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クトゥルフ PC作成ツール
大芝 花純
ID:4597467
MD:e816c278b98da946d89038233b4a99a0
大芝 花純
タグ:
なまこ式
Vtuber兼高校生
向光性硝煙弾雨
ワイルドハント
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生まれ・能力値
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CON
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その他増加分
一時的増減
現在値
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CON
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APP
SIZ
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初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
非表示
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
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通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
2015特徴表:目つきが悪い(6)、強固な意志 霞華 サキ(かすめばな さき) 「普段はどこにでもいる普通の高校生だが、日常の裏で『魔法少女ルブルム・パラベラム』に変身して悪と戦っている正義感の強い女の子。か弱き人々を守るためならば世界中どこにでも現れる。一度狙ったターゲットは空を超えて地の果てまでも追い詰める上、その手が振るうステッキからは七色の星などではなく大量の弾丸が放たれるため、彼女から逃げ延びる術はない。」 Vtuberユニット「ワイルドハント」の一員である、不思議な力を持った女子高生。ユニット内での挨拶順は最後であり、「魔法少女ルブルム・パラベラム、参☆上ッ!」という名乗りの勢いのままハイテンションに進行を務めがち。なお、現在は活動を休止している。 キャラクターイメージの雛型は本人が作り上げたものらしく、今でも新衣装やキービジュアルについての打ち合わせをかなり綿密に行っている。ラテン語で"赤"と"戦争の準備"を意味する二つ名の通り、赤や白にワンポイントで黒を差し込んだ色遣い、可愛らしい魔法少女のドレスに違和感なくミリタリー要素を交えた衣装デザインなど、強い拘りが伺えるプロデュースによってファンアートの投稿も数多い。 配信者としての彼女は、「数字が取れる・面白いと思ったことならなんでも実行に移す、人当たりの良い悪童」と受け取られている。その企みの大半が成功を収めていて、広告収入・投げ銭などを合算した総収益はワイルドハント内どころかVeryWise関連タレント全員の中でも最高額を誇っている。 「常に破天荒」「何が相手でも怖気付かない」「ぬるいエンターテインメントを嫌う」ことなどで知られており、インターネット上での立ち回りは非常にアグレッシブ。自信の強さが窺える堂々とした語り口に始まり、流行のコンテンツに対する遠回しな嫌味とも取られかねない見解を示したり、活動者の炎上については燃えた側と燃やした側双方に向かって痛烈なコメントを残すなど、数々の問題発言によって大量のアンチを抱えている。同業者たちからも「無策に関わるべきではない相手」として認知されているようで、横の繋がりが広がりにくいらしい。 活動当初から優れた企画力で知られており、ワイルドハント成立前から自らのチャンネルでユニークな動画を投稿し続けている。近頃はShortsでの発信も増えて更に勢いが付いた様子。 ワイルドハント公式チャンネルが設立されて以来、そちらで実施できそうな企画はそちらに回すことが増えている。