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「日々湧き上がる言の葉たちを、あといくつこの世界に留められるのかな。」 謎多き文士。筆名:小鳥遊 秋(たかなし しゅう) 助手が失踪したり狂ったりしたら原因を突き止めるべく探索者となるかもしれない。逆に言うと奪われない限り彼が探索者化することはない。 興味のあること以外はなおざり。多分趣味は人間観察とかじゃないかな。人間に限らず観察が好きそう。解剖とかまじまじと見たがるタイプ。何この人怖い。 助手のことは気に入ってる。雛鳥の成長……というより、怪我した鳥の回復を見守ってる気分かな。でも、日々成長する彼を見てさみしいとも思ってそう。 時代背景的に戦闘技能はあるだろうなぁ……。 昔好きな女性がいたが……。 ・作風 怪異を絡めた不思議な話が多い。純粋なミステリーではない。 「人の心が視える男の一生」「殺されてしまった男が幽霊となり復讐を目論む話(ただし紆余曲折あって切ない系)」 など、そういった人間模様を描く。 ただ、一作だけいつもの彼とは違う恋愛物の作品があり、 「真っ赤な地域に迷い込んだ男性がその土地の女性に恋をするが、結局その女性とは結ばれず、紆余曲折あって脱出するしかなくなる。脱出後気になり再びその地域に行こうとするが、地図には載っていない地域であり、記憶を頼りに捜索しても二度とたどり着けなかった。」 という内容だが、この作品の真意は彼のみぞ知る。 ◯余談:PC1「久遠律」との違い ・何故か調の方がはっきりとした学者口調で話す。 ・抽象的に例えると 律は檻の中に入った生物に何もせずただひたすら楽しそうに見ているタイプだが、 調はそこにあれこれ手を加えたり分解(バラ)したりして観察するタイプである。 ○とある物語 男がある書生と出会うより随分昔の話。 男は気まぐれで『地図にない村』、所謂何処にもない場所を探そうと紅い森を彷徨っていた。 彼は重大な事柄さえ気分で決める、そういった人物である。 神の気まぐれか、殆どの者が辿り着けない、或いは辿り着いても戻ってこないとされるその曰く付きの土地に男は辿り着いた。 その土地は見渡す限り紅かった。紅は男の目には蠱惑的に映った。 『地図にない村』もとい、来待村の人間は彼を歓待した。「まれびとだ」「御廻様だ」と。 伝え聞いた通りだ、と思いながらも、歓待を受けるのは悪い気分ではなかった。 そして、その土地で彼は運命の出会いを果たした。 燃えるような恋とはよく言ったものだ。 しかし、ある時ふと男は我に返った。 この村の閉鎖的で、狂信的な雰囲気に恐れをなしたのだ。 彼は村からの脱出を決意した。 そこからは大変だった。 来る者は拒まないが去る者は決して赦さない。 一度企みがバレ監禁されるも、命からがらなんとか生還することができた。 ——御杖代の案内がないと迷ってしまう土地から何故脱出できたのか？ それは、男には協力者がいたからだった。 その協力者こそ、御杖代であり、彼が愛した人物だった。 男の女に対する炎は脱出の際には弱くなっていたが、別れ際、男は女に聞いた。 「一緒に来ないのか」と。 女は云った。 「この土地を見捨てることなどできない」と。 その言葉を聞くと、男は踵を返し、二度と振り返ることはなかった。 それからしばらく時が経ち。男はふとその出来事を思い出した。 あの村、あの女はそれからどうなったのだろうかと。 男は再び気まぐれでその村を垣間見ようとした。 だが、男がその村に辿り着くことは二度となかった。 その村が、その女がどうなったのかは………杳として知れぬままだ。

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