉達(3姉妹)に溺愛され、時には姉達の服でファッションショー、時には化粧を施されては姉達から『可愛い』と絶賛される、そんな日々を過ごしてきた。普通の少年なら怒るだろう。だが聡司は違ったのだ。姉達の手で更に美しさに磨きが掛かる自分。そんな自分を見て喜びうっとりする姉達。気付けば自ら進んで美を追求する道へと進んでいた。 その結果がオネエである。理由はいたってシンプルで、自身の求める『美』が女性性に集約されていたからだ。 聡司の中では、男だから・女だからこうあるべきと言うくだらない括りなどなかった。ただ自身の美しさを最大限に生かせるのが偶々女性的なものだったというだけ。 しかし、世間の頭は固かった。男でありながら女性的美を追求する聡司が異質に見えた。 聡司が高校2年生になる頃には、聡司に対する嫌がらせや所謂イジメ行為が目立つようになった。最初こそ『誰も自分の美意識についてこられない。元より理解してもらうつもりもないのだけれど』と強気だった聡司も次第に精神を病み不登校やがて退学。 そんな時、既に独立していた長女から『こっちにおいで。』と、姉が一人暮らしを始めた某都市へ足を運ぶこととなる。 世界はこんなにも広いのか。聡司の目には全てが輝いて見えた。姉に連れられ知った世界。自身と同じ様な境遇、経験した人々、自身と同じ思想を持つ大人たち。誰もその個性を否定しない。そこには聡司の生きやすい世界が広がっていた。 姉達の後押しもあり、聡司は自身を受け入れ肯定してくれるこの世界に足を踏み入れた。目くるめくオネエの世界に…。 そうして聡司は本来の明るく楽観的で、ちょっぴり(本人談)豪快でナルシストな性格に加え、どんな人も受け入れるという強さと優しさを身につけた。 余談にはなるが、元彼はプロレスラーで、よく観戦にも行っていた。別れた後もプロレス観戦は趣味として持ち続けおり、多少の心得がある。 『プロレスごっこって意外と楽しいわよ？どう？あたしと勝負してみる？(意味深)』 そしてオネエネットワークを舐めてはいけない。オネエは噂好きで情報通ばかりだ。 『ひととせ譚話』通過済

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