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七草　識恩（さえぐさ　しおん） 自称フリーターだが主な収入源は違法な薬の売買。バイトは飲食店をいくつか掛け持ちしているが、他と比べてあまりシフトは入っていない。現在は薬物売買からは足を洗い、裏路地にあるバーによく顔を出している。 社交的でいつも笑顔を崩さない好青年だが、内心では誰も信用しておらず誰に対しても壁を作って接している。感情を抑えることに慣れてしまっており、感情の吐き出し方がわからない。それでも不自由なく暮らせている感じているため、そのことを気にしてはいない。 --- 物心つく頃には両親はおらず、ひとり立ちするまでずっと親戚の家をたらい回しにされてきた。腫れ物扱いされるのはずっと居心地が悪かった。 義務教育を終えてからはその窮屈な環境から抜け出すために一人暮らしを始めた。バイトでやりくりできるほど器用じゃなかったため、一時の気の迷いから犯罪に手を染め、運悪くそれで生計が立てられるまで稼げるようになってしまった。 手を染めたのは違法な薬の売買。大学時代に世間体を気にした親戚によって薬学部を勧められ通っていたため、知識は人よりもあった。また、親戚をたらい回しにされる過程で嫌でも交渉術は身についた。現在も続けているバイトは犯罪に手を染める前の名残。 薬の売買は誰かに無理やり売りつけるようなことはせず、持ち前の交渉術で買うように促す。買わせることよりも求められることに価値を感じているため、犯罪とはいえ誰かを無理やり陥れることは望まない。ただし、自分の身の安全が保証されない場合はその限りではない。 --- ずっと独りで過ごしていたが、ある日気まぐれかひとりの少女を拾った。彼女に名前と居場所を与え、彼女からは人の温もりを教えてもらった。 ただ、それはすぐに消えてしまった。この世界へ引きずり込んでしまったことで彼女を失ってしまったことに深く後悔し、ずっと彼女の温もりが忘れられずにどうしようもなく寂しくなった。 またあの温もりに触れたくて、彼女のそばにいたくて、毎日死を望みながらも、運悪く生き延びてしまっている。涙は出ないものの、心に穴が空いた感覚がずっと拭えないままだ。 --- 名前の由来はシオンの花言葉「追憶」「君を忘れない」「遠方にある人を思う」から。記憶にない両親が息子を想う気持ちであり、独りよがりな人間が唯一知ってしまった温もりに縋る想いの意味もある。 職業技能は薬学を専攻していたため看護師。趣味技能は今の生活に落ち着いてから身につけたものとして回避・人類学、情報収集のためにコンピュータ、その延長で電子工学。 --- ｼﾅﾘｵ:いのち(HO3)、#探索者がシャトルランするだけ、白々明けに我が牙と舞え、 ↓通過シナリオネタバレあり --- 彼女のもとへ行くため、ある日屋上へと足を運んだ。そこには彼女と似た黒髪を持つ少女が、彼女と同じ寂しそうな表情で立っていた。 死にたいのかと聞けば、少女はそうだと頷いた。僕もだと告げれば、そうとまた寂しそうに笑った。かける言葉を迷ったのは初めてだった。思考を巡らせているうちに、彼女は黒髪をなびかせて去っていってしまった。 少女に彼女を重ね、今度は死ぬためではなく少女に会うために死に場所を探すようになった。死のうとすれば会えるかもしれないと淡い期待を抱いて、次あったときは何を話そうかと久しぶりに未来を思い描いた。 数ヶ月後、再び少女を見かけた。少女は楽しそうに誰かと笑っており、それは求めていた彼女とはかけ離れていた。その時芽生えたものは少女を彼女から遠ざけようとする人物への明確な憎悪だった。 --- あの出来事から、少しだけ生きることを考えるようになった。死にたい理由がなくなったわけではないので死に場所を探す日々には戻るが、生きている自分を少しだけ見つめられるようになった気がする。 生きていたらいいことあるよ、そんな子どもに言われた綺麗事が、なんとなく心に残っている。そんなわけないと思いながらも、どこか信じたい自分がいることは見ないふりをしている。 --- ■カッター 普段売買時に使うことがあるので持っている。今は自分の首にあてる勇気はない。 ■遺書 ポケットに無造作に突っ込んでいるためくしゃくしゃになっている。あの不思議な体験のあとは少し伸ばして引き出しにしまっている。 彼女のもとへ向かおうと決めてからなんとなく書いては消してを繰り返している。言葉を残すような人もいないが、ただ何か自分が生きていた証を残したいだけかもしれない。 封筒には表に「遺書」、裏には端に「七草識恩」と書かれており、中には便箋が一枚だけ入っている。便箋には最初の行に一言だけだけ、小さく薄い文字で「かゆ、また君に逢いたい」と言葉が綴られている。その下は何度も書いては消した跡が続いている。 --- Bar45にて血を提供する事で収入を得ている。スピカロゼという吸血鬼の眷属になった過去がある。暁という名をもらい、夜を追いかけ続ける彼のことを夜になるたびに想っている。最近はミュージックプレイヤーを持ち歩くようになった。流行りの曲をなんとか追い続けている。 --- ■特徴の付与(サプリ「クトゥルフ 2015」参照) <急速な回復力>：吸血鬼の血は全て消えてしまったはずであるが、身体の細胞が記憶しているのか、心なしかあなたの自然治癒力が活性化しているように思える。 <暗黒の祖先>：探索者の祖先には、魔術師がいた。彼は研究の末、外なる神「イヴ=ツトゥル」の黒い血『ザ・ブラック』を身に宿す事に成功した。その血は受け継がれ、探索者の血にも未だに残っていた。なお、黒い血による影響は「吸血鬼の血による一時的な活性化」に伴うものであり、人へと戻った今ではすっかりと鳴りを潜めてしまった。

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