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【プロフィール】 リアルタイム一次創作企画「Ｓ町より愛を込めて」よりコンバート 浅葱 大正(アサギ ヒロマサ) 男／16歳／159cm／高校1年生 一人称：俺　二人称：アンタ 【通過シナリオ】 ・死体は夏に向いていない ・カタシロ ・砂城の王 【詳細】 高校1年生、帰宅部、図書委員。出自は海辺の田舎町、実家は米屋。現在は高校進学を機に1人暮らし中。小生意気でややぶっきらぼうな思春期真っ只中の青臭い少年。 家族には別居中の両親の他、生まれつき病弱だった2歳年上の兄かつ故人である明治(アキハル)が居た。物心つく前から時折兄が大きな病気をするのでその度両親が兄に付きっきりにならざるを得ず、そんな事はない、仕方のない事だとは理解しつつも「兄の方が大事にされている」というもの寂しさを抱いていた為、小学3年生の時の兄弟喧嘩で「兄ちゃんなんかいなきゃよかった」と零す。もちろん両親には叱られ泣きながら困り笑いの兄に謝り許しを得、1週間もすれば家族全員の中で日常へ溶ける記憶になっていった。 時は流れ大正中学1年生、明治中学3年生の3年前の夏に兄の明治が急性骨髄性白血病を発症。隣町の大きな病院で入院生活を送り始めるが治療も虚しく次年の春頃に冬は越せないだろうと余命宣告を受け、最期を生家で過ごそうと自宅療養に切り替える。 が、大正中学2年生、明治高校1年生の夏の暮れの朝、起床した大正が2階の自室から1階へ降りようとヘアピン型の階段の踊り場で階下を振り返った時、目が合ったのは階段から転げ落ちる瞬間の兄明治であった。衰弱した足が段を踏み外したのか、余命を待つだけの生活を苦にし仰向けに飛び降りたのか、どちらもだったのか、原因も意図も明治にしか知り得ない。ただひとつ大正が知っているのは、呆気に取られ手も伸ばせなかった自分と目を合わせた兄明治が、こちらに向かって微笑んだこと。 人は理由のない行為を何より恐れる。 割れたジャムの瓶のような兄の頭を階段上で呆然と眺める大正は、最初で最後になってしまった兄弟喧嘩を思い出し、自身を責めた。兄はあれをよくよく覚えていて、言葉を多く知らず自分の惨めな気持ちを強い言葉でしか手渡せなかった弟に今この瞬間仕返しをしたのだと、無いものばかりをねだる、未来に恵まれた愚鈍で生意気な弟が兄は嫌いだったのだと、明日の己を案じて眠れぬ夜など未だ来ず2段ベッドの頭上で呑気な寝息を立てる弟への八つ当たりなのだと、それでも生を望んだ兄が弟の人生に2人分の重みを重ねて生きて行かせる為の呪いなのだと。 と同時に幼少の自身の抱えた寂しさと嫉妬は客観的に見ても当然の感情であったと、子供の癇癪による過ぎた物言いを15にもなって根に持つ方が子供なんだと、悪いのは目が合った時の笑みの説明も何故転げ落ちたのかの説明もせずにおっ死んだ兄であると、日々苦悩させられている自分は被害者であるとも感じている。 全ては大正の被害妄想と呵責による自己否定、責任転嫁と保身による自己肯定内での所感であり、兄明治が死んだ今全ては永遠に答えの出ない問いへと姿を変えてしまった為に浅葱大正は浅葱明治の亡霊を引きずって生きていく他道がないのである。

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