タグ： すあひこ探索者

■不定の狂気 ■後遺症 3卓分 モノフォビア ■キャラ背景 小さい頃からマジックを見るのが大好き。 それを見て喜ぶ人々の顔も大好き。 マジシャンに憧れて、どうしてもどうしてもマジシャンになりたくて。 自分も、見た人が感嘆のため息を吐くような、笑顔になってくれるようなそんな綺麗なマジックを披露できるようになりたくて、細々と練習していた折に天才・雪月 風華のマジックを目の当たりにする。 彼女のマジックは華やかで美しかった。 洗練された指先から生まれる手品は、まるで魔法のようで。朗らかな笑顔はまるでおひさまみたい。 一瞬で人々の目線を攫い、人々の笑顔の中拍手喝采を浴びるその様は、蕾々の憧れそのものだった。 マジック好きな蕾々が、彼女のファンになるのなんて雪が足元を掬うくらい一瞬だったのだ。 だから、憧れである彼女を追いかけて同じパフォーマンス事務所に所属した。 彼女は後輩である自分をとても可愛がってくれた。見つければ笑いかけてくれるし、色んなところに連れて行ってくれたり、練習にも付き合ってくれる。 パフォーマーとして活動する中で、胸がどうだの容姿がどうだの汚く欲の塊のような言葉を投げかけられることが多々あっても、どうでもいいのだ。 私にはこんな素晴らしい先輩がいて、大好きなマジックをできるのだから。 しかし、同じ土俵に立ったからこそ分かる。 彼女の才能が。自分との、天と地ほどの才能の差が。 どうして、私が難しいと思うことを簡単にやってのけるの？どうして、私が思い付かないようなトリックをそんな風に生み出せるの？ どうしてそんな、どうして？どうして？どうしてどうして、 どうしてこんなにも、追いつけないの。 どんなに頑張っても追いつけない！ どんなに努力してもどんなに頑張っても、雨が雪になれないように、星が月になれないように、咲いた花に蕾が追いつけないように、どんどんどんどん彼女は自分の先を行く。 拍手喝采の中スポットライトに照らされて笑う彼女とその彼女から生まれる手品は、とてつもなく美しいのだ。憎いくらいに！ こんなにどろどろした醜い感情を抱える私に、陽だまりみたいな彼女はふわふわと笑いかけてくれる。 笑いかけてくれる度、自分の醜さが明るみに引き摺り出されるようで苦しくなる。苦しくて、悔しくて、追いつけない自分が嫌で、大好きな先輩にこんなこと思う自分も嫌で。 大好き。大好きなの。 大好きなのに苦しくて仕方がないの。 大好きだから、苦しくて仕方がないの。 いちばんの憧れで、心から尊敬する大好きな先輩。 こんな無愛想な私にも笑いかけてくれる花のような笑顔がすき。 根気強く練習に付き合ってくれる優しいところが好き。 貴女のパフォーマンスの全部が大好き。 大好きなのに、私、嫉妬で頭がおかしくなりそうなの。

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