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製菓専門学校の学生。パティシエを夢見て奮闘中。 （※以下「にんぎょうじみたぼくら」バレあり） コロナの影響で学費に困ったので、報酬目当てでとある治験に参加することとなった。 なんかよくわかない、脳に関する治験らしい。 目が覚めたら、俺はとある人を好きになっていた。 話したことはない、よくバイト先の店に来る人。 まあ、顔はかっこいい方。 学校はうちの店の近くの大学。ホールの奴に聞けば、その辺のことは教えてくれた。 それからはなぜかずっと彼のことを目で追ってた。 何で惹かれているかはわからない。 ただ、なんとなく、気になる。好き。 そんな曖昧な気持ちが、たしかにあった。 そして気付いたら、告白してた。 そんな、夕陽の公園で告白とか、ガラじゃないんですけど…？ 相手だって困ってるはずだ。 ほら、眉寄せて変な顔してる。 どうしたらいいのか分からなくて、とっさに逃げてしまった。 次の日、病院で再開した。いや、そんなことある？ いきなり告白して勝手に逃げた相手に、その人は自然に接してくれた。絶対引いてるだろうに。 そして接するにつれて、分かってきた。 初めて聞いたその声が、なぜか懐かしく感じる。 ずっと一緒にいたわけじゃないのに、なんとなくわかる。 この人は、優しい。 その優しさに甘えて、つけこんだ。 我ながらずるいと思う。 ただただ、その距離が心地よかった。 「…お前と良く似ている親友がいてさ、初、俺びっくりしたんだ。でも、俺が蛍のこと好きかよく分からない、こんな曖昧なままで蛍と付き合うのは蛍に悪いと思うんだ」 がっかりしている自分がいた。 そこで初めて、期待してたのだと分かった。 「葵さん、パンツで寝たら風邪ひきますよ。」 …その言葉は、誰のものだったのだろう。 そこで俺の記憶は途切れている。 起きたら、驚いた。 いつの間にか眠らされてるし、知らない場所にいるし、いや、それより、隣に寝てた人……… 気まずい………… あの変な夢の中では俺告白してるし、なんなら振られてるし、何をどうやって話せばいいんだろう。 あ、やべ、目合っちゃった。 「じゃ、唐揚げでも食いにいくか。」 俺が好きだと言った唐揚げ…。この人も同じ夢を見ていたのだろうか。 あの夢と変わらず、この人は俺に優しくしてくれた。 それなら、もうちょっとだけ、このまま甘えさせてほしい。 この気持ちの名前が分かるまででいいから。 ■踏破シナリオ ・「にんぎょうじみたぼくら」

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