現在の自身のチャンネルでは、演者にドッキリを仕掛けたり特殊なシチュエーションを押し付けたりして、その中での反応を観察する「人間観察系」の企画が多い。その内容について、リスナーから「デスゲームの主催者と思考が同じ」と指摘されたことがある。 撮影にあたっては、関わりが深い配信者一名に企画内容を説明し、ほとんどその人の独断で、その人の連絡先の中から演者を選んでもらうことが多い。音声通話だけで完結させられる企画が多く、この手法も長く続けた結果かなり有名になったので、電話を取って直ぐに「こんにちは~~~!サキちゃんねるです!」と予想外の宣告を受けた人物は、多くの場合声にならない声を上げる。 前述の通り、配信活動をする人々との直接的な接点は少なめ。彼女自身も割と人間を選り好みするタイプだが、その反面というべきか、良い関係が築けた相手にはとても深い好感を抱いている。信頼を寄せているがゆえに無茶振りをしたり自由に暴れたり意味不明の発言を放ったり、そうしている時の彼女は本当によく笑う。 自分と全く接点がない相手であっても、お気に入りのセンスの持ち主や尊敬する活動者に対しては極めてストレートな賞賛を口にしていることが多く、彼女が推しているということから新しい人物を追い始めるリスナーも少なくない。ただし、言及したコンテンツに「霞華から来た」というコメントが投稿されているとサキちゃんはかなり怒るので気を付けよう。 このように少し荒々しい人物ではあるものの、無暗矢鱈に喧嘩を売り歩いているわけではないこと、発言の中身には一応少し筋が通っていること、そして意外と内省的な性格を持っていて実直なことなどから、内面をある程度知った上でファンとして彼女を追っている層が意外に分厚い。当人は「アイドル売りしてるわけじゃないからさぁ、正直ちょっと複雑なんだよね」と言っているが、それでも古株のファンは概ね全員が彼女のことを可愛がっている。 大学受験に専念することを理由に現在は活動休止中だが、事務所から新人がデビューする時、界隈の友人が登録者数の節目を迎えた時など特別な瞬間には駆けつけ、数分だけ通話を交わす。その様子を見るにまあまあ元気そうである。 「……こんにちは。えと、何か御用ですか?」 「あ、新しいマネージャーさん来るって社長から言われてたっけ。じゃあ初めまして、霞華です」 「あの、私の事どれくらい知ってますか? 活動内容とか、キャラとか」 「あー…… いえ、全然。むしろ都合が良いというか」 「私、マネージャー変わるごとに怖がられるんです。毒っ気あるもの作ってるから仕方ないですけど」 「……信じなくてもいいけど、ワイルドハントだと『手が掛からない方』ってよく言われます。もちろん、他と比べて、って意味ですが」 「なのでというか、マネジメント業初めてでも大丈夫だと思います。最初っから苦労させるつもりはないし、うちはマネージャーさん同士でも連絡取って意見交換できる体制だし」 「いや、初めてでしょ。第一声から下手に出過ぎ……これから何回も説教しないといけない相手なのに」 「……ううん、良い人そうでちょっと安心しました。これからよろしくお願いしますね。それで、早速なんですけど――――」 大芝 花純(おおしば かすみ) VR関連企業「VeryWise」で公式Vtuberとして活動している現役の女子高生。社内に立ち入る人物としては最年少だが、多くの従業員に能力を認められていることから大きい影響力を持つ。 VTuber「霞華サキ」と現実の彼女の間には数々の違いがあり、第一にそこそこ愛想が悪い。本人の多忙さもあってのことだが、活動のスケジュールや進行中の企画についての考え事で頭をフル回転させることが日常的で、重要な用事もなしに絡もうとするとさっぱりと追い払われてしまう。 とは言えそれだけで人を嫌いになることはないので、タイミングを選べば雑談に付き合ってくれることもある。しかし、霞華サキの挙動にも見られた「人間を値踏みする癖」は根っからのものらしく、相手のことを今どう思っているのかが微妙に顔に出てしまう。周囲の人間曰く、「あれでも最初よりは抑えられるようになってる」とのこと。 ブランディングの根幹の一つとして「実写YouTuberが持つスタイルを輸入する」ことを意識していて、ワイルドハント公式チャンネルの活動は「10~20分スケールでフルトラッキングの動画を週3本投稿する」というスタイルを持つ。 