タグ： もちすけ 異説・狂人日記

基本的に笑顔を絶やさない。表情豊かで実年齢よりも幼い印象を与える。 (患者の警戒心を解くためのパフォーマンスな所が大きい) 【事前の質問について】 ①精神病患者に対する処置への考え方 当時主流であった私宅監禁や保護拘束具については他に術がない場合の対処療法として取り入れているものの、「倫理的にどうなのか？」との疑問はあり、環境改善に取り組むべきでは無いかとの考え。リベラル寄り。 ②十三への(担当していた頃の)接し方 何かあればなるべく駆けつけるようにしていた。 時には友人の様に、親族の様に、赤の他人のように、十三の気持ちに寄り添い、適宜治療にあたるよう心掛けていた。 根幹には精神病の一研究対象としての興味が無いとは言いきれないが、あくまで未来に繋げる為の治験的な観点である。 ──────── 眞白家は亨から見て、ひいじぃさんの代から医者の家系である。 外科医が主であるなか、彼は精神科医を選ぶこととなる。 精神科医を目指しのは単純よくある話で、母親が精神を病んだ事がきっかけだ。 ──妾制度が刑法上撤廃され干支も一周しようという頃、眞白家の長男たる父親と、私娼の母の間に宿ったのが亨である。 本妻との間に男子が産まれなかった事もあり、そのまま認知されあれよあれよと養子縁組を行ったことで名実ともに眞白家の子供となった。 一方、産みの親である母とは離れ離れに暮らしていた。 本妻が、母が眞白家へ介入する事を許さなかったのである。 跡取りが出来たことで亨の教育に熱心になった父は、徐々に母親の元へ足を運ぶ事も無くなり、定期的に母の元を訪れるの亨のみとなった頃。 ……どうやら母親の様子がおかしい。 亨が会いに行っても父の名しか呼ばぬのだ。 わざと「亨が会いに来ましたよ！」と言ってみたり、父の名で呼ばれた時は無視を決め込んでみても、構わず父の名で亨を呼び、役者の様に1人話続けるのである。 父に相談したところ一緒に母の元まで足を運んでくれたが、その時の母ときたら父に駆けより、しなだれ掛かり(よくもまあ、子供の前でそこまで女になれるものだと今となっては笑えるが)当時の亨からしたら豹変ぶりに驚いたものである。 父の言葉にも亨の言葉にも耳を貸さずに一方的に愛を語り続ける母を、父は力ずくで振り切り、亨の手を引き家を出た。 「もうアレには会うな」と本宅への道すがら言うのであった。 ここからは亨のあずかり知らぬうちに母は私宅療養となり、亨は脱走を懸念した父により常に見張られながら、母とは会えぬまま過ごすこととなった。 父に問うた所で「狂人の事など忘れろ」「お前の母は私の妻ただ1人だ」と言うばかりでまともに取り合っては貰えなかった。 そうこうしていれば、1年と持たずに母は狂死したと聞かされた。 葬儀も執り行われず、知らぬ間に骨になりどこぞやの共同墓地へ埋められたらしい。 母をまるで人として扱わぬ態度を疑問に思った亨。 父は「狂人」と言ったが、母は気を病んでいたのだ。 医者を志す者として、それらの人々へ向けての医学があるならば学びたいと思った。救いたいと思った。母を、理解したいと思った。 それが、亨が精神科医を目指したあらましである。

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