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「登山？趣味……じゃないかな、なんだろう、人生……みたいなもんだよ」 「そりゃ危ないかもね、でも仕方ないんだ。こういう生き方しかできないんだから」 一人称　ぼく 二人称　○○さん 山は人を狂わせるのだ。 a69abd *☼*―――――*☼*――――― 祖父は登山中に行方不明になったという。 父から聞かされた祖父の事情は、幼い心珀には難しかった。たくましく1人で畑を耕す祖母を見て、こんな人を置いて祖父は何処へ消えたのだろうと疑問だった。 父が登山中に雪崩に巻き込まれて意識不明となったのは、中学生の頃だ。病室で馬鹿だね、この子はと諦めたように笑う祖母を見て、腹の奥が煮えくり返るような気持ちになったのを覚えている。 何故、何故だ。そんなにも山は、山を登ることに情熱をかけてなにになる。大切な人を悲しませて、それでも山に登りたいと本気で思ったのか、この父は。 だから、学校の行事で山に登ると決まった時、鼻で笑ってやろうと思っていたのだ。 生憎の雨という天候でも、遠足という名の山登りは決行された。ぬかるんだ足元にグループのうち1人が足を滑らせて坂道を滑り落ちる。咄嗟に掴んだ手、真っ白になった頭で必死に友人を引っ張りあげて、助けを呼んで、それでも、たとえ中学生の遠足に使われるような小さな山でも。 命をかけるという行為、そこに付随する高揚感と達成感がどうにも忘れられなくて。 気がつけば、父と、祖父と同じように山へと登っていた。何が心珀を魅了するのか分からない。だけれど、生死を彷徨う高揚感も、頂に立った時の達成感も、仲間を引っ張りあげる焦燥感も、何もかもが心珀にとって生きがいで、憧れで、生き方だ。 山が、ぼくを狂わせるのだ。 *☼*―――――*☼*――――― 【狂気山脈〜邪神の山脈〜】(2021-5-9) ああ、山は人を狂わせる。 次は何処に登ろうか？ 【Click-C*　√4】(2023-7-23) 地上にもやばいのっているんだ…

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