タグ： H3PO4 矢吹家

大学で心理学を学びながら小説を書いている女性。 独特の言い回しと想像を掻き立てる表現が特徴。得意なジャンルはファンタジー。 ペンネームはアリス。ありがちな名前だが、そんなありふれた"アリス"という名前をあえて使っている。 好きな色はミントブルー。 自分は不思議の国に迷い込む探索者(＝アリス)でありながら、読者(＝アリス)を不思議の国にいざなうウサギでありたいと思っている。 ...つまりは不思議ちゃんである。 びっくりするのが苦手。だが思い切った行動をしがちなので、自分でやっておいてびっくりして腰が抜ける。 普段は近所の自然公園の池の近くで執筆している。 好物はヨーグルト。 誕生日は１２月９日。 <芽衣のジャムメニュー> 月曜日　はちみつ 火曜日　レモン 水曜日　メープル 木曜日　ラズベリー 金曜日　オレンジ 土曜日　ブルーベリー 日曜日　リンゴ <特徴表> ・実は生きていた 生き残るすべに長けている。死からの生還（”クトゥルフ神話TRPG"64ページ）のチャンスが通常の次ラウンドではなく、5ラウンド以内に伸びる。 ・不思議ちゃん 時折突拍子もない言動で周囲を騒がせることがある。別の世界から来た精神交換者か、妄想が生み出した人がしばしば表面に出ているのかもしれない。 ↓「長く短い夜想曲」ネタバレ ----------------------- アリスの為の物語　　　　　　　　アリス著 とある栄えた王国に、それはそれは美しい王子さまがいました。 王子さまは、咲いた赤バラのようなほほ笑みと、精巧な彫刻のような若々しい体躯を持っていました。 黒一色の衣に縫い付けられた宝石はまるで夜空の輝く星のよう。 王子さまは王国の民から愛されていました。 ある日、王子さまは湖で、純白の体を血に染めた白鳥に出会います。 王子さまが手当てをすると、元気を取り戻した白鳥はまた湖の滑らかな水面へと戻っていきました。 そしてその日の晩、王子さまは不思議な手紙を見つけるのです。 王子さまの豪華なベッドに置かれた、少し薄汚れた便箋。 手紙には黒のインクでこう書かれていました。 「今夜、星の降る空の下で、どうか一緒にお茶会を」 城が寝静まった頃、王子さまが庭へ向かうと、そこにはとても美しいお嬢さんがいたのです。 お嬢さんは穏やかに光り輝く白銀のドレスを身に纏い、濡れたオブシディアンの瞳を細くしながらこう言います。 「こんばんは、王子さま。こんな素敵な夜ですもの。お茶会をいたしましょう」 王子さまが快く引き受けると、お嬢さんは王子さまの手を引いて真夜中の庭を進んでいきます。 そこには、ティーポットとお茶菓子が乗っている白のレースがかかった小さなテーブルと、それに寄り添うようにおかれた椅子がありました。 そして月が朝へと向かうまで、二人は楽しいティーパーティーを続けました。 すっかりお嬢さんに心惹かれた王子さまはお嬢さんにこう言います。 「あなたのその白銀から目が逸らせないほど、恋に落ちてしまったようです。どうか僕と結婚してください」 ですがお嬢さんは曇り空のような表情で返します。 「ごめんなさい。わたしはあなたと共にいられないのです」 お嬢さんはたまらず席を立ち、そのままどこかへ駆けていってしまいました。 王子さまはお嬢さんの後を追いかけて、湖までやってきました。 王子さまが湖にやってくると、そこには湖に足を踏み入れるお嬢さんがいました。 王子さまが駆け寄ろうとした次の瞬間、お嬢さんを柔らかな光が包みます。 そしてみるみるうちにお嬢さんは純白の白鳥へと姿を変えていくのです。 王子さまはその美しい白鳥に見覚えがあります。昼に手当てをしたあの白鳥だったのです。 白鳥は王子さまにこう告げます。 「あなたのおかげですっかり傷は癒えました。そのお礼がしたくて、魔法使いに頼んで一晩だけ女性の体になってあなたの元を訪れたのです。　...わたしは白鳥です。あなたは国の美しい女性と幸せになりなさい」 流星のような一筋の涙をこぼす白鳥に王子さまは返します。 「僕はあなたの麗しい瞳、温かな心、輝く白銀、全てに恋をしているのです。あなたが人の姿をしていなくても、僕はあなたを守り続けましょう」 そしてその後、王子さまはどんなに美しい女性とも結婚せず、湖を守る騎士になったのです。

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