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「心の声に従いなさい。それがあなたの使命（コード）であると言うのなら」 FHはFH内部だけでなく、外部の研究機関などの外部組織の多くとも提携しレネゲイド研究を進めている。 彼女はそういった「FHセル以外のFH提携研究機関」とFH内部をつなげるパイプ役のようなものだ。 しかし彼女が行うのはあくまで「管理」であり、外部研究の全体的な指示を行うのは当然コードウェル博士。 彼女はその指示に従い、関係組織・関係者に対して通達・伝令、必要があれば解体を行うなどといった、いわば「中間管理職」に過ぎない。 マスターレイスの名前はあえて指名されず、彼女自身も「私は子でもありビジネスパートナーみたいなものなので」と語っている。 コードウェル博士の所有物には違いないが、それが有益であると認識すれば、他ロードの提案にも乗じ、作戦を行うようだ。 仕事・場所・立場を選ばないことと、その独特な能力による高い作戦遂行率から、関係者たちから「コードマスター」と呼ばれる。 彼女の正体については謎が多いが、コードウェル博士は彼女を「一番新しき原初の子」と名付けているようだ。 彼女はここ最近になって発見・研究されたウロボロスシンドロームの、いわば「第一感染者」と呼ばれる存在。 認知・研究され、データ上で初めて「ウロボロスシンドロームとして認められたオーヴァード」、そして 「ウロボロスシンドローム感染者として実験・研究されたオーヴァード」の第一号である。 コードウェル博士が発表したウロボロスに関しての研究データなどは、彼女の体がコードウェル博士によって研究・分析され出来上がったもの。 今日に至るまでの研究成果は一定数のウロボロスシンドローム感染者の重ねた研究あってのものだが、 その基礎を作り上げる元となったのは彼女の存在に他ならない。故に「エフェクトを取りこみ、進化させる」という面を利用し、 オーヴァードの能力自体の万能性を引き上げているのは彼女の得意分野に他ならない。 そういった経緯もあり、コードウェル博士からは「ウロボロス計画」の要、そしてFH内で行う仕事に関しての重要局面で積極的に 彼女をそばに置いて起用するなど、あらゆる意味での重要人物の一人として強く信頼されていると思われる。 性格は温厚で柔和。常に笑顔を絶やさず、物事を公平に判断することをモットーとしている、善性でぽわわんとした人間。 ――というのは彼女の「奥」を知らない人間から見たビジョン。 「仕事」に対しては自分はもちろん、他人にも容赦はなく、常にクオリティの高い仕事を求める。 それは戦闘時状況下でも同じで、作戦行動時、特に敵との戦闘時には冷ややかに味方に命令（オーダー）を与える。 必要とあらば、自分に迫る危険を他者を肉壁にするオーダーも、下すこと自体はためらわないだろう。 随所のやり取りを見れば冷酷な人間とも見える彼女だが、自分と同じ道を歩く仲間に対してはどこか世話好きな面もある。 仕事関係に関しては一切の慈悲・容赦の感情を持たないが、プライベートの面に関してはむしろ人付き合いが好きで、 表向きの「笑顔を絶やさずぽわわんとしている」雰囲気も素の人格の一端なのかもしれない。 つまるところ、仕事場での評価は「仕事に厳しい秘書役または事務役」だが、プライベートな面は「世話焼きの女の子」だ。 またFHのペルソナショップ兼趣味として、小さなオフィスビルひとつを購入し、一階を喫茶店に、二階を探偵事務所にして 兼業経営を行っている。無論、喫茶店に関しては完全に趣味に過ぎないが。 探偵事務所としてカモフラージュされたFHセルは、主に情報調査と外部コネクションとのスムーズな連携を目的とした部署で、 加えて外部コネクションの「取引」を掌握することでFH全体の取引を優位にするための少し特殊なセルである。 なお、「やってることが被ってる」という理由で、UGNのとあるイリーガル所属の弁護士をライバル視しているとかしていないとか。 彼女は自身の過去についてを、あえて強く封印している。語らないし、語りたがる姿勢を一切見せない。 「サロメ」という名前も「裏切りの聖人のそばに寄りそう少女たれ」という理由で自分から名乗り始めた偽名である。 本名は「美国　可奈美」。「美国」という有名な政治家家系が存在し、元々彼女はそこの一人娘であったことは判明している。 探偵事務所という形式でペルソナショップをしているのも、「美国」という政治家に関係している、との噂ではある。 しかし彼女が真実を語らない限り、噂の真相は闇の中だろう。 ――「では君に問う。君はその力で、世界に何をもたらす。どのような『欲望』を為す」 ――「私は、世のあらゆる人に、等しく愛をもたらす世界が欲しいです。博士……いえ、『パパ』」

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