元々汎用性が高いVR環境を備えていたVeryWiseの強みを活かす方法であり、花純さんはこれについて「ぶっちゃけストリーマー路線への逆張りだけど、VTuberが始まった時に流行った『可愛いキャラクターが3D空間の中で動く』ってことの続編だから、その辺りの懐古厨から支持されやすい」と語っている。そんな身も蓋もない言い方しなくても。 実際のところ社員ですらないのだが、公式タレントとしてデビューした弱冠16歳の当時から測れないほど多くのものをVeryWiseに齎し続けてきた戦術家で、中でもワイルドハントの結成は大きな転換点である。 新たにワイルドハントの動画として撮影する企画の会議を事実上取り仕切っていたり、イリーガル生との交流やアドバイスも積極的にこなす他、技術面・資金面への認識が育っていて事務所内の多くの人間と意思疎通が取れるため、横にも縦にも繋がりを持っている。持ち前の洞察力から来るマーケティングへの協力で会社全体のイメージを向上させていて、経営層が思い描いている方針にすら少しの理解を示しているなど、「見えているもの」の数はVeryWise内屈指と言っていい。 しかし、人間としての我の強さ、なまじ稼ぎ頭であるが故の発言力、何よりも『彼女のアイデアによって業務内容が劇的に変化する』ことから、彼女を疎ましく思う者も多い。今までに目に見えた衝突があった訳ではないものの、本人も少し察しているらしい。 余談だが、配信は疎か事務所内、それもかなり親しいであろう人物に対してさえ、彼女は自分のプライベートについて全く語っていない。あまりにも徹底されているので、そのことにすら気付かない者が大半である。 彼女がエレベーターに入り、私がエレベーターに入っていないほんの一瞬、初めて彼女と目が合った気がした。 「ねえ、なんで何も言わないのさ」 「………………」 その沈黙の長さは永遠ほどにも感じられた。 彼女は2階のボタンを押していて、そこに辿り着くまでにはちょうど永遠を2倍した時間を要する。眠たそうにドアが開くと、無限にほぼ等しいスピードで彼女の影が飛び出して、2人でそれを追う。 集合住宅の夕方には、鮮やかという言葉が辞書から消えそうなほどの灰色が張付いていた。人間が歩くには頼りない暗さ。天井は高く、彼女の背丈はとても低い。でも彼女は背中を曲げて歩いていた。 「そうそう、自己紹介してなかったねー。私は二万円愛凜音って言います! いちおう会社の経営者をしていて、主にコンピュータグラフィック関連の技術開発と、ネットで活動するタレントを養成する事業に取り組んでいます」 「………………」 「君は? いや、言いたくないなら別にいいけど」 彼女と、恐らく存在するであろうその保護者の居宅は、エレベーターを降りて右に進み、奥から3番目に位置していた。 そこで初めて言葉を返された。「あの、なんで着いてきたんですか? 家に迷惑かけたくないんですけど」 「んー……着いてくるなって言われなかったから?」 「本当に何も無いですよ。散らかってるし、大した食べ物もないし」 「別にいいよ。私の目当ては君なので」 そこで彼女は数分立ち往生した。私を無視しながらスマホを弄って、聞き取れないくらいの独り言を終始する。 午後6時30分、廊下の照明がようやく灯る。身長150センチくらい、薄く重たい防寒着を纏っている女の子の地毛が光を浴びて、明るい色を辺りに拡散させた。 「いろいろ考えたんだよね私。なんでそんなに荷物が多いのかなーとか」 「なんですか急に」 「もしかして全部クレーンゲームで取ったのかなーって。私が狙ってたのもさっき取ってくれたけどさ、すっごく早かったから」 「……ええ、まあ。あそこは設定ゆるいので。もう行きませんけど」 「あとはそう、取り方も不思議だったよね。ほら、遠目に見てただけだったけど、中にまだ景品残ってるのに店員さん呼んで、新しいの補充してもらってたじゃない」 嫌そうに視線を逸らしたのち、吐き捨てるように返す。「それが?」 「いや、なんも分かんない。でも面白そうだな~って思っちゃったのよ。で、着いていっていい?って聞いたら拒否されそうな雰囲気だったから、何も言わずに後ろくっついてきた。