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クトゥルフと帝國より　奉公人ベース カランコエ（紅弁慶）-あなたを守る、幸福を告げる、たくさんの小さな思い出、おおらかな心 べんけい　こうよう 代々財閥家に仕えている家系の末っ子に生まれる。 見た目が普通の人間とは違うことから異常としてみなされ、 この世に生まれたと同時に使用人として生きる道を、人生の大分を決められる。 そのため学業はしかり、使用人としての知識や振る舞いをとことん叩き込まれる。 好きなことを見つける余裕など当然なく、休む暇もない肉体労働。 いつしかほとんど世間の流行などに疎くなり物事を諦めがちになる。 こうしてまるで人形のような、指示を受けて頷くだけの機械的な幼少期を送る。 ある15歳を迎えた年。 ふとした時なぜ、自分はこんな生活を送っているのだろうと疑問に思った。 同年代の子供は皆、外で駆け回り友達というものを作ってあんなに楽しそうにしている。 しかし自分はただただ目上の人に頭を下げては、走り回るばかり。 所謂、反抗期という名の葛藤が沸き起こる。 自分の名前が嫌いだ、女のようで紛らわしく鬱陶しい。 自分の両親が嫌いだ、ご主人様と金にしか目がなく僕のことを何も知らない。 自分の顔が嫌いだ、怪物のような赤い瞳と白い髪が人々を避けて遠ざける。 僕の価値観はどんどん窮屈になり、次第に生きる気力を無くしていった。 もう潮時だろう。気づけば周りの大人たちが口々に愚痴を溢している。 僕は橋の上から空を仰ぎながらこの世界から降りる覚悟をした。 しかし、彼女は、違った。 打ち上げ花火のように大胆で、流れ星のように一瞬の煌き。 彼女は無邪気な笑顔を浮かべて、僕のすべてを好きだと告げた。 なぜここにいるのか。なぜそんなことを言われるのか。 全く思考が追い付かない。溢れて止まらない涙で前が見えない。 そんな僕に渡された小さな宝石が施されたペンダント。 彼女は再び僕に最初で最後の命令を告げる。 こうして僕は彼女の直属の使用人として生きる人生を選ぶ。 令嬢を命の恩人として敬愛している。 命を救った人間として、自分より先に死なれては困るため命をかけて護ることを心に決めている。 屋敷の人間において信頼しているものは彼女のみであり、 あくまで仕事上の付き合いによるポーカーフェイスを保っている。 正直なところ、令嬢以外に興味はない。令嬢が健やかに、華やかに生きていればそれでいい。 彼女の前では素の自分が出やすい。ほぼ敬語を使わないため、たまにバレないか肝を冷やす。 彼女の前だけでは素直に笑うことが出来き、喜怒哀楽がわかりやすい。 仕事は令嬢の身の回りの世話と家庭教師、護衛など。 あまりにわがままな命令は無視する。

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