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クトゥルフ PC作成ツール
蝶野煉
ID:4543042
MD:dbebcfb1eb1f4ade64ee8bbfcee9b5f4
蝶野煉
タグ:
鰯と柊HO鰯
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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初期
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幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
名前:蝶野煉 性別:男 年齢:23歳 誕生日:2/29 一人称:私(俺/煉) 二人称:貴方 性格:帰属意識が強い/規則はあったら守る ⇒自分のテリトリーを守ることに義務感すら覚えている。異物はなるだけ排除したい。言いつけられたことには納得すれば従順。我教祖ぞ!とかはあんましない。 趣味:裁縫/パッチワーク 好きなもの/こと:同じ目線で話すこと/団欒 苦手なもの/こと:上下関係 家族構成:父(故人)/母(故人) 職業ベース:宗教家 職業技能:オカルト/聞き耳/経理/心理学/説得/図書館/歴史+言いくるめ/信用/他の言語(漢文,ラテン語など)から一つ選択 ⇒信用を取得 特徴表: 2-04:愛書家 ⇒あらゆるジャンルの蔵書を持っている。<図書館>に+20%。さらに図書館へ出掛けなくても、自宅の書庫で<図書館>ロールが可能になる。 4-08:大切なもの(D) ⇒他人には価値のないものだが、大切な品物をいつも身に着けている。失った時、1/1D8の正気度ポイントを失う。 ⇒1d6=4/興味ポイントに40P追加 ▶両親存命時、家に帰りたくなくて少しだけ寄り道をした時に偶然見つけたテディベア。名前は「ふあふあ」。いまでも継ぎ接ぎして大事に持っている。 【秘匿内容】 HO鰯 : あなたは拝掌教の教祖だ。 あなたには神が憑いている。 あなたはネグレクト家庭で育った。ろくでもない親の元で、あなたは幾度となく死にかけることがあっただろう。 その度あなたは、いるかどうかもわからない神に祈った。この境遇から助けてくれと。 ある日、あなたの両親は通り魔に刺されて死んだ。 それには動機も何もなく、まったくもって不運な事件だった。そうしてあなたは孤児院へ預けられることとなり、幸いなことに最悪の家庭環境から脱することが出来たのだった。 それからだ、あなたにはどうも神が憑いているらしい。 孤児院で出会ったHO2は同じような境遇で、一時的な保護が明けてしまえば彼/彼女は家に帰らねばならなかった。幼いあなたに救う方法があるはずもなく、あなたは自分と同じように「自分を救ってくれた神様に祈ろう」と彼に提案した。 その翌日、HO2の両親は行方不明になった。 それが噂を呼び、あなたの元へは次々に人が訪れるようになった。 最初は孤児院の子供たちが救いを求めてやってきた。あなたが育つにつれて、それは外部へと広がっていく。 あなたの祈りは、人を救った。と同時に、見知らぬ誰かを消した。 原理などわからない。神がいるのかどうかもわからない。最初こそ偶然かと思っていた現象だって、十も続けば必然と判断するには充分だった。そして、あなたが引き起こし続けた奇跡は周囲に信者を集めるにも充分だった。 そのころにはすっかり、後戻りができなくなっていた。 あなたはいつしか「神の子」と呼ばれ、集まった信者たちによって作られた宗教団体「拝掌教」の教祖として担ぎ上げられることになる。 あなたにはもう、後戻りが出来ない。 あなたに救いを求める人間は日々増えてゆく。あなたに救われた信者たちは、いつの日かあなたが地上に楽園を齎すと信じてやまない。 何よりあなたの周りに築かれたコミュニティは、家族の居なかったあなたにとっては最早家族同然となってしまった。 あなたは何より、現状の崩壊を恐れている。 