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・２１歳の青年……の姿で人間界に紛れ暮らしている物の怪・送り犬 送り狼のオス。黒く長い髪が特徴的。犬の姿としての毛色は白銀色だが、現代、こと日本においては白銀の髪色は目立つため、変装の際は黒色の毛並みにしている。 ・典型的な陰の雰囲気をまとうが、本人はコンピューターに詳しいわけでも自宅警備員でもなく、むしろそういった類のものを使いこなせないタイプ。人生会は、彼がなんとか辿り着いた場所であり、インターネットのマナーなどもまともにわからないまま書き込んだのかもしれない。 ・物の怪としての特性で、夜の方が活動的。そのため夜間警備員バイトを現在は行っている。変装が得意ではない彼は、時々耳を残して人間に化けてしまう時があるため、帽子があるアルバイトを選んだ。……本人に人間を守る意思があるかはどうかは別の話だが。 🐕送り犬 送り狼について 夜中、夜道を歩くとついてくる犬の怪異。人間が転んでしまった場合対象を食い殺すが、その際に座ったり休憩を取ったふりをすれば襲うことは無いのが全国的な基本形。ただし、犬が体当たりして突き倒そうとする、転んでしまうとどこからともなく現れるなど、地域によって犬の行動には違いがある他、地域によっては無事に山道を抜けた話もある。また山道でひとり産気づいた女が子どもを産み落とした際に集まった送り犬は、恐れながらも自分の身を差し出す女に対して山中の狼から母子を守り、夫を連れてきたという話もある。 送り犬の他、送り狼についての語りも残っており、送り犬同様転んだ人を食い殺すなどといわれるが、正しく対処すると逆に周囲からその人を守ってくれるという話もある。 参考文献 ：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%81%E3%82%8A%E7%8A%AC ：https://www.nichibun.ac.jp/cgi-bin/YoukaiDB3/simsearch.cgi?ID=0810007 🐕職業技能について 送り犬・送り狼の特性：暴力団組員（組み付き・言いくるめ）＋山岳救助隊員（聞き耳・追跡・跳躍）の職業技能 物の怪自体の特性：妖術・変装 以下、取得理由 組み付き：送り犬は人間に襲い掛かるから 妖術：物の怪だから 聞き耳：送り犬は犬だから 追跡：送り犬は人間の後をついていくから 跳躍：送り犬は犬だから 変装：物の怪として人間界で生きるために必要だから 言いくるめ：物の怪として人間界で生きるために必要だから 以下、秘匿HOのネタバレあり ・まだ物の怪として幼いロウは、人間世界で生きることや物の怪の現在の生活を受け入れていた。人間はかつて自分たちを畏れていた存在ではあるし、伝説や伝承が残っている。しかし人間の進化の過程で淘汰されていったことに対しても、人間の学校教育を受ける過程で納得していた。妖怪や物の怪の児童向けの本を読む同級生に対してさえ内心ちょっと得意げであったくらいには、健気で、自分たちの現在の立場を理解していた。「本当にそういう存在がいるのに」「この妖術を使えば、証拠も残さずに嫌いな対象を痛みつけることだってできるのに」と、自分たち種族を上に見ることはあったが、そういう話を双子のテンにするたびに「ロウはおもしろいね」「そう思っても、実際に不用意にはそういうことをしないのがロウだからね」と、諫められていた。実際、ロウも怪異としては好戦的ではなかった。……純粋に売られた喧嘩を、丁寧に買う性格ではあるが。 ・父母双子の皆も、さして人間を嫌っているということは無く、人の世に紛れて生きていた。こと双子のテンは、人間と自分たちを差別せず、好意的に見ていた。そんな家族のもとで育ったロウも、物の怪優位思想が垣間見えることはあれど、人間の作った学校に通い、一丁前に人間と同じように進路に悩んでいた。送り犬らしく……なのか、むしろらしくないのか。人間社会で抱いても恥ずかしくない夢を抱きながら。そんな矢先に家族が殺された。 ・「家族が殺される」、それは人間社会で当たり前とは言わずとも、何らおかしくないことではある。人間は異種族だけではなく同種族を殺す時がある。だから人間の世界に紛れて生きてきた自分たちが、完璧に人間に紛れていた証でもあるのだろう、と思うようにした。思うように努力して、気付いた。「人間を襲うことが目的、つまり襲うことが使命であり襲うことに理由のない理外の存在である物の怪などではない限り、おおよそ『人間』が殺されるときには『意味』が伴うはずだ」と。そう、「人間が人間を襲う時の多くは、理由が伴うはずだ」と。そこからの彼の思考を止める者はおらず、「自分たちが物の怪として人間に殺された可能性だってある」「どうして家族が殺されなければならなかったのか」と、私情の憎悪を抱き始めた。黒鉄の塊は、人間が用いる力だ。ならば人間が、犯人であるはずだ、と。 ・仇を見つけ出すという執念で半ば生かされているが、実際仇が見つかった時にどう行動するかは定かではない。けれどとにかく、彼の中には多くの疑問が残っている。「どうして家族が殺されなければならなかったのか」「自分たちが人間を襲う物の怪の種族だったからなのか」「自分たちはもう人を襲うことはおおよそしていなかったのに、まともな住処も存在も奪った上で、なぜなのか」。 ・アルバイトで食い扶持を繋ぎながら、彼は自分の家族を殺した犯人を追っている。そうして、とあるインターネット掲示板のスレッド『人間的生活の会』 にたどり着いたのである。 🐕名前について 本名：ロウ 戸籍上の名前：山路 琅（やまじ ろう） コテハン：テン 本名は「ロウ」。おおいぬ座の一等星・シリウスの和名「天狼星」から。双子は「テン」「ロウ」と名付けられた。彼らが生まれた冬の夜、澄んだ空によく輝いていたとか。 戸籍上の名字は「山路」。送り犬である自分たちを忘れたくないがために選ばれた名字と当て字である。 人生会のコテハンは「テン」。自分とよく似た、けれど殺されてしまった、双子の名前である。当て字は「典」。

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