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｢ボクがこの教会のォ……神父デス！ハジメマシテ、よろしくネ？｣ ｢ああ、こら、それは、"悪"デスねえ。いけません、神の教えに背く気デスか？｣ ｢し、知らない、ボクは……この世界以外のことは、何も。知らないのデス｣ 一人称 ボク 二人称 アナタ、○○サン 教会の外には出たことがない。"善"を信じて疑わない。全ての生命は平等で、皆等しく神の子。 幼い頃の事は全く覚えていない。親は誰かと聞かれたら大司教サマだし、アナタは誰かと聞かれたらただの一神父。 昔からずうっと教会の中で過ごしてきたので、"悪"に触れたことの無い純粋培養の神父様。悪いことは絶対やってはダメで、大司教サマの教えを冒涜するような生命は、"いてはならない"。というかそういう生命に会ったこともないので、この世に"悪"の概念があることは知っていても、お伽噺の中の存在だと思ってる。 時々懺悔をしに来るアクニンはいるけれど、やっぱりどこかお伽噺のようで、お決まりの文句を言っておけば大抵のアクニンは"神の子"として正しい道を歩んでくれる。 神の前には皆等しく同じ命だから、誰かを特別視することもない。個体名が分からないという訳ではないが、名前に個体の識別記号以上の意味は無い。なので、人間が死んでも虫が死んでもまるきり同じように悲しむ。大切な人間……とか、分からない。だって全てが神の前には同じ命だから。 セシリオのヒエラルキー的には、1番上に神サマがいて、真ん中に全ての生命、そして一番下に自分がいる。一見めちゃ優しい神父さんだけどこれは見事に狂っていて、例えば、アリと自分が同じ部屋にいて、どちらかが死ねば部屋から出られますとかいう状況だと、迷わず自分が死ぬ。 "悪"も知らないし、"特別"だなんて知らないし、"世界"も全く知らないけれど、自分はこれで良い、だってボクにとってこの教会こそが全てだから。でもちょっとだけ、この殻を破れるような出来事があったら良いなと思う時もある。けれどそんなことは夢物語なので、静かに神父として生きるのだ。 箱入り息子なのでめちゃ可愛がられてる、と本人は思ってるし、大司教サマはまあそれなりに、好き。命の価値は等しいケドね？ *☼*―――――*☼* 【X2U/神父】 ボクの世界が壊された。それでも、ボクは"世界"に出てみたいと思った。 自分で決められた、のかな。ボクは誰かを、大切にできるのかな。

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