それは存在すら確かでない神によってもたらされるかもしれないし、信者の増えた新興宗教団体を怪しんだ一般市民や警察によるものかもしれない。 〈 祈りについて 〉 相談者の額に向けて掌を掲げながら「他者に虐げられた相談者が救われるように」と神に祈るだけ。 それで加害者は行方不明になる。現在まで行方不明になった人間は見つかっていない。 現在では週に2~3日、一日につき4~5人の相談者が教団まで訪れる「相談会」が行われている。ここに訪れる相談者は、教団幹部の「鬼灯」という男が事前に選定している。 あなたは神に祈りを捧げる度<1d3>点の正気度を喪失する。尚まとめて行った場合でもこの正気度喪失では一時発狂を発症しない。 〈 神の加護 〉 あなたが持つ祈りの力を、信者たちは「神の加護」と呼ぶ。 敬虔な信者には同等の力が与えられると(いつの間にか)されていて、集まった信者たちは毎朝熱心に祈りを捧げている。 最近、HO2があなたと同等の力を得たことにより、相談者の数が半分になった。あなたは増え続ける相談者のせいで最近まで随分疲弊していたが(正気度喪失によるもの)これによって幾分か楽になっている。 推奨技能:目星/聞き耳/図書館/信用 【PC概要】 成長期が来なかった拝掌教の教祖(23)。 頼まれたら大体のことをいいよ〜(適当)って言うから鬼灯さんが管理システムを作り始めたという噂がある。真偽やいかに。 ヴェールを被っているためよく見えないが、いつも口元がニコニコしている。きっと信者のために笑みを絶やさないようにしてくれているのでしょう。嘘、目が死んでるから隠してるだけです。 NPCがされて喜びそうなことをしたい。教祖様は案外俗物的。そりゃそう。ちょっと変な力を手に入れた一般人を祀りあげたのがこの教団の中身ですから。面倒なことも好きでは無いので、ボロが出ないように素敵な教祖様を演じている。誰の前でも。 みんなと同じ椅子に座ってお話したりご飯食べたりするのが好き。ほんとは一緒に寝たいけど流石に...と我慢している。 一人ぽっちが嫌い。 友達はテディベアのふあふあ。いつもいっしょ。礼拝の時も隣の椅子に座ってる。安全毛布みたいなもの。 「人間は幸福の中では祈りません。祈れません。 満ち足りた人生に祈りは必要ないのですから。 不幸であると、そう自分を定義することができるようになって初めて、己より上位のものに希うのです。 『救ってください』『この状況からすくい上げてください』と。 すくい上げるなんて、自分より上にいるものにしかできないのだから当たり前なのですけれどね。 そして奇跡を目の当たりにし、人はよりいっそう神に祈るようになる。 信仰とはこうして生まれます。 信仰は不幸から生まれいづるのです。 あなた達が不幸であることは、いずれ訪れる幸福への足掛かり。決して無意味なものではありません。 祈りましょう。我々の祈りこそ神への供物。 捧げましょう。我らが神に。この祈りを。願いを。」 「人は幸福の中では祈らない。だからこそ、カミサマは人間を1度不幸のさなかへとたたき落とし、自らの腕へと誘う。供物はきっと、祈りなんかじゃなくて消した人間だよ。とんだマッチポンプだよね、ふあふあ」 以下、大変筆が乗ってしまったため隔離した過去深堀 ほんとに馬鹿みたいに長いので読まなくていいです。 できちゃった結婚をした両親から生まれた。夫婦仲は大変良好だったが、結婚した経緯が経緯だったため実家から勘当されている。父親は太目な実家で育ったため金銭感覚が緩く世間知らず、母親は恋に盲目なお花畑在住の人間だった。二人揃って子供のことを「ふたりの愛の副産物」程度にしか考えていない。そんな人間たちがまともな生活を送れるはずもなく、結果、金無し責任能力なしの大きな子供によるパーフェクトネグレクト環境爆誕。大した貯金もないのに外面だけ気にして借金もしていたらしい。 〈新生児〉 お母さんは育児のストレスで母乳ちょっとしか出なくなって、最初はミルクとか飲ませてたのに父親の必殺「子供は母乳で育てなきゃ」でミルク飲めなくなった。慢性的な栄養不足と水分不足により衰弱、免疫力の低下や成長速度鈍化が見られる。寝返りするのもめっちゃ時間かかった。 