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職を探している犯罪者 経歴を消すために2年ほど羽星市に潜っている 物心つく頃には金に困った親に姉と共に人身売買に出されていた。ある組織に買われて幼いころから数多くの黒い仕事をこなしてきた 裏社会から離れる決心をしたのは二年前、目に負った傷を姉に気づかれ「危ないことはやめて 体を大事にして」と頼まれたからである。 こなしてきた仕事のおかげで金銭面ではまだ余裕があるが姉を養うため、いつか姉の目を見える状態にしてあげたいという夢のため、新しい仕事を探している。 自分のしていることを姉には「危ない仕事」と抽象的にしか伝えていない。人を殺しているとは知られたくないが、大切な人に隠し事をしているという罪悪感が日々募っている。 美夜と冬貴 二人は黒社会の中でも比較的良心のある組織に買われた。冬貴は自分のことは好きにしていい、その代わり姉さんには手を出すなと要求を出した。 希望は案外すんなりと通った。冬貴は組織では最も危険な暗殺を旨とする部隊に編成され、殺しの術を教え込まれた。美夜は組織の手厚い介護のもと、普通の人と変わらないような生活を送る。 冬貴が22になる頃、仕事で顔に切り傷を負ってしまう。病室で寝ていた冬貴の顔に手を当てた美夜は傷のことを知ってしまう。この一件で冬貴は組織を抜け、普通の仕事、普通の人生を送ろうと決意した。 組織を抜けることは難しいと思っていた冬貴はボスのもとへ赴き、13年前と同じように懇願した。そしてまた同じように要求はあっさり通った。さらに経歴も消してもらえるという。 聞けばこの組織はもともと売りに出された子供たちを独り立ちができるようになるまで面倒を見るためにできたらしい。そして生きるための武器（冬貴の場合は人を殺す術、美夜は信仰という力）を教授する。それは組織の利益ともなるし、独り立ちのために必要なものでもある。 経歴を消すのは幾多の命を奪わせたことへのせめてもの謝罪の意味が込められている 傀逅　生還　姉さん・・・

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