正解だったかもね」 「……わかった、それなら――」 「誓って言う、君を傷つけることも利用することもしない。絶対にね。だから一瞬だけ話をさせてほしい」あえて言葉を遮る。めっちゃごめん。 返答は無い。代わりに、取り出した鍵で玄関ドアを開きっぱなしにして、持ち帰った荷物をいくつかに分けて運び込んでいる。ところどころで私に視線を向けながら。 まず言い方を考える。開口一番で触れるのはあんまりよくないはず。でも、核心を捉えないと門前払いだろうから、どうとでも取れるような表現も駄目。 「あのね、今日ちょっと見ただけではあるんですけど……あんまり充実してなさそう、というか違和感溜まってそうだな、って思って。自分で言うのもなんだけど、私は君よりも人間関係やってきた数が多いだろうし、何か相談してくれるなら聞かせてほしいな、というお話」意味深な身振り手振りを組み合わせながらそう言った。どうですか? 「……ああ。はい。言ってることは分かるけど」 「そうそう。変なお節介してごめんね。でさ、時間的にそろそろ他の人帰ってくるし、そうなると表でするような話でもないじゃん? 出来ればお家に入れてほしいな~って」 「………………」 「やっぱり駄目かな」 「正直、かなり胡散臭いんですよね。辻斬りみたいなもんじゃないですか」 「ふふっw そうですねえ。君は辻斬りを家に入れる?」 「……まあ、いいですよ。床散らかってるから気を付けてください」 「やった~!!! ありがとうございます~~~~」 206号室にはあらゆる生活用品が凝集していて、リビングへたどり着くまでの数秒ですらアスレチックみたいだった。こりゃ大荷物をいっぺんに運び込めないわけだ。 そのリビングも散らかり具合は同じ。捨てるべきゴミのようなものは少ないほうで、ただ整頓ができていないだけ。あえて不躾な推測をするなら、慢性化した疲労と遽しさが伝わってくるようだ。 唯一、食事やその他の用事に使っているであろう小さなテーブルの周りだけ、辛うじて整っている。彼女はその一辺に座り、反対側の一辺を私に勧めた。言葉を使わずに。 「あら~、ご丁寧にどうも」 思えば、彼女としっかり向かい合ったのはここが初めてだった。 隠そうともしてなかっただろうけど、私だって1秒もしないうちに気付く。"品定め"だ。どういう基準かはともかく、二万円愛凜音と名乗る何者かが、自分のプライベートの時間を費やすに相応しい人間か、計ろうとしているのが分かる。 いや、ちょっとキツい。同年代の女子やおじさんおばさんならまだしも、かわいい女子高生に批判されることには抵抗感があった。つい視線を逸らす。逸らした先のテレビの黒色は、薄く積もったホコリでグレーに濁っている。 「ああ……悪いですけど、今日の分の勉強済ませちゃっていいですか? ムカつくことがあると、その後あんまり手に付かないんですよ」 「アッハイ。隅っこの方でじっとしてますね……」 彼女が参考書を広げ、食事にも使うだろうテーブルに消しカスを撒き始めてから。そろそろ1時間が経とうとしていた。 もうビビってる暇無いなと思って口を開く。「えっと、私ここにいていいの? そのうち保護者の人帰ってきたりしない?」 「……おばさんなら、いつも帰ってくるの夜中ですよ。まあ、帰りたきゃ帰っていいですけど」彼女は消えるような溜息を吐いた。 「……ま、まだお勉強はするの?」 「いや、ひとまずはこれ位にします。授業でやった部分の復習に集中したほうが、長いスパンで見れば得かなって思ってるので……」 「ほぉ~~~……めっちゃ真面目だね。もうちょっと適当に生きてるかと思ってた」 「心配だったのはその事ですか?」 「いや違うよ??? なんだ君なんか凄いな、なに言っても受け答えのテンポに全く隙がないぞ。どこでそんな格闘技覚えたんだい」 私の賛辞をすべて無視して、テーブルの上には別の準備が始まっている。本当にそこに立っているにも関わらず、私はまるで電話相手のように扱われていて、オバケになって浮かぶような気分で彼女と話していた。 彼女のスマートフォンがライト機能を噴く。テーブルの横には、外から持ち帰った例の荷物たちが、待つようにして佇んでいる。 「ねえねえ、当ててみていい?」 「……当てる? 何か隠してましたっけ」 「んー……あれ、今から何を当てるんだろう。全部?」 彼女は眉を顰めた。「いいですよ。