その後の離乳食も親の食事をミキサーにかけただけのものや、スナック菓子をお湯でふやかしたものを平気で与える親だった。だって子供用にご飯用意するのめんどくさいから。無料の検診しか受けないし、検診で引っかかっても医者に嘘つくのうまかったんだろうなって思います。あと死なない程度にご飯を食べさせる才能があった。二度と子供を作るな。 〈幼児期〉 栄養面での問題から体が弱く体力もない。呼吸器に若干の難あり。体調不良がデフォ。病院はほとんど行ったことないと思います。というか生保入ってるのか...?両親の言動の邪魔をすると人格否定を含めた罵詈雑言をお返しに貰う羽目になるので、辛くなったら隠すのが1番効率がいいことを学んだ。必要最低限の発言しか許されなかったためか、思考のアウトプット能力に乏しい。泣いたら怒られる。喋っても怒られる。でも返事はすぐに返さないと怒られる。そりゃそうなる。無口(頭の中は賑やか)タイプ。 幼稚園や保育園にもいかなかった(いけなかった)。母親がパートに出かけている間は空調全切りの部屋に放置。扇風機はあった...かも...。 服もすぐサイズが変わるからという理由で全然持ってない。というかおねしょしなくなるまで時間かかりそうだし、押し入れにペット用おしっこシート置いてそこでずっとすごしてそう。 外に出なきゃいけないん時用の服が1着あるくらいだけど、そもそも外に出されない(そこまで気を使われていない)。 煉のためにご飯が用意されたことは無く、お父さんが残したものとか、ちょっともう食べれないかなみたいな部分を床で食べてた。ちなみに誕生日も知らない。 〈7歳〜〉 義務教育だったのでなんとか入学することが出来た。ランドセルはメルカリでくっそボロボロな安いやつを買ってもらった。はじめて目に見えて自分のために買って貰えたものだったのでめちゃくちゃ喜んだ。 いつもぼけ...としてるのに話しかけると急にニコニコ顔になるのが怖すぎていじめられていた。足遅いし体力ないから小学生がやる遊びほぼ全部できないし。あだ名は「幽霊」「女男」。何されても怒らないし、なんでも言うこと聞く(反抗は罪なので)から本当にいいカモだった。給食に虫入れられても表情1ミリも変えずに全部食べてた。給食食べないと明日までご飯ないし、今更虫程度何も気にしない。でもクラスの女子が怖すぎて泣いてた。上から水をかけてくるとか、泥の中に落とされるとかされた時だけすげえ悲しそうな顔をしていた。服を汚して無駄な労力をかけさせることでこの後怒られが確定したため。いじめっ子の何人か顔赤くなってたらしい。 また、家に帰ってもいいこと何も無いしいたずらに光熱費を使うだけなので、児童館やら図書館やらで時間を潰していた。この時本のことが好きになっていたりする。ただ、何故か色々な人からジロジロ見られるので自然と人目につかない場所を探すようになった。 結果、行きついた場所は遊具がひとつしかない公園の奥。こっそりものを捨てるには最適なところだった。そこでテディベアのふあふあと出会う。 座高60cmくらいの大きめボディ。 ふあふあだけは自分が喋っても怒らないし、自分が喋り終わるまで待ってくれたので、煉はふあふあのことが大好きだった。唯一の友達。当時の煉の脳内ではまじでふあふあちゃんは喋っていたので会話をしていた。人と話したいという煉の欲求が、ある種別人格のようなものを生み出していたものと思われる。 いじめはずっと続いていて、物を隠す壊す捨てられるを一通りされたけれど、ランドセルを窓から捨てられた時1ミリも躊躇なく窓から飛び降りる事件を起こして誰も近づかなくなった。 ちなみに、飛び降りたのが2階だったのと、下に植物いっぱい生えてたから大きな怪我は無かった。流石に事件すぎたので全員の両親呼ばれていじめの再発防止云々の話し合いがあったので、両親はこれ幸いと被害者ヅラをしまくった。 挙句、「息子はいじめにより心身ともに傷ついてしまい...」とかほざいて学校に通わせてくれなくなった。学校行かなきゃご飯食べさせてないのバレにくいし、服も買わなくていいし、学校行事に参加する必要も無いから。学校側はいじめがあったという事実を認めている以上、無理に登校しろとは言えないのがみそ。最悪。 給食食べさせてた方が食費かからないと思うんだけどな。 1年生の後半くらいから不登校(不本意)になってしまったが、両親は四六時中家にいるという訳では無いので隙を伺ってはふあふあに会いに行っていた。外の方が食べられる草とかあるし、むしろそれをやらなければ餓死していた可能性もある。 そんな綱渡り生活を続けて3年ほど経ったある日。 その日は酷く雨が降っていた。今まで見たことがないくらい激しく、ザアザアと。 いわゆる台風と言うやつだったが、知恵も知識も持ち合わせていない煉には分からなかった。 ただ、大切な友人(ぬい)が危険だと思った。 この雨では両親は早く帰って来てしまうかもしれない。それでも、ふあふあが飛んでいってしまうことが怖かった。 煉は家を飛び出して、ふあふあを助けに行った。助けに、と言っても家の中に入れてあげようと思っただけなのだけれど。そうしてなんとか家まで運び込んだところで気づく。父の靴がある、ということに。タイミングが悪いどころの話ではない。そして不幸とは立て続けに起こるものだ。 会社勤めを続けていたと思っていた父は、とうの昔にリストラされていたのである。見栄っ張りなきらいがあった彼は母にすらこの事実を隠し、会社に行っているフリをしていた。今日はぶらりとするには悪天候が過ぎたため、早めに帰路に着いたのだ。 さて、目の前にはルールを守った息子が1人いた。 思い通りにいかない現実と、親のいいつけすら守れない息子。人間の理性の糸とはこんなにも脆いのか。成人男性からの暴行に、二次性徴すら来ていない子供が抵抗できるはずもない。あまりにも一方的な蹂躙は、煉の根底にトラウマを植え付けるには過分にも程があった。両親への子供の純粋な信頼も、唯一の友人も、何もかもを踏みにじられたのである。嵐は、母が帰宅するまで続いた。母は「殺したらパパが捕まっちゃう。殺さない程度に飼うって決めたじゃん!」と言って父をなだめた。 度重なる飢餓には耐えられた。それが彼にとって当たり前だから。 両親から普遍的な愛を与えられないことだって平気だった。家に置いておいて貰えるだけで幸せだと信じていたから。 だが、この痛みにはなんの意味があるのか。 煉ははじめて恐怖と、そして己の愚かさを知る。 もはや布と綿と化した友人だったものを必死に拾い集めて、彼の温みだけを命の導にした。 父も母も、いや、大人は何も信じられない。 真っ暗な世界の中で、ふと昔聞いた話を思い出す。 「かみさまにおねがいするとね、ねがいごとをかなえてくれるんだって」 これを言っていたのは誰だったか。 名前を知らないクラスメイトか、それとも。 いや、そんなことはどうでもいい。 カミサマなんて知らないしみたことも無い。でも、もしそんな人がいるなら。こんな、誰にも見て貰えない自分の願いすら聞き届けてくれる人がいるというのなら。 「助けて。煉とふぁふぁを、ここから出して」 そして祈りは届き、願いは果たされる。 珍しく両親が数日帰って来なかった。 家のものを勝手に食べては叱られるだけなので、押し入れの中で小さくまるまって寝ていたが、突然家の中が騒がしくなる。 大人の声がした。家に誰か来ても決して顔を出すなと言いつけられていたから、必死に声を押し殺し、存在を気取られぬように努めた。が、存外すぐに見つかってしまう。 大人たち(警察)は煉の姿に大いに戸惑い、保護した。 異常に細い手足。身なりは決して清潔とは言えず、何より書面の年齢から想像される姿と比べてあまりにも小さかったからだ。 両親は通り魔に襲われた哀れな被害者から、ネグレクトを施した毒親として報道されることとなった。 かくして、煉の世界は開かれたのである。 それ以降は程よく(?)孤児院でも孤立しつつ、学校に再び通えることになったりした。 孤児院の先生がふあふあを治してくれたので、そのまま裁縫も習う。知らないことを知るのは楽しい。 図書室や図書館にも自由に行き来出来るようになったので許される限り入り浸った。授業はちゃんと出たよ。算数の遅れを取り戻すのは本当に大変だった。 小学校にはふあふあを持っていけないので仕方なく置いていっていたけれど、修学旅行はサボった。丸一日会えないことには耐えられないので。 孤児院での生活にはすぐに慣れたけれど、やっぱりいつもにこにこしてぬいぐるみに話しかけている人間は浮く。親元にいた頃より体調を崩す頻度は減ったが、やはり体は弱い部類だった。ついでに胃が縮んでしまっているため食も細く、またご飯が食べられなくなることを恐れて最初は3食取ろうとしなかった。量を少なめにしてもらって何とか食べている。 そんなこんなで小学校を卒業して中学校。 孤児院から1番近いところに通って、友達は出来ずにやっぱり図書室の主をしていた。部活には絶対入らなければならなかったので、文芸部の幽霊部員だった。 〈14歳~〉 気ままに過ごしてあっという間に14歳。孤児院に新顔が来た。HO2というらしい。 噂によるとどうやら自分とそっくりな境遇のようで、その上お父さんとお母さんが存命だと言う。心底困っているらしかったので、夜中にこっそりカミサマのことを教えた。 「煉もね、お父さんとお母さんが怖かったんだけどね、カミサマに助けてって沢山お祈りしたら死んじゃったんだ。だから、HO2もお祈りしてみるといいよ」と。 ほんの少しの共感だったが、自分と似てるなんて他人に思ったことがなかったから。ついお節介をやいた。 一緒にお祈りをして、 そしてまた1組の夫婦が死んだ。 代わりに煉はHO2と少し仲良くなった。 次にどこから漏れたのか、真菰幽々がどうやったのかと聞いてきた。最初はお祈りをすればいいんだよ、と教えたけれど彼の力だけでは叶わなかった。仕方なく「こうするんだよ」と煉も祈ると、また1組。 そこでやっと「自分の祈りは、普通の人間の祈りとは違う」と気づいた。が、時すでに遅し。 噂とは簡単に広まるもので、ましてやここは孤児院。 親を失った者だけでなく、現在親に命を脅かされ保護されている子供だっている。1人、また1人と希う者が煉を訪ねて来ることは想像に難くない。煉は自分から直接他の見に来た人間にのみ、一緒に願う事にした。人と話すことはあまり得意では無いのでたまにHO2やゆゆの力を借りて人だかりができないようにもしてもらった。 祈る度、願う度、ものの見事にある時は親を、ある時は兄弟を、またある時はクラスメイトを。失踪したり、通り魔にあったりと様々な原因で死んでいく。 人が死んだというのに、みな口々に煉に感謝を述べるのだ。その様子が怖くて、ふあふあやHO2、ゆゆの後ろに隠れることも増えた。 同時に、この頃からふあふあはあまり話してくれなくなっている。 高校に進学する頃には、噂は孤児院以外の場所にまで広がっていた。このことを、HO2もゆゆも悪いようには思っていなかったと記憶している。知らない人のことを助ける必要を感じなかったので、最初は気にしなかった。が、孤児院や学校にまで着いてきて叫ぶ人間が出てきてしまい、HO2やゆゆ、孤児院の子供たちにも迷惑がかかるようになってしまった。 困難にぶち当たった人間は、自分が不幸だと思っている人間は、それを解決する手段を見つけた時が1番恐ろしい。 どうしたらみんなに迷惑をかけないでいてくれるだろうか。必死に考えて、結局出た答えは 逆らわないことだった。 望むものには与えた。自分に向いている矛先ならば、全て受け止めてしまえばいい。祈りに代償はある。そもそも、自分が誰かを直接殺している訳では無いからこの力への理解なんてない。 わかっていることはただ1つ。 自分はきっと、神へのメッセンジャーなのだ。 いつしか神の子、なんて呼ばれるようになったけど。自分は父と母から生まれた普通の人間で、あくまでカミサマにこの人間を殺してくださいと願っているだけ。 日に日に精神は摩耗していく。唯一だった友人は、いつしか話しかけてくれなくなってしまった。 代わりに幼なじみと呼ばれる友人を得た。 幼少期に与えられなかった親愛の情を、平等な食卓を、等しい目線で言葉を交わす権利を得ることが出来た。 それだけで満足だった。 高校を卒業する頃には、教祖として祭り上げられていた。元々大学に行くお金なんてなかったけれど、それはさすがに聞いていない。 幼なじみ達もどうやら1枚噛んでいるらしいが、真相は分からなかった。 自分は、同じ目線に立ってくれる友人が欲しかっただけなのに。 敬語なんて嫌いだし、崇められるのだって好きじゃない。でも、もうやめてって言えないんだね。 じゃあ、いいよ。煉が、俺がきっかけなんだ。俺が始めたこと。 ここは確かに居心地がいい。守りたい気持ちだってある。みんな暖かくて、いい人ばかり。こういうのを家族みたいって言うのかな。俺には勿体ないくらい。 ここが俺の居場所だよ。ここがなくなったら、俺はきっとどこにも行けないから。 最初に知らない人を助けた時から、自分がやるべきことは決まっていたんだ。 みんなが望む教祖様になろう。 俺は、私は、運良くカミサマに救われたから。それはきっと、このためだった。もっと、もっともっともっと。色んな人にカミサマを知ってもらわなければなりませんね。あなたの今は、きっと神に出会うためにあるんですよ。 さあ、祈りましょう? 〈教祖業について〉 身内に迷惑かけず、みんなが望むように動いて満足するなら神の子でも教祖でもなったるわ!おりゃ!て感じで一人称とか喋り方とかもお祈りの時は変えてる。というかあくまでこれが素ですよ〜って面してる。 最初は乗り気じゃなかったけど、やるなら中途半端は嫌だった。みんなが信じているって言うなら、自分もみんなが望む教祖様になってみんなが幸せだと思えるようにしてあげなきゃ!って感じ。 うんうん。皆さん痼が消えて1歩幸せに近づきましたね。 まだ欲しい? .....しあわせ、ですよね? 〈NPCについて〉 頻繁に親身に話しかけに来てくれたり、体調を気にかける素振りを見せてくれる人のことは基本的に大好き。 一緒にご飯食べませんか?一緒にお昼寝しませんか? あっちでお話しましょうよ〜🌷 〈一般信者のみなさん〉 元気だな〜!でも幸せそうだしいっか。 これからも頑張ろうね〜他人に迷惑かけちゃダメだよ〜って感じ。大々的な布教活動も出来ればやめて欲しいかな。 〈ふあふあ〉 (人と喋りたいという欲求がある程度満たされたため)もう言葉を交わすことはできなくなってしまった友人で親友。布の劣化とかは抑えられないけれど、もう落ちない汚れのところとかは新しい布に付け替えたり、萎んできたら新しい綿を入れたりしている。ツギハギだらけ。 もしかしたらもう一番最初のふあふあだったものはなくなってしまったかもしれないけれど、ふあふあはふあふあだからね。ずっと一緒にいようね。 長年の練習の末、裁縫スキルが上達。お洋服とかも作れちゃう。教団の服を作って「おそろい🌷」とかやってる。礼拝の時も一緒だもんね。 ふあふあの前でだけ敬語をやめる。 教祖である限り、もう彼以外に素で話さないんじゃないかな。素に戻るとそもそも喋るタイプじゃないし。 〈HO2〉 どういう人なのか分からないから現時点では言えないけど、初めての人間の友達。困ったことがあったら言ってくださいね。私は原因を取り除くよう神に願うことしか出来ないけれど、力になりますよ。 その力は精神的負担を伴うものなのですから、無理をしなくていいんですよ。あなたのしたいことをしてください。もし祈ることが嫌になったら、私があなたの分まで祈りますから。あなたまで、この箱庭に縛られる必要はないんです。 それでもここにいてくれると言うのなら、守ります。あなたも、この場所も。 自分の力を好きな人より、自分のことを好きでいてくれる人を大切にしたい。 でも、自分のことを好きな人はきっと、この力も含めて、いやこの力が好きなんだと思う。この力がなくなったら誰も必要としてくれないだろうから、もっと頑張らなくちゃ。 〈イメソン〉 「Love your enemies/分島花音」 ⇒『溢れた孤独に触れた指先 ここにはずっと欲しがっていたものがある 何が大切かなんてもうわかっているの本当は』 ⇒わ〜!!!!(スタンディングオベーション)(猿のおもちゃ) 【アーティファクト/呪文】 【遭遇した超自然存在】 【自陣】 HO2:https://iachara.com/char/view/4360712
※
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