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海も枯れるまで　HO1砂浜に打ち上げられた。HO2に発見された。 モデル名「海斗」 小さい頃から、親に連れられてモデルをやっていた。 始めの頃はみんなちやほやしてくれるし、楽しかった。 あるとき、みんな僕の顔しか見ていないんだな、と思うようになった。 その役、そのモデル、別に僕じゃなくてもいいんでしょう？ それからはずっと地獄のような日々だった。 にこにこと、へらへらと、求められるままに表情を作って、演じて、それで僕の元に残るものは何もない。 気がつけばそこそこの売れっ子モデルになってしまって、初めは雑誌モデルだけだったのに、CM、バラエティ番組、ドラマ、密着ドキュメンタリーなどテレビのオファー、歌手デビューの話、色々な仕事の話が舞い込んできた。 やりたくない、もうやめたい、勇気を出してマネージャーに言ってみたが、「売れている今売らないでどうする」とろくに聞いてももらえなかった。 親も同じで、有名になった自慢の息子を失いたくないからか、やめることを許してはくれなかった。 家族で昔いった、青い海が見に行きたい。そんな願いも今や簡単には叶わない。 それからは、求められるまま、なんでもやった。 ただそこに僕の心はない。蛻の空の人形だった。 唯一生を感じられたのが、自殺を試みた瞬間だった。 腕をを一筋カッターで切りつける。 ビリビリと走る痛みが、滴る赤い血が僕が生きていると教えてくれる。 それと同時に、死んだあとへの希望と、不安も同時に押し寄せてくるのだ。 結局最後まで決めきれなくて、体に傷を増やしていくことしかできない。 これ以上増えたらマネージャーがうるさいな、とぼんやり思いつつ、身につける服の露出は少なくなっていく。 できることなら、あの大きな海と一つになりたい。僕を包み込んで、飲み込んでくれないか。 海も枯れるまで 52光年先のあなたへ 取得呪文 ハスターの召喚/退散

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