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私立探偵。裏路地の奥まった薄暗い雑居ビルの入口に「困っている人助けます　ハル探偵事務所」とだけ印刷された紙が貼られている。周辺の飲食店や風俗店にその事務所のことを訊ねればだいたいの人は快く知っていることを話してくれるだろう。「困ったお客さんとか、店前の喧嘩とか、とにかく荒事のときに呼ぶと一発で解決してくれるよ」「ショバ代入れろとかケツ持ちはウチとかって暴力団に居座られた時に助けてもらったな。お代も安かった」「むかし隣町の族とバトったとき助っ人に呼んだら相手方が壊滅したっすよ」「浮気調査とかは依頼しないほうがいいよ、ハルさんそういうの苦手だから」 実家は代々華道師範の由緒が正しめの家系。生け花を教え込もうとした父をはじめ一族とめちゃくちゃ仲が悪い。家は弟が継いだ。野山で駆け回り泥まみれで帰ってきた日も、喧嘩してアザだらけで帰ってきた日も、身体の弱かった母親だけは春子のことを褒め、可愛がってくれた。弟が剣道を習い始めたのをいいことに同じ道場に通った。母親がはるちゃんって呼んでくれていたためハルと呼ばれるのが好き。母親の墓参りにお盆だけは必ず帰省する。 家賃が安いからと事務所を構えた雑居ビルが歓楽街ど真ん中に位置していたため喧嘩や迷惑客の対処とかばかりする羽目になった。本当は迷子犬探しとか子猫の救助とかしていたかった。母親の形見に実家から持ち出した小袖や訪問着をしばしば着ている。出かける時は上からブルゾンとかスカジャンとか羽織る。いつだか彫り師を助けた時にお代替わりに刺青を掘ってもらったことがある。足抜けした極道や前科者の社会復帰のサポートなんかもやるので舎弟が何人かいる。楽天的で、考える前に手足が出るタイプ。煙草はアメスピ。バイクの運転が趣味。可愛い動物や子供が好き。嫌いなものは女性はおしとやかにしてろみたいなこと言う人。スズキGXRとか乗ってくれ。腕時計は黒のG-SHOCK。 傀逅を経てなんやかんやあってアキと結ばれた。 茹でとうもろこしはかぶりついて食べる派。

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