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樊国近隣の深い山中に存在し、朝貢関係にあった小国家『蘭』の国の第2皇女。 本名は白蘭瑛(ハク・ランエイ)。 母は妾だが、当時の蘭満の王の寵愛を受けてしまったために面倒くさいことに。 王位継承争いに食い込むことを懸念した本流の方々より齢7歳にして毒殺されかける。 がこの事件が起こった際に魔術師としての適正を見せ、一命を取り留める。 以後は宮廷魔術師の家系に引き取られ蘭の名を返して生活、エーラムにも国賓として留学することに。 エーラムでは己が命を守るための術として生命魔法を専攻し、順調に才を伸ばすなど人生の内で最も穏やかな時間を過ごす。 しかし、物語開始から1年前、閏影17歳の時に事件は起こる。 王位を継いだ義兄の黄蘭瑛(オウ・ランエイ)が樊国との朝貢関係の解消を宣言。 これに業を煮やした樊国は蘭への武力制圧を開始し討伐軍を差し向ける。 討伐軍に対する戦力は整えた蘭だったが、此処で大きな問題が発生する、この軍の旗頭を誰にするかである。 指揮能力ではなく象徴として、それ相応の家督を求めた黄は降下した義妹のことを思い至り、これを急ぎ召集。 かくして再び白蘭瑛の名に戻り指揮を任された彼女だったが、其処で見たものは地獄だった。 圧倒的物量を武器に地形の不利を物ともせずに攻め上る樊国の前に為す術もなく蹂躙される蘭の兵士。 勝利はおろか、生還すら絶望的となった戦場の中でついに彼女は禁断の決断を下す。 混沌災害の人為的発生である。 敵味方を無差別に巻き込んだ巨大災害によって、樊国は総指揮官と大半の兵士を失い、蘭も軍は半壊。 かくして戦争は樊国と蘭の間に巨大な混沌災害地帯を発生させて終戦をむかえる。 樊国は退けた、多大なる犠牲と共に。 この戦果を知った蘭の国は彼女を英雄として称えることも戦犯として処刑も出来ず、再度の留学という形で監査付き国外追放を行う。 国を追い出され、戻ってきたアカデミアでもアンタッチャブルな存在となっていた彼女が樊国の影に怯える金麦の街へ喚ばれた時、さらなる歯車が回り出す。

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