合ってても何もあげませんけど」 「まず気になったのがね。君と初めて会った、さっきのゲーセンでの挙動」 「全部で40分くらいを要して、君はあちこちのクレーンゲームで遊んだ。実際かなり上手かったし、無くなっちゃった景品を補充してもらうことすらあったよね。店員さん呼んでさ」 「あなたがすごく下手だっただけじゃないですか?」作業の手を止めないまま、彼女が口を挟む。 「それもそう。……で、変だな~って思ったのが。中にまだ景品が残ってるのに、途中で補充を挟むことがあった部分」 「お勉強を見守ってる間、1時間くらいリビングをまじまじと見させてもらった結果、どうにも『同じ見た目の箱』が凄く多いなって思ったわけ。ほら、そことか特にいくつも積まれてるでしょ。そういうのが全方位にあって」 「ある程度共通点があるのよ。漫画のキャラクターのフィギュアとかも同じキャラに絞って取りまくってて、得体の知れないワイヤレスイヤホンとか、溢れんばかりのお菓子とか。まあ全部ゲーセンで取れて不思議じゃないやつらだけど」 「あなた結構回りくどい話し方しますね」この批判がけっこう心に刺さって、ちょっと結論早めるか……と思ったんだけど、反応するとかっこ付かないので表向きは無視する。後で誰かしらに慰めてもらう。 「……それで、たぶん一番ヤバいのが、あそこの壁際。あのゲーム機、確か未だに中古価格で3万円近くするはず。それの新品がなんでか8台も纏めて置いてある」 「まあ、すっごい悪い言い方すると、ゲーセンの景品専門とはいえ転売ヤーだよね。テーブル片付けたってことは、今からメルカリかなんかに使う用の写真撮るんだよね? っていうのが、ひとまずの推理」 彼女は徐に立ち上がった。気だるそうに腰を伸ばして、足元に気を付けながらこちらへ歩いてくる。 「これ」少し手元で操作した後、見せられたスマートフォンの画面。明度が低くて見づらいんだけど、何かしら事務的な内容が書いてあるページみたいなもの。 「……えーっと……"231620"? なんかのパスワード?」 「推理、ほとんど当たり。ゲーセンで何か取ってきて売るってことをしてて」 「マジ?やったー当たったー。行動力あるねぇその歳で」 「その数字は、先月に出品した分の売り上げの合計です」 「は?????????????」 「まあ、上振れですけど。なんかのアニメが爆発的にヒットした時はだいたいそうなるっていうか」 「待って待って待って待って、やりすぎ。え? ホント? 私いま狸に化かされてるんじゃなくて?」 2分くらい衝撃におののいた後、ようやくちょっと落ち着いた。若者こわ~……とんだモンスター女子高生じゃん…… 「え、売り上げが23万って言ってたけどさ。クレーンゲームとかで取るのにはいくら掛かってるの?」 「ああ……1万ちょっと?1万行ってないかな。記録はしてるんですけど、あんまり興味ないです」 「……君いま幾つ?」 「16です。高校1年」 「は~~~~。そうかいそうかい」今まで会ってきた高校生の中だと5本の指に入るくらい"強い"なぁ、と思いながら首をもたげて、シーリングライトの白色で眼球を焼く。見ず知らず他人の話聞いてここまで狼狽えるのも久しぶりだよ。 「なんですかその反応」なぜか不服そうにしている。当たり前でしょ!!!!怖いわ!!!!! 「え……あのゲーム機どうすんの。なんであんなに溜まってるの?売らないの?」 「あれですか? ……うーん、値上がりするの待とうと思ってたら、メーカーから追加生産入って値崩れしちゃったんですよね。それでもまだ品薄なんで売れると思いますけど。もうちょっと上がらないかなって」 「えええええええやめとこうよ。FXで有り金全部溶かすのと同じやつじゃん」 「いえ、あんまり高く売れなくてもいいかなって。趣味っていうか、面白いなって気持ちの、道楽でやってるだけですし」 「………………」 「さっきはああ言いましたけど、せっかく当ててもらえたので、何か1つ差し上げてもいいですよ。好きなの持って帰ってください」 「推理したこと、まだ有るんだけど。それも当たってたらもうちょっと欲張っていい?」 「……ああ。別にそれくらい……」 一気に歯切れが悪くなったのを察知する。予想通り、財産とか収入みたいな社会的な部分はともかく、個人の範囲には触れられたくないんだろう。