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月面研究所の研究員。 人と群れるのがあまり好きではなく、独りを好む。 自分自身のことを話したがらない。 勉強熱心で熱中すると寝食を忘れるタイプ。少し卑屈で皮肉屋。 旧家の出身。 地球ではAI研究とそれを応用した医療ロボットの開発に携わっていた。 結果として研究で功績をあげ、月面研究所への参加を推薦された。 趣味は音楽鑑賞。地球から持ち込んだ端末に大量に音源が入っている。 ヴァイオリンは幼い頃から習っていた。仕事の息抜きに好きなフレーズをヴァイオリンで弾いたりする。 今はもうあまり聞かれなくなった時代の曲が好き。クラシックやジャズなど。 同じ研究員の彼と生活を共にするうちに、誰かがそばにいる日常も悪くないと思えるようになった。 たった9歳で親を亡くし一族に追われ、幼くして天涯孤独の身となった少女がいたことを知っている。 よく似たその容姿から、親殺しの白い悪魔の再来だと身内に散々罵られ厭悪されて育った。 自身の出自と、体裁ばかりに目をやり人を見た目でしか判断できない連中を憎んだ。 大学進学と共に家を出たが、唯一の跡取りであった彼に生家の影はしつこく付きまとっていた。 月へと出立することを決断した際、戸籍を抹消されることを聞かされ、 どうせ死んだと同じならいっそ今までの怨みを晴らし人生をやり直そうと凶行に及んだ。 幼い頃より殺したいほど憎んだ人間を一人残らず手に掛け、彼は晴れやかな気持ちで地球を後にした。 「地球にひとつ未練があるとしたら、それは、もう雨に打たれることは出来ないということだけかな」 ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ 2020/07/25 シナリオ『月面世界』：生還 やっと見つけた居心地のいい場所は、泡沫となって消えた。 自分など、どうせ寂しさを紛らわせたいだけの都合のいい存在なのだろう、最初はそう思っていたはずだったんだ。 いつからこんなに心を占めていたんだろうか。愚かだよね、失ってから気付いてしまうなんて。 「今更、地球に帰ったところで僕の居場所はもうどこにもないのにね。 ———ねぇ、真那。いっそ、そっちに連れて行ってくれたらよかったのに」 2021/05/08 シナリオ『さよならを言いにきた。』(暗根さん作)：end C 手に入れたのは自由。僕らを隔てるものはもう何もない。 僕のかえりたい場所は、居場所は、お前の隣だけだって気づいたから。 ふたりきりで一番遠くまで行こう。ずっと、ずっと、ふたりで。 「愛してる、真那」

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