タグ： 一

　　　　　　　　　　『……手向けの華だ、持ってけ』 　　　　　　　　　　　　『火は嫌いなんだよ。だからこうして扱き使ってんだ』　　　 　　　　　『良く回る口だな。俺への当てつけか？』 　歳の割に落ち着いた雰囲気を放つ少年。能力の暴走によって喉を焼いた唖者であり、意思疎通は《空の楽器》による合成音声で行っている。肉声も出せるには出せるが、とてつもなく汚い声かつ喉への負担が激しいので当然滅多には喋らない。 　近接戦士であり、EXレネゲイドの大剣使い。一刀こそ閃くように速いが、それを抱えて走り回るだけの力はない。 　また、振るうのも自壊前提のブーストで振るうため毎回反動が来る。コードネームは剣から奔る炎が花弁のように広がり、瞬いて消えることから。 　察する能力は鈍いしデリカシーはあんまりない。ついでに言うと性格もよろしくない。 　　　　　─　──　──back ground──　──　─　 　幼年期の記憶は薄い。特別恵まれてはいなかったものの、特別貧しいわけでもなかった気はする。──だからきっと、平凡で幸せだったのだろう。まだ僅かに残る暖かさが、それを悲しく証明していた。 　火を出したのはいつだったのか。物心のつく前から何の気なく使えた、たった一つの『特別』を、嬉々として親に見せたのは覚えている。それでお終い。全部台無しだった。慌てふためいた母は悪魔と謗り刃物を向け、宥めに入った父はあろうことかその母を殺めてしまう。逃げ出した背と横たわる遺骸に目をやり、処理しかねた子供心は能力を暴走させ、漸く出向いたUGNが沈静化した頃には、小さな骨と焼けた喉しか残らなかった。 　そうして施設に引き取られ、一つの密約をローザ・バスカヴィルと交わして、今日に至るまでを訓練と任務ですり減らし。 　出会った風の少女は、果たして彼の火をどのように膨らませるのだろう──。 　　　　　─　──　──Hand out──　──　─ ・シナリオロイス：シルフ　推奨感情：庇護/不安 ・カヴァー／ワークス：指定なし／UGNチルドレン ・シルフは風を操るレネゲイドビーイングの少女だ。任務で彼女を保護して以来、君に懐いており何かと君を手伝おうとする。 　だが戦いに参加したがるシルフを君は認められないでいる。彼女は弱く、君とともに戦うには実力不足だったからだ。そのことに傷ついたのか、彼女は君の前から姿を消してしまう。

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