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牙狼 陽葵(がろう ひまり) 10歳 小学生 女 7/20生まれ 一人称 私 #fcc800 「私は牙狼組の一人娘。いずれ上に立つ者だ。」 「少し茶を飲んで落ち着いたらどうだ？」 「真陽留、無駄吠えするな。行くぞ。」 好きなもの→真陽留、日本茶 苦手なもの→運動 「お誕生日おめでとう！」 そんな気恥しいような誇らしいような言葉は当日に聞けた試しがない。 私はがろう ひまり。歳は今年で10になる。 牙に狼、太陽の陽に、植物の葵という字を書く。 極道の牙狼組、といえば貴方にも想像がつくだろうか。 そうだ。その牙狼組の一人娘、それが私。 10年前、私は「おぎゃあ」と赤子らしい声をあげて産まれたらしい。 銃弾と血液が飛び交う真ん中で。 そんな戦場で産まれ、よくここまで生き延びられたなあ、と私と母親の幸運に感謝する。 母は厳しく、つよいひとだった。それと同時に、とてもやさしいひとでもあった。 父はやさしく、よわいひとだった。それと同時に、とても厳しいひとでもあった。 そんな2人を愛しているし、尊敬している。 彼等のようになりたい、とも思っている。 彼等のように、上に立つ者になりたい。他の力をねじふせて、付き従せられるようになりたい。 私が皆の生活、生命を守る。 それこそが牙狼組に産まれた者の責任だ。 私の誕生日は必ず抗争が起こる。 5歳の誕生日、皆が私の為に誕生日パーティーを準備していたことは分かっていた。 全く分かりやすい。だが、嬉しい。 当日、7月20日。朝から騒がしかった。 嗚呼、これは抗争だ。そんなことを当然のように、当たり前のように感じる自分に嫌気がさす。 私はいつもの服装に着替え、準備をした。 まずは誰かと合流しなければ。一人で戦えるほど、まだこの身体は優れていない。 そっと自室から廊下に繋がる扉を開き、仲間を探す。 母さんを見つけ、ほ、と胸を撫で下ろす。 これで安心だ。早く合流しよう。 「おかあさん」 「陽葵、来るな！！」 その瞬間、私は母さんに抱きしめられていた。あたたかい。生ぬるい。あかい。これは、血？ 見慣れた血。当然のように思っていた血。いちばん身近に感じていた血。 いちばんだいすきな存在の、血液。私は当然のように思えなかった。見慣れるなんてこと、なかった。 あのくろくてあかい血は、一生私の目から消えることはないんだろう。 「ひまり、おたんじょうび、」 そう残して母は目を閉じた。 母は、たくさんの生命を背負う上に立つ者ではなく、母親として亡くなった。ひとりの子供の生命を優先したのだ。 私の誕生日なんて一生祝われなくてもいい。 ただ、生きてさえくれれば、傍に居てくれれば、それで良かったのに。 そうさせたのは、私の弱さのせいだ。 私が弱いから、甘いから、母さんは死んだ。 もっと強く、もっと厳しくなろう。 私は皆の為に生きる。 ──それが牙狼組の上に立つ者の運命だ。 間もなくして、ある男がやってきた。 乾 真陽留 というらしい。どうやらうちの構成員になりたいようだ。 聞く限り、ただの構成員で終わる気はなさそうだが。 どうやらただの金喰いではなく、上に上り詰めたい様子で、随分と野心があるようだ。 諦めが悪いことや、手段を選ばないことが好印象で、父に口添えをした。 「私が面倒を見るから、世話係にして欲しい」 父は私が成人するまで、という約束で世話係を承諾してくれた。 真陽留は私のことをガキだとかクソガキだとか呼ぶ。 名前は覚えられないのだろうか？ 今まで子ども扱いなんてロクにされたことが無いから少し新鮮ではあるが。 彼は野心を隠しているつもり、なんだろうか？ 結構バレバレだし、お酒の席ではボロボロ零しているというのに。 彼はこの組のトップになるという。 残念だが、それは無理だ。私がいるからな。だが、諦めない姿勢は高評価という所だろうか。 新しい発想や、柔軟な考えで組に新鮮な風を吹かせる彼は、今や組にとっては居てもらわなくては困る、ものだろう。父だって、他の皆だってそう思っている。 それを素直に伝えるのは癪だが。 彼は狼のぬいぐるみを私にくれた。 欲しい、と思ったのは事実だが……。何故バレたのだろうか。そんなに分かりやすい自覚はないが。 何となく、真陽留に似ていると思ったから…というのは言わないでおこう。 真陽留が私と一緒に居てくれるのは、私の世話係で、それが仕事だからだ。それ以外は無いだろう。 ……それでいいから、成人してからも一緒に居てくれないだろうか。 牙狼組の一人娘。 父、構成員とで暮らしている。母親は、丁度彼女の5歳の誕生日に抗争に巻き込まれ、亡くなった。 表情が変わらず、子どもらしくない表情を見せていることが常。 理由は、いつか組を継いで皆の上に立つものが簡単に感情を読まれることはいけないこと、と考えたため。 いつか組を継ぎ、上に立つものとしてどのような振る舞いが良いか考え、努力を重ねている。 常に気を張っているが、真陽留さんの前では無自覚に少し気を抜いて生意気を言ったり、子どもらしい表情を見せることもある。 一人娘、ということからよく誘拐されているが、度胸が据わっているため、逆に脅迫したり、拳銃を用いて1人で帰ってくることもある。(大体は真陽留さんが助けてくれているはず) 「マフィア珍道中」生還 21.11.1(乾 真陽留) 【HO2：お嬢様】 貴方はボスの一人娘だ。危険な状況を『スリル』として楽しむし、世話役がブチギレていても平常運転。世話役を振り回している自覚はない。

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