どうやって話したもんか。気を遣いすぎるのも良くないと思うんだよなぁ…… 意を決して切り出す。「君、名前は?」 「なんで教えないといけないんですか」彼女は全くこっちを向いていない。耳の左右にイヤホンを嵌めて、スマホで何か見ている様子。 「……言っちゃ悪いけど、狙われてるよ。大芝花純ちゃん」 一拍遅れで、彼女の身がどくんと震える。びっくりさせちゃってごめん。 「なんで名前知ってるんですか?」 「いや、ここ君の家だし。ちょっと探せばそれっぽいものなんて幾らでもあるよ」 目付きにはうっすらと敵意が見て取れる。それでいい。それは話を聞いてくれるってことだ。 「当たり前のことだけど、君が特別驚いたのは、君が自分に無頓着だからだと思う。そこが気になったんだよね」 「……あなたに言われる筋合いありませんけど。今日会ったばっかりの」 「じゃあ、誰に言われるんだったら納得する? 一緒に住んでる保護者の人、ゲーセンの店員、メルカリのお得意さん、学校の同級生や先生、お隣さん、……そんなに変わらないと思うんだけど」 「どうだっていいでしょ。訳わかんないこと言ってないで帰ってください、気になったことは分かったんですよね」 「うん、そろそろ帰るよ。ほとんど最後だからちゃんと聞いてほしい」 「………………」 「クレーンゲームやってる時、景品の補充で呼んでたあの男いるじゃん。十分顔見知りなんだろうけど、もう近寄んないほうがいいよ」 大芝花純はそこで、まるで死んだように黙りこくった。これくらいしないと効かないなって私が思ったからだけど、けっこう強い語気で話してしまっている。 「詳しくは知らないけど、たぶん利害が一致してるから内通してるとか、そういうことかなって。友達って感じには全く見えなかったし」 「……そう。ですね。あのフロアの従業員の中で、あの人の評価だけ下がらずに上がっていくような取り方をしてるっていう。近寄るも何も、ただのビジネスですよ」 「うん、君がそう解釈してるのは分かってる。その上で、あいつは女の子として花純ちゃんのこと狙ってるよ、って話」 「なんでですか?」 「そんなの知らないよ。ってか君も薄っすら気付いてない? なんとなく気持ち悪いって思ってるでしょ。それは君が、気に入らない他人からの干渉を嫌うタイプで、あいつが必要以上に干渉してるからだよ」 「私だって知りません。気分悪いんですけど」 「自分がそういう目で見られてることが分かってて関わりを絶たないのも、それが分かった途端に逃げるのも、君のプライドを損なうんだよ。だからあくまでも"悪い予感"に留めて、確信に近付くような思考はストップして、自分の心の真っ当な防衛反応を、理不尽な好き嫌いってことにしてぼんやりと不快に思い続ける。花純ちゃんはそういう子だと思う」 「さっきから何? あんたに何の得があってこんな下らないことグダグダ言ってんの。しょうもない嫌がらせ以外にありえない、良い大人が」 「んー? いいや、ちゃんと私に利益が発生するやり取りだよ、言っとくけど、ここまでが前置きで、ここからが本題だからね?」すかさず私はジーンズのポケットからペラペラの財布を取り出す。やっぱこれかっこ付かないな。 「……は?」 「改めて自己紹介させて。VeryWiseって会社でCEOやってる二万円愛凜音、その傍らでバーチャルYouTuberもしてる。良い大人って言ってくれて嬉しいけど、私は君が想像してる以上に変な人」 二枚の名刺を渡す。片方は二万円愛凜音として、片方は馬通ヨシカとして。交互に見比べながら、花純ちゃんは渋い顔をしている。 「そう、さっき私が言ったことが正しかったらさ。花純ちゃん、気付きたくなかったことに気付かされて、少なくともあのお店では転売ヤーが出来なくなったよね。そうなってほしかったのよ」 「……あ? あんたは会社ぐるみでメルカリ使ってるとか、そういうこと?」 「ううん、違う。さっきの話で、『収入は足りてるから遠慮します』って返事は出来ないようにさせてもらったから、これから私がするお願いに頷いてね」 「え、何、怖いんだけど」 「君は頭が切れるしユーモアがあるし、物怖じが無くてとっても向いてると思うから。私の事務所に入って、バーチャルYouTuberとして活動してください」 「…………は??????????」 「やー……霞華サキもこれで大学生かぁ……」 「ずいぶん気が早いですね??」 「そうだったね、魔法少女はお休みして、普通の女子高生としてはたまに顔見せてくれるんだっけ。じゃあまだ大学生じゃないか」 「いや、どっちにしろ……まあいいですよ。そうです」 本日のVeryWiseは、大人気だった転校生を送るムードで一日中盛り上がっていた。一番大きいスタジオで『魔法少女ルブルム・パラベラム』として休止前最後の凸待ち配信が行われ、インターネット空間には特殊な感慨が染み渡った。 詳しくはアーカイブを見てもらうとして、わたくしあいりーん個人の話。勉学に集中するってことだし、暫く花純ちゃんと会えなくなっちゃうのが寂しいので、今日は家まで送らせてくれと頼み込んだ。かなりウザがってたけど、最終的には満更でも無さそうな様子で受け入れてくれた。はーやっぱ花純ちゃんたまんねえわ。生まれてきてくれてありがとう。 彼女と出会った時を初めとして、何回か立ち入ったことのある集合住宅。それが見えてきた時、わざと少し歩幅を小さくしてみた。彼女はそういうの、気付かないふりをしてくれる人だろうか? 「……やっぱり、魔法少女ってお休みの間は机の中に帰るの?」 「つく……ああ、社長、私はまだ根に持ってますからね。あんまり不用意な発言はしないでください」 「あっはいすいません。その節は本当にご迷惑をお掛けしました」 読者の方に特別に伝えると、『魔法少女ルブルム・パラベラム』の設定と外見は、私が隙を見て花純ちゃんの机の引き出しから勝手に盗んだノートに描いてあったものだったりする。 モデル担当の鈴木くんも絶賛していたので、恥ずかしがらないでいいのに~と茶化したこともあったが、一度本当に怒られたので、もう同じようなことはしないと思う。こうやって人間は日々大人になるのだ。 「まあ、これまで本分を疎かにしてたもんね。なんだっけ、勉強の魔法少女みたいな感じだったよね? 違ったかな」 「……ちょっと齟齬がありますね。勉強の魔法少女っていうのは、私が噂に聞いた存在です」 「そうそう、その話。じゃあそっか、ルブルムはただの花純ちゃんのかわいらしいプライベートの趣味か」 「ぶっ飛ばしますよ。……そう、真面目に勉強してたら、その魔法少女に会えないかなって思ってた。気付いたらすごく回り道してたけど」 「元々すごい成績良かったし、いいんじゃない? 食い溜めしておいたからちょっとご飯無くても平気、みたいな」 エントランスをくぐる。最近少し冷えるなあと思いながら。なんとなく、時間の経過を感じる。 「油断したりはしないようにします。失敗したくないとかじゃなく、やるからには全力出したいなって思って。今までもそうしてきましたから」 エレベーターに入る。花純ちゃんが先、私が後。なぜか分からないけど、この構図は特に懐かしく感じる。 「……かっこいいじゃん。頑張んなさいね、応援してるから」 「ニヤニヤしてないで早く入ってください」 「……本当に最後の最後まで着いてくるんですね」 「ん~? まあね~~」 ドアが再び開いた。 「ねえ。前も聞いたかもしれないけどさ、どうしてうちに入ってくれたの?」エレベーターを出て、すぐに立ち止まって、そう呼び止める。 「……大した理由じゃないですよ。自分でもそう思う」 「いいよ別に。私だって大した理由で起業してないもん」 「たぶん、暇だったんですよ」 「退屈してたっていうか。何かしようって意欲はあるんだけど、持て余してて、やりようなんて幾らでもあるから逆に困って」 「正直、生身でメルカリ遊びすることの、億万倍危ない誘いだと思いました。悪い想像なんていくらでも付いたし」 「でも、上手く行ったら楽しいだろうなって思ったら、気付いた時には。私はたぶんそういう生き物なんです。悪い意味で」 「……うん。花純ちゃんらしい良い答えだ。ありがとう、選んでくれて」 「どういたしまして」 「悪いんだけど、ちょっと後ろ向いてくれる?」あくまで笑わないように、肩の向こうを指差した。
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歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
ケイオシアム社
の著作物です。
クトゥルフ神話TRPG