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(みさき ひろと) 内科医として海辺の町で生活している医者。 非常に患者思いで、どんなに些細なことでも親身になって話を聞く。 医者としてのスキルも並み以上で、患者一人ひとりに真摯に接する。 『こんなお医者さんがいたら』と世間の人間が思う"こんな"を集めたような人間。 医療や患者、ひいては町の人間に対して熱心な姿勢を見せるが、 発言や行動の端々に、時折不思議と、諦めとも取れるような空虚さが感じられることがある。 性格は温厚で優しく、『献身的』という言葉がよく似合う。 人と話す際はいつも軽く微笑むような表情を浮かべている。 医者としても人としても、人一倍の向上心があるのに対して、競争心は皆無。 人と競い合うことがあまり好きではなく、どこかで必ず誰かに歩幅を合わせてしまう。 人間性としては押しに弱く意思が揺れ動き易いが、 医療に対する姿勢にだけは一本筋が通っており、頑として譲らないものがある。 それ故に、本来はあまり融通が利く方ではない。 1年程前までは都心の大学病院に勤務しており、医者として勤める以前は研究者として籍を置いていた。 しばらく研究員として医療に携わった後、 「自分の目で患者さんを見なければ分からないことが沢山ある」と思い、研究員から医者へ転向した。 医者となった現在でも研究者としての意識は強く持っていて、 今でもどちらかと言えば研究をしている方が好き。 研究のし易さという点では大学病院の環境を好んではいたのだが、 組織形態や、周囲の医者の患者や医療に対する極度の技術・出世主義的な冷酷さに、自分との乖離を常に感じていた。 本人は決して口にしようとはしないが、 大学病院から小さな町に職の場を移した理由は不倫が原因の更迭。 教授の娘で尚且つ医局内に結婚相手のいる女性が不倫相手だった為、医局から追い出される形で遠く離れた町へとやって来た。 強い奉仕精神を持っていて、"相手の全てを受け入れること"、"相手の思いに応えること"、"尽くすこと"が愛なのだと認識している。 それが良い方向に転ぶことも、悪い方向に転ぶこともどちらもあるが、図らずも後者の方が多いというのが現実。 求められると拒否することが出来ず、 不倫関係に陥ってしまったのも、相手の思いに応えなければという考えと衝動ゆえ。 誰に対しても"見境の無さ"ともとれる献身・優しさ・奉仕の精神をもって接するが、 患者に対しては『もうどうすることも出来ない』と悟ると、それまでとは反対に、意外なほど簡単に手を放してしまう。 手を放した後は、対する際のすべてが『人を見送る優しさ』へと変化する。 その見境の無い献身と人を見送る優しさとの差が時として、医療従事者特有の冷酷さを増して感じさせてしまう事がある。 中学・高校時代に入っていた部活は野球部。 「仮入部だけでやめるのも申し訳ない」という理由での入部で、特にこれといって野球に興味があったわけではない。 しかし、野球の腕は一向に上がらず、6年間ベンチを温め続けていた。 本人としても、どちらかと言えば試合に出ることよりも応援する方が好きだった。 好きなものは研究と人の笑顔、加えて散歩と読書。 苦手なものは、頼まれごとと『こちら側のどこからでも切れます』。 困った時や考え事をする時に軽く頭を掻く癖がある。 『精一杯を尽くす』が信条。 すぐに人を信用する。 騙され易いというわけでは決して無く、自分の意思で"信じようと"する。 『信じたい』『信じるべきだ』と思えば、たとえ先が見えていようとも相手や周りを信用する。 《シナリオ》 『選択とその代償』 　・海の藻屑　不定の狂気<奇妙な性的嗜好>：5ヶ月間 　・絡み合う運命 　・輪廻の輪へ還る道　永久発狂 『君よ影に候え』/ SAN+25により、正気を得る。 ──── 「彼のすべて」とも言えるその他者に尽くす姿勢や献身的な生き方は、 きっと仲間とあまたの困難を乗り越える中で、幾度となく良い形に転んだはず。 仲間の命だって、その手で救ったはず。 しかしそれは、身を焦がすほどの恐怖の前では無意味だった。 全てが終わった今、彼は今までの医者としての自分の在り方に苦痛を覚えるだけ。 誰かの笑顔を見ることも、 誰かの笑顔のためにその身を尽くすことも、 誰かに自分の笑顔を向けることも、全て、もう彼にとっては苦痛でしかない。 でも、それが誰かを救った、全てを賭した献身の果ての結末なのだから。 全てを失ってまで求めた結末なのだから。

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