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碑榊研究所、それはFHの中でも関わることが忌避される、自分たちが理想とするオーヴァードを作るために何でも犠牲にする、外道集団である。 碑榊毒魔（ひさかきどぐま）は、碑榊研究室の中でもレネゲイドを濃縮し、一つの完全な生命を作ることを理想とした。 毒魔の最高傑作、14人のレネゲイド適性の高い少女を素材とし、そのうち13人を犠牲に作り出されたFHチルドレン、碑榊の名を与えられたオーヴァードが碑榊衣礼（ひさかきいれい）である。 彼女は最大13体の従者を作り出すことができ、その十三体は彼女にそっくりな姿であり、従者のことを、わたし、やイレイ、と呼ぶ 彼女の中には犠牲になった13人の意識が不完全な形で混ざり合っており、いままでの記憶のほとんどを失っている。 記憶を失った彼女は碑榊研究所の隠し兵器として運用されていたが、時折命令にない行動をすることがあった。 その行動とは人を愛すること、ただしその行動の結末だけ見るとその人を殺すことである。 混濁した記憶の中、微かに思い出せるのは、14人の少女が受けた愛情だけ。 そのため彼女は自分を愛してくれる存在を求めているが、彼女の求める愛情は14人分の愛情であり、彼女が与える愛情は14人分であり、簡単にいうと彼女の愛は相当に重い、一生一緒にいること、それが愛だと思うくらいに。 そして記憶を失い、兵器として使われてきた彼女には愛情を確かめる手段がその力しかなかった、当然14人のオーヴァードを基に作られた彼女の力は、その愛は普通のオーヴァードでは受けただけで砕け散ってしまうものであった。 「ねえ、わたし。わたしたちを愛してくれる人なんてこの世にいるのかな」イマジナリーフレンド、血濡れた死体の横で従者に話す。 「この人も壊れちゃた。ねえイレイ、なんで人って簡単に死んじゃうの？壊れない人はいないの？」 「ここから先はわたしたちの世界、さあわたし、愛してあげよう！このわたしたちを愛してくれないこの世界を！」イマジナリーフレンド、敵の軍団を殲滅する前に 「こんばんは、運の悪いお兄さん、わたしたちが仕事を始める前に早めにここを離れたほうがいいよ、ここから先はわたしたちの世界だから」イマジナリーフレンド、運悪く迷い込んでしまったオーヴァードを前に

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