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（ たつみ ゆうか ） ＝＝公開設定＝＝ ぼんやりしているように一見見える。 「何を考えているかわからない」、それは生徒からよく言われており、話してみると人当りの良い女性。 絵の才能があり、油絵が得意。どうして絵の世界に入ったのかを知る者は少ない。 趣味はサプリメントの飲み比べ。 彼女の机にはノートがあり、そこに様々な種類のサプリメントの情報がある。 時折その情報を聞きに、主に女生徒が美術準備室にやってくる。 ＝＝以下、ソープスクールHO４の秘匿バレ＝＝ 【HO４：何を考えているかわからない】 　わからないのは自分である。自分は妹を、実の妹を愛してしまった。 故に心配した。故に過保護に接しようとした。しかし、そうすれば学校での彼女の立場が危うくなると、 それ以上に、自分自身が妹に嫌われてしまうのではないか、と。だから一線を画した。 「自分は唯の姉であり、唯の教師である」と。自分が隠せば「無かったこと」になるのだから。 　専攻は美術。油絵が得意である。アトリエを構えており、その地下室には妹を題材にした絵画を描いては飾っている。 笑顔・泣き顔・怒った顔・恋をしている顔・性的なもの。後半は自身の妄想ではあるが、兎に角沢山、沢山絵を描いて飾った。 彼女の顔が好きだから。彼女の声が好きだから。妹でなければ、同性でなければ、きっと気持ちを伝えていただろう。 殺人・食人・近親相姦は人類の三大タブーだ。だからこの気持ちは抑え込んで、無かったことにして、優しい姉を演じた。 ――それでも、妹は自分に何も伝えてはくれなかった。 　入院していたころは目を瞑っていた。何もなかったからだ。 ある日看護師がくれたスケッチブックと鉛筆。それが自身の運命を変えた。 最初は空想上の、それこそ幼稚園の頃に描いていたお姫様や動物たち。それがいつしか、実在するものに変わっていった。 看護師の似顔絵、それから――お見舞いに来てくれていた妹の似顔絵。 その頃だっただろうか、妹に家族間で持つべきでない感情を抱いたのは。 一度自分は声を荒げた。スケッチブックのページを破り割いた。そのとき叫んだ言葉は今も覚えている。 「　あんずはこんな顔をしていない！　」 それから自分は絵を勉強した。その中で一番しっくりきたのが油絵だった。 「　あぁ、これならあんずを、あんずを描ける　」 と。病室のベッドを、自分の手を、汚してただ一心に「　あんずを描く　」ということを目標に筆をとった。 　――その腕を買われてか、妹の居る学校の非常勤講師として美術教師となった。 　彼女が亡くなって心が壊れたのかもしれない。自殺。自殺？と一度真っ白なキャンパスに赤をぶちまけた。 床に置いたキャンパスに彼女はバケツを投げつけるように。油絵ではなく絵の具を、ペンキを、感情のままに当てた。 そして踏みつけた。靴が汚れるのも気にしなかった。 「　あんずが自殺なんて、そんなの嘘。嘘に決まってる。あんずじゃない。あんずじゃないあんずじゃないあんずじゃない　」 　まるで壊れたカセットテープのように、うわごとを繰り返しながらキャンパスをボロボロにした。 自殺なんて何か原因がないとするわけがない。原因を探りたい。原因を見つけて、殺したい。そう思ってしまった。 「　……駄目。殺しちゃだめ。そんなことしたらあんずは悲しむわ。あんずは、わたしが人を殺すことを望んでなんかない　」 「　…そう、ね、そう。殺さなければいいの。死ぬよりもつらい目に合わせてやりたい、できるかどうかは……、 　　……違う、違う！できるかどうかじゃない、やるしかないの、殺してあんずに会わせるわけにはいかない、から　」 　足元で最早原形の無くなったキャンパスを見つめ、瞳からハイライトをなくしていく。 　――「　巽先生って、何考えてるかわからない　」、わからないのは、自分自身だ。 　趣味：サプリメントの飲み比べ 各社のサプリメントを飲み比べ、味や効果を事細かにノートに残す事が趣味。 あんずの事を見つめるために目がよくなるサプリを試した。昔彼女が風邪をひいたときに差し出したのが始まりである。 彼女のために様々なサプリメントの効果を調べた。「あんずのため」という言葉を隠し、ただの便利なスクラップのようなものとして机に置いてある。 「〇〇社　鉄分：効果×　接種３週間　～～～～～」といった風だ。 ＝＝以下、ソープスクール本編のネタバレを含む＝＝ SAN43　生還 ～8/1　不定の狂気「強迫観念」　手を洗い続ける 現在は施設で妹と母親との三人で暮らしている。その妹と母親は作られた記憶であることを彼女は知らない。 「　ずっとお姉ちゃんよ　」そう言って。その妹に対する恋愛感情はなく、「姉」として暮らしている。

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