タグ： 海も枯れるまで

医大生の青年。家族が地方で病院を経営しており、その跡取りと目されている。 現在は都内の医大に進学しており、一人暮らし。 医師の家系のため兄弟姉妹が多い。彼は次男。 しかし長男が跡継ぎとなることを嫌がり家を出奔したため、高校生の頃に突如後継ぎとして指名されることとなる。 もともと自分は二番手、スペアであるという意識を持っているため、自己評価が低い。 気弱だが心優しい、普通の青年。 少しでも誰かのためになることをしようとする、根っからの奉仕体質でもある。 内向的で受動的だが、こうと決めたら絶対に意志を曲げない一面も。 「誰かのためになること」であれば自分が不利益を被ることも厭わないため、友人だと思っていた相手に利用されていた、なんてこともしばしば。 それでも「きっと彼にも事情があったんだ」と嫌味でなく言えてしまう性格。 奉仕体質の上に責任感が強く、常に正しく善いことをしようとする。 ある意味医師は天職ともいえるが、当然常に正しいことだけをして生きていくことはできないため、理想と現実のギャップに苦しんでいる。無力感に苛まれて、死にたいと考えることが度々あった。 きっかけは中学生の頃に父親が多額のいわゆる心付けを受け取っているところを兄と一緒に目撃してしまったこと。そのような金で日々の生活が成り立っているということを理解してしまい、知らなかったとはいえ今までのうのうと生きていた自分に対して強い嫌悪感を抱いた。後にこれがきっかけで父と兄が対立、決別してしまったため、彼にとっては苦い思い出である。しかし父親は厳しいながらも家族想いであることを理解していたため、どうしても兄のように糾弾することができなかった。これらの感情の発露で自傷、自殺未遂を繰り返すように。 それでも死ぬことはできず、ただ自傷行為によって満足感を得たいだけなのではないかとさらに自己嫌悪を募らせている。 そんなさなかに事故で両親が急逝。跡取りとしてのプレッシャーを抱える中で、親族間の遺産相続争いに巻き込まれる。 可能な限り全員の要望を叶えようとしたところうまくいかず、逆に全員から責め立てられて全てが嫌になり出奔。遺産はすべて慈善団体に寄付してくれという遺書を残し家を飛び出した。 「ただ、間違ったことをしたくないと思ったんだ。それだけなのに、こんなにも苦しい」 「きっと、彼にも事情があったんだ。僕は怒っていないから、気にしないでくれ」 ◆医師（6版） 医学、応急手当、信用、心理学、精神分析、生物学、他の言語(ラテン語)、薬学、その他ひとつの技能（経理）

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