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ロスト ＜柳 雪(やなぎ ゆき)＞ 一人称：わたし、雪 二人称：あなた 拾われてから明日で1年。 明るく穏やかな女性。疏の手伝いや家事をこなしつつ、週2～3日は近所のドラッグストアで働いている。 疏に拾われる以前の記憶が全くない。自分が何者なのか、どこから来たのか、なぜ倒れていたのか。当時は行く当てもなく、ひたすら不安で仕方がなかった。彼が名付けてくれた「柳 雪」という文字が、音が、彼女にとって唯一の救いであり、白紙の自分から逃れる希望である。名前を呼ばれると、嬉しそうに「はい！雪です！」と返事する。 ＜関係＞ ・佐々波 疏(さざなみ とおる)/「先生」「疏さん」 恩人であり家族のような存在。雪の空白を埋めてくれたのは間違いなく疏だろう。小説家である彼に影響され本を読むようになり、いくつか言葉も覚えた。彼の使う言葉の意味を知りたくて、インターネットや辞書の使い方を覚えた。いつかの自分のように彼が倒れてしまっても、看病できるよう知識を得た。彼をいつでも見つけられるように、彼が自分の名前を呼ぶ声を聞き逃さないように、目を凝らし耳を澄ませるようになった。 今の雪を形作る、あらゆる全ては、彼と過ごしたこの1年間にある。 仕事中は邪魔をしないよう、呼ばれない限りは声をかけず見守っている。お茶を淹れたり、甘味を持って行ったり。家事の合間に、こっそり疏の姿を覗き見ては微笑んでいる。彼の作業がひと段落したところを見計らって声をかけに行く。先々月あたりから料理を許されたため、張り切って勉強中。美味しく栄養のあるものを食べてほしい。 いつ何を忘れてしまうか分からないと思っているため、伝えたいことは今のうちに、意見は積極的にぶつけに行く。が、割と正論ブレードでぶった切られている気がする。多少粘ってみたりもするけれど、最後は大体雪が折れる。 いつか、自分の本来の名前と居場所を思い出し、彼と別れる日が来るかもしれない。その時は、改めて恩を返しに尋ねたいと思っている。 ＜苦手・弱点＞ ・虫。見つけたら固まる。 ＜好きなこと＞ ・名前を呼ばれること。 ・メロン。 ＜その他＞ ・雪柳 【通過シナリオ】 『孖゛獄の虚星墜つ』 『hack』 ******************************孖゛獄の虚星墜つ通過後*********************************** 彼女の命は、残り数か月。 来年(2021年2月14日)には、その身体が動かなくなることだろう。 それでも、疏の側で、最後まで「柳 雪」として生きていく。 作られた命だからなんだ。残り僅かの命だからなんだ。 猫にひっかかれた傷も、人に殴られた傷も、同じ傷に違いない。 なら、同じことじゃないか。 生きよう。仲間たちに、隣の牢にいたあの子にも、ちゃんと言葉を紡げるように。 ああ、でも。 この人を、ひとりぼっちにしたくないなぁ。 今できること、私があの人に残せるものを、考えよう。 最後まで、貴方の側に。 いつか、もう少しだけ、名前を呼んでくださいね。疏さん。

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