タグ： とれたてすことマーケット

誕生日：9/2 聞き耳：趣味の芸術鑑賞から 乗馬：趣味の乗馬から（でも最近あまり乗っていない） 人類学・薬学：ミステリーを描く上で人の観察とか毒の知識とかあった方がいいから 芸術（死んだフリ）：ミステリー小説家なので登場人物が死ぬシーンの演出とか考えるついでに…（？） 「家に帰ると友達が必ず死んだフリをしています」みたいな？（？） ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ 槙一真。父方の祖父がイギリス人のクォーターで、5歳上の兄がいる。 物心つくかつかないかの幼い頃に両親を亡くし、父方の祖母の家に引き取られた。 その当時すでに夫を亡くしていた老婦人は幼い孫たちを大層可愛がり、乗馬をさせ、クラシックを聴かせ、英文学を読ませた。 長男は責任感と自立心のある性格だったが、そうではなかったわがまま盛りの次男は祖母とメイドに甘やかされて育ち──、 その結果自分では何もなせない、俗に言うヒモとやらに成長してしまった。 彼は思慮深く機転も利く祖母を大層敬愛していたが、そんな彼女もついに亡くなり、主のいない館ではメイドも雇うのが難しくなった。 何より、祖母の遺言の「一真へ。貴方もそろそろ大人として自立なさいな。豊かな人生経験こそ、執筆の悩みに最もよく効く薬ですよ」という言葉により、彼は祖母の遺産からメイドたちに最後の給料を渡してやり、自分も館を出ることにした。 そんな折にルームシェアすることになったのが一月悠斗だ。 彼は一真の祖母の館の近所に住んでおり、一真と兄が館に住むようになってすぐのある折に、彼が蹴ったボールが敷地内に転がり込んできてからの幼馴染である。それからずるずると腐れ縁は続き、住む世界も纏う雰囲気も全く違う二人だが、それでもなお交友関係が続いていた。主に悠斗が一真の世話を焼く形で。 そういう彼ならば自分と一緒に暮らすことも耐えられるだろうという一真の判断で、彼らは一緒に暮らすことになったのだ。 「豊かな人生経験こそ、執筆の悩みに最もよく効く薬ですよ」 その言葉に嘘はないのだろう。 何故なら俺は未だに執筆を続けているし、その結果著作はそこそこに売れ、ほんの片隅には過ぎないが、今や文壇にも名を連ねているのだから。 そこまでタイプした俺──槙一真は、PCのモニタを閉じ、コーヒーカップを